フビライ・ハン(ドラマ) アジアからヨーロッパにまで及ぶ大帝国を築いた英雄、フビライ・ハンの生涯を描いた全50話の歴史ドラマ。 「レッドクリフ」で趙雲を演じたフー・ジュン。歴史を感じさせるスケール感と迫力のアクションで、フビライ・ハンがいかにして中国を統一していったかを描く。
フビライ・ハン(ドラマ)
ストーリー
1215年、戦乱期のモンゴル草原地帯に生を受けたフビライ・ハン。モンゴル帝国第3代皇帝(大ハーン)であるオゴタイが亡くなり混乱が続く中、成長したフビライは才能のある人物を登用し、戦乱を勝ち抜いていった。彼は後の元王朝創始者たる実力と勢力を、着実に強めていく。チンギス=ハン家略系図
登場する歴史上の人物
チンギス=ハン


オゴタイ=ハン


ドレゲネ


グユク


モンケ


フビライ・ハン


トルイ


チャブイ


フレグ


アリクブケ


ハイドゥ


テムゲ・オッチギン
チンギス=ハンの末弟。チンギスから特に愛され国王の称号を与えられた。 モンゴル帝国第2代大ハーン・オゴタイ=ハンが没すると、オッチギンはハーンの位を求め、軍隊を率いてオゴタイ=ハンの皇后たちのオルドに向かった。しかし、皇后ドレゲネに阻まれ、征西から帰国したグユクがエミルに到着した報告を聞くと帝位を断念する。 オゴタイ=ハン、それに続くチャガタイの急死に、オッチギンの関与を疑う意見も存在する。 グユクの即位後、オッチギンは先に行った帝位の簒奪について、トルイ家のモンケとジョチ家のオルダから審問を受けた。オッチギンの配下の将校たちを処刑することで裁判は決着し、判決の直後にオッチギンも没した。ジョチ


バトゥ


チャガタイ


コデン


耶律楚材


劉秉忠


郝経


ソルコクタニ・ベキ
ソルコクタニ・ベキ 1192年頃〜1252年 トルイの正室。 モンケ、フビライ、フレグ、アリクブケの実母。

五公主
チンギス=ハンの娘。トルイの妹。チャブイの母。史実では、同族であるオルクヌウト氏族でボルテの弟アルチ・ノヤンの長男チグウ・キュレゲンに嫁ぐ。

ガイミシュ
ガイミシュ (不明〜1251年) グユクの皇后。グユク没後監国となり、グユクとの子ホージャ・オグルを後継者におきたかったが失敗し、モンケが即位した。

シレムン
オゴタイ=ハンの三男クチュの子。

董文用
董文忠と董文用は兄弟でフビライに仕えた漢人。

耶律鉉
耶律楚材の子。

姚枢
姚枢 (1200年〜1280年) フビライの漢人参謀。ボオルチュ
チンギスに仕えた続けたモンゴル帝国草創期の第一等の勲臣。四駿四狗のひとり。

スブタイ
チンギスに仕えた続けたモンゴル帝国草創期の第一等の勲臣。四駿四狗のひとり。

チラウン
チンギスに仕えた続けたモンゴル帝国草創期の第一等の勲臣。四駿四狗のひとり。

シバン
ジョチの子、バトゥの弟。ジョチ・ウルスの北東部を所領。コデンとともにフビライを慕う。

モゲ
トルイの八男。モンケ、フビライ、フレグ、アリクブケの異母弟。モンケが親征の途上に四川の釣魚山で亡くなると、モゲはいち早くフビライに使者を派遣して北方モンゴリアに戻り、カーン位に即くよう進めた。

アラムダル
邢州の徴税吏。ドレゲネの奸臣。当作の中ではイェスタイの父。

各話エピソード
第1話
西暦1215年の中国大陸はモンゴル、宋、金の3大勢力が覇権を争っていた。チンギス・ハンは四男・トルイらを従え金へ進攻を開始。しかし、両軍が激戦を繰り広げる中、トルイの軍営は金軍の奇襲を受けてしまう。1219年〜1223年 モンゴルのルーシ侵攻(チンギス=ハンの西征) 1226年 第五次西夏遠征 1225年 ジョチ死去。
第2話
モンゴル軍は、西夏の都・中興府を攻め落とすことに成功。その直後、チンギス・ハンの元へ早馬が到着。それは長男・ジョチの急逝を知らせるものだった。チンギス・ハンは突然の訃報に打ちひしがれる。1227年 チンギス=ハン死去
第3話
思い人であったイナの突然の死から立ち直れずにいたフビライ。それを心配した母・ベキは、息子に妻をめとらせようと提案する。相手となるチャブイは夫・トルイの妹である五公主の娘で、評判の美人だった。1230年~1234年 第二次対金戦争(史実ではオゴタイ=ハンを中心としてトルイ、テムゲ・オッチギンなどの帝国の有力者が揃って戦った。) フビライは南宋の宰相王淮に通行許可を求める。南宋の武将王堅と宋世廷と出会う。互いの勇猛さを知り敵に回したくないと感じる。
第4話
金軍への奇襲を企てたグユクたちは逆に敵の要撃を受ける。大ハーン・オゴタイ=ハンは息子の援軍要請に応じ、少なくなった兵の中から精鋭を集めて救援に向かわせるが、ボオルチュ率いるその援軍も金軍の襲撃に遭う。オゴタイ=ハンの失策によりボオルチュ死去。(史実ではボオルチュの没年は不明。) 1232年 三峰山の戦いでトルイ家が活躍。
第5話
フビライがバオインを殺した疑いで軟禁された。罪なき民を殺したバオインを捕縛しようと追っていた中での事故だった。バオインは一介の商人だったが、皇后・トレゲネの命を受けて徴税の仕事を任されていた。1232年 トルイ死去。
第6話
「毒を盛ったトルイの容体はどうなっているのか」。詳しい情報を得ることができず、業を煮やしたトレゲネは見舞いと称して自らトルイの元を訪れた。しかし、彼の長男・モンケに門前払いされてしまう。
第7話
大ハーンは「お前がトルイの死に関わっているといううわさを聞いた」と皇后を問いただす。なぜトルイの薬が町から消えたのかなどの疑惑に対し、トレゲネは貞淑な妻としての顔を崩すことなく答えを返した。
第8話
トレゲネの言葉はベキとフビライの殺害を暗示していた。邪魔者を消し、息子・グユクをハン位に就けようとの魂胆だ。トレゲネはためらうグユクにある指示を与える。翌日、皇宮の庭ではささやかな酒宴が催されていた。
第9話
フビライと劉秉忠がたどり着いた李家村は見るからに困窮を極めていた。何者かに襲われて命を落とし、葬られることもなくさらされた遺体がある。ようやく見つけた村人から話を聞いた2人は、災厄の元凶を知った。フビライは邢州を統治するため海雲禅師に協力を求めるが、子聡(劉秉忠)を推挙される。 董文忠
第10話
盗賊たちを倒したフビライは、いよいよケイ州の統治へと乗り出す。フビライは劉秉忠の助言に従い、農耕の改革を最優先事項に掲げた。そして、汚職の一掃が急務だと考えた彼は、汚職役人を一斉に解任する。邢州の徴税吏アラムダル 娘イェスタイはモンケと結婚する シリ様とバダズ様2王の天下 フビライとチャブイが夫婦となる。
第11話
漢人が多く住む土地に適した政策を進めるフビライの方針が奏功し、ケイ州の統治は順調に進んでいたが、皇后・トレゲネはモンゴルの伝統とは異なるやり方を批判。フビライも一歩も引かず、2人は激しく火花を散らす。
第12話
皇后からの書状を一読するやフビライは顔色を変え、モンケの軍営へと駆け付ける。彼がにらんだ通り、モンケは彼らの母・ベキをグユクに嫁がせようとしているトレゲネのやり口に激怒し、挙兵しようとしていた。1241年 オゴタイ=ハン死去。本作ではトレゲネの奸臣フキが毒をもったと描かれているが、史実ではトレゲネの奸臣の名は、悪評の人物として名高いアブドゥッラフマーンとされ、『元史』「奸臣伝」に連なる。
第13話
大ハーン・オゴタイ=ハン崩御の知らせが密偵を通じてグユクたちにもたらされた。皇后・トレゲネ討伐のために行軍中だったグユクは、すぐに帰営を決断。一方、トレゲネの動きを警戒したフビライは単身カラコルムへ向かう。大断事官クトゥクは、史実ではチンギス=ハンの実母ホエルンの養子とされている人物。 1241年 トレゲネが監国となる。
第14話
万策を尽くし、政権を奪い取ったトレゲネ。オゴタイ=ハン家との権力闘争を避けることができ、ベキらトルイ家の兄弟たちはひと時の平穏に安堵した。しかし、監国となったトレゲネはいずれトルイ家を潰す決意を固めていた。
第15話
無邪気に相撲を取る2人の孫を前に目を細めるトレゲネだったが、抜け目のない彼女はどちらが大成するかを見極めていた。勝つことに執着し、知恵を働かせるハイドゥを有望と見たトレゲネは、教育係にフチを任命する。1244年 耶律楚材死去。
第16話
グユクは監国である母からも妻・ガイミシュからも諌められて憤るばかり。ガイミシュはさらに「親子で反目しないで」と告げ、グユクにできるはただ妻を罵ることだった。トレゲネは、スブタイ将軍を訪ね…。1248年 スブタイ死去。
第17話
ガイミシュは監国からの指示だと偽りフチに堕胎薬を調合させたが、本当の狙いはグユクとの子だった。グユクが意を決して薬を飲もうとした時、ガイミシュが問いただされ、苦しい胸の内をぶちまける。
第18話
フビライが「私もグユク王子を大ハーンに推挙します」と発したため、会議場は賛辞や罵声が飛び交い、騒然となった。しかし、トルイ家の主であるベキまでもがグユクを大ハーンに推薦し、衆議は決した。1243年 フビライと皇后チャブイに真金誕生する。 1246年 グユクがモンゴル帝国第3代大ハーンに即位。史実では、ドレゲネはグユクの即位を見届けるとその2ヶ月後には病死したとある。
第19話
チャブイが無事出産したとの知らせを受け、彼女の両親がケイ州王府へ赴く。2人は孫の誕生を喜ぶが、モンケの妻・イェスタイが「フビライは側室を迎えるべきだ」と水を差し、チャブイの母と口論になってしまう。
第20話
騎馬隊の列の前に飛び出したカク沁を間一髪のところでシレムンが救った。カク沁の兄で高名な儒学者・カク経は今、牢の中だと言う。頼る者のいない彼女は、フビライに兄を助けてほしいと直談判するつもりだった。
第21話
カク経を配下に加えたいフビライは自ら牢の中へと赴き、「天下の民のために力を貸してほしい」と辛抱強く説得を続けていた。やがて、その熱意に折れたカク経は一つの要求をのんでくれれば力を貸そうと申し出た。
第22話
アリクブカは妓楼に通い詰め、酒と女に溺れていた。海雲大師が諌めても聞く耳を持たず、フビライへの憎悪を募らせるばかり。さらにアリクブカは、「安陽の税を倍にして田畑の半分を牧草地に変えろ」と命じた。
第23話
大ハーン・グユクは静養を口実に10万の兵を引き連れ、バトゥの治めるキプチャクへと向かった。ガイミシュから事態を知らされたフビライは、戦を回避すべく董文用と文忠兄弟をキプチャクに先回りさせる。1248年 グユク死去。 1266年 シバン死去。本作ではグユクと同時に死去しているが史実では1266年といわれている。 1248年 グユクの皇后ガイミシュが監国となる。
第24話
監国・ガイミシュの前に、数々の難題が山積みとなった。これらを全て解決する能力など彼女は持ち合わせていない。「新しい大ハーンを立てるべきだ」と声を荒らげる大臣や諸王を追い払うのが関の山だった。ガイミシュの新政は内圧を抱えていた。保守的な諸王たちが漢人を登用するフビライのやり方に不満を訴えていたのだ。反発を恐れたガイミシュは漢人に限らずシレムン含め、フビライと関わるものは皆朝廷から追放した。この暴挙は朝廷の綱紀を乱した。また、モンゴルは深刻な干ばつに見舞われ、急を訴える上奏が山積した。治国の才に欠ける彼女に打つ手はなく、ガイミシュの無能さは大臣たちから嘲笑されるようになる。
第25話
トレゲネのゲルに乗り込んだガイミシュが「あなたの仕業ね」と言う。息子のホジャとナグとは連絡が取れなくなっていた。ナグはフビライによって救出されたが、ホジャはモンケを捕らえ反朝廷への意志を示している。
第26話
監国の座とトレゲネに勝つことに固執しているガイミシュは、フビライにある取引を持ち掛ける。彼女はフビライを大ハーンとし、同盟関係を築こうとの魂胆だった。フビライは母や兄弟たちに一部始終を打ち明ける。
第27話
チンギス・ハンの遺言書は確かに存在した。それは後継者を指名したものではなく、フビライが大ハーンの座に就くことを後押しする内容だった。フビライは「期待には背きません」と、天上の祖父と父に語り掛けるが…。
第28話
カシに率いられた反乱軍が皇宮を攻めるが、寸前に気付いたフビライは機転を働かせ反乱軍の出鼻をくじいた。両軍の死体が転がる皇宮で、倒れ伏した男に「大ハーン」と呼び掛ける女性の姿をフビライは見つける。1251年 モンケがモンゴル帝国第4代大ハーンに即位。 モンケ即位の祝宴の夜にカシが率いた反乱軍はフビライたちに撃滅された。カラコルムを離れていたハイドゥだけがこの難を逃れた。モンケは謀反に加担した者を全員死罪とした。史実ではこの時、ガイミシュも処刑された。 フビライは新たに金蓮川の地を与えられた。
第29話
長年の悪弊を一掃しようとする大ハーン・モンケの新政は民衆の喝采を浴びた。アリクブカの報告によると兵たちの士気は高く、入隊を志願する者も後を絶たないという。新大ハーンの治世は順風満帆の滑り出しを見せたが…。
第30話
フビライはモンケから賜った新たな領地を訪れた。そこで彼は金蓮川の美しさを目にして上機嫌になる。劉秉忠によると、ここは過ごしやすい上に今後の発展も確実で、政庁を設けるのに最適な地とのことだった。ソルコクタニ・ベキ死去。
第31話
出陣を前にモンケが大理討伐の成否を占わせたところ大吉と出た。祈祷師は「しかし、この勝利は大ハーンにとって凶事の前触れでもあります」と言い、「美しい大草原に2つの太陽が輝く」との謎めいた言葉を吐く。1253年~1254年 雲南・大理遠征 大元帥:フビライ, 左先鋒:スブタイの子ウリヤンカダイ, 右先鋒:シレムン (史実ではシレムンは既に処刑されており、チャクラとエジルが右先鋒を務めた。)
1240年、モンゴル帝国の第2代大ハーンオゴタイ=ハンの息子コデンはチベット(吐蕃)を攻略し、カダム派の仏教寺院を焼くなど猛威をふるった。コデンは、豪族と結びついて各地に割拠した仏教教団のサキャ派の教主サキャ・パンディタと面会する。1249年、コデンはサキャ・パンディタに、ラサやサキャのあるウー・ツァン地域に対する政治権限を与え、サキャ派とモンゴルとの同盟が形成された。サキャ・パンディタの甥のパクパはフビライに仕え、フビライが第ハ-ンに即位すると、帝師に任命され、元における仏教に関する全権を任された。
没年不明 コデン死去。
第32話
フビライがシレムンの命を救ったことの是非をめぐってアリクブカとモゲは口論になり、そこから殴り合いに発展してしまう。モンケはこの一件で、モゲがフビライに心酔していることを目の当たりにした。1257年 モンケはアラムダルを京兆府(西安)に派遣して皇弟フビライ・ハンの財政を厳重に調査させた。
第33話
フビライが不正を働いていた証拠を何とか探し出そうとアラムダル一行は悪戦苦闘していた。しかし、必死になって調べてみても疑惑の端緒すら見つけることができず、アラムダルたちは策を練り直す。
第34話
チャブイからの連絡が途絶えたことを不審に思ったフビライは、すぐに金蓮川へと向かう。やがて、朝廷からの命令で関所が封鎖されていたことを知り、フビライの不安はより色濃いものとなっていった。シレムン死去。
第35話
クサアルは我が身を捧げてフビライとアリクブカの争いを終わらせようとしていた。しかし、その行為がフビライへの愛ゆえのことと見抜いたアリクブカは、クサアルを金蓮川王府へ送るよう告げた。
第36話
兵権を返上したフビライを金蓮川へ帰すことを決めたモンケ。ガイミシュはこれに猛反発を見せるが、大ハーンの決意を覆すことはできなかった。フビライが金蓮川に戻ったことで、家臣一同はほっと胸をなで下ろす。ドレゲネ死去。 ガイミシュ死去。
第37話
トレゲネとガイミシュが相次いで逝去。邪魔者は消えたが、モンケの心は晴れない。祈祷師が残した不吉な予言が気になるが、何よりも間近に迫った南征を成功させられるかどうかにモンゴルの命運が掛かっていた。1256年 モンゴル・南宋戦争 モンケはフビライを更迭、タガチャルを起用。釣魚城は南宋の武将王堅が固守していた。
第38話
東路軍の惨敗によって釣魚城攻略作戦は破綻し、長引く豪雨も戦況に悪影響を及ぼしていた。将軍たちは一時撤退を進言するが、フビライの反対を押し切って出陣した手前、モンケも簡単には承諾できない。
第39話
死期を悟ったモンケは深く後悔していた。つまらぬ対抗心からフビライの忠告を無視して南征へ出発し、多くの兵を失った。過ちを悔いたモンケは、「これ以上フビライと争うな」とアリクブカに告げ、息を引き取る。1259年 モンケ死去。(釣魚城攻略中) 1258年〜1259年 鄂州の役 鄂州城は南宋の武将宋世廷が固守していた。
第40話
賈似道はモンゴル軍と和議を結ぶことを決意。王堅と宋世廷はこれに反対するが、賈似道は独断で使者を送り、領土を譲渡する取り決めを済ませてしまう。難なく鄂州を手に入れたフビライは、モンケの葬儀に参加する。
史実では、賈似道が領地の割譲と貢納を約束して密約を結んだためにモンゴル軍が撤退したとする説が存在するが、密約の存在は疑問視されている。賈似道はモンゴル側の意向を探るために和睦を提案したものの、フビライはこれを受け入れず、結局両者の間に和約は成立しなかったといわれている。湖南、江西に侵入したモンゴル軍に対して宋軍は奮戦し、彼らの功績は南宋のほぼ全域の軍事権を掌握する賈似道の元に帰した。戦後賈似道は国内の情報統制、外部への内情の漏洩を防ぐため、フビライの元から派遣された使者の郝経を投獄する。使者の投獄に対してモンゴルの大臣たちはフビライに南宋の攻撃を進言したが、フビライは弟アリクブケとの抗争のためにやむなく中国遠征を延期したとある。
1260年 フビライの本拠地、金蓮川の開平府でフビライ支持派によるクリルタイが開かれ、フビライの大カーン即位を宣言した。6ヶ月後アリクブケは都カラコルムでクリルタイを開き大ハーンに即位した。
1260年〜1264年 モンゴル帝国帝位継承戦争 モンゴル帝国の第4代大ハーン(皇帝)モンケの死後に、モンケの一つ下の弟・フビライと、一番下の弟・アリクブケの兄弟が共に大ハーン継承を宣言したことから帝国始まって以来最大の内戦がおこる。
第41話
チラウンがスハに捕らえられたので、フビライは燕京へと赴く。大軍の到来に慌てたスハは、牢からチラウンを連れ出すと、城外に陣取ったフビライと対峙した。フビライはスハに燕京の明け渡しを求めるが…。チラウン死去。(史実ではチラウンの死去した日付や場所は不明。)
第42話
京兆城を包囲したハイドゥは、民を扇動してチャブイを生け捕らせる作戦に出た。この動きを察知したチャブイは、捕らえていた仇敵・アラムダルを処刑し、ただちに皇宮を出て城外脱出の機会を窺った。アラムダル死去。 五公主(チャブイの母)死去。 アルチ・ノヤン(チャブイの父)死去。
第43話
京兆が陥落した。チャブイは生き延びたが、両親とイナが犠牲となった上、いまだ城外へ出ることも叶わずにいた。これを機にフビライよりも優位に立ちたいアリクブカは、ハイドゥに命じて兄・フレグを懐柔する。
第44話
アリクブカ宛の密書からボリタ殺害に関する真相を知ったフレグは、フビライに加勢することを決断する。突如としてフレグの兵が敵に回り、アリクブカは慌てふためく。アルチの兵馬もチャブイに掌握されていた。
第45話
開平へ向かったフビライの代理として、チャブイがカラコルムの統治を任された。彼女は困窮する民と戦死者の遺族を支え、人心の安定を図ろうとし、一方で董文用と文忠の兄弟に警備の強化を命じたが…。
第46話
「劉殿の協力があれば中原の大部分を手中に収め、大業を成せましょう」と劉秉忠は李タンへの協力を承諾。これに気をよくしたアリクブカは自ら劉秉忠を訪ね、配下となってフビライ打倒に力を貸してほしいと申し出た。
第47話
「大ハーンはもちろん、李殿をも失望させません」とアリクブカに忠誠を誓った様子で李タンと密談する劉秉忠。これを盗み見たユンリンは驚き、深く失望した。李タンが去ったのを見届けた彼女は、劉秉忠の前に現れる。
第48話
「アリクブカがカラコルムを急襲した」との知らせを姚枢から受け、フビライは大軍を率いて都へと向かうが、悪天候に阻まれて行軍は遅々として進まない。この時、都はすでにアリクブカの手に落ちていて…。
第49話
カラコルムと5人の猛将を取り戻したことで、意気が上がるアリクブカ陣営の中で、ひとりフチだけが慎重に事態を見極めていた。アリクブカはフチの意見を受け、諸王を味方に引き入れて兵力を増強する策に出る。
第50話
軍営を焼き払い撤退する素振りを見せるフビライ軍への追撃命令を出すアリクブカ。1262年、フビライとアリクブカの兄弟は再び剣を交えることとなり、その最中、フビライ配下のアリハイヤがアリクブカに寝返った。