ホロウ・クラウン嘆きの王冠-ヘンリー五世
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ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 - ヘンリー五世 登場人物とあらすじ

ドラマ


ホロウ・クラウン/嘆きの王冠

ヘンリー五世

ホロウ・クラウン嘆きの王冠-ヘンリー五世
イギリスのBBCが、2012年のロンドンオリンピックに合わせて企画・制作した、シェイクスピアの史劇「リチャード二世」「ヘンリー四世」「ヘンリー五世」を描いたテレビドラマの「ヘンリー五世」。
イギリスの中世に生きた国王それぞれの王の苦悩と戦いを描いたシェイクスピアの有名な史劇を、壮大な風景と歴史的な建造物を背景に忠実にドラマ化されている。
ウィリアム・シェイクスピアの史劇作品群に基づいき、シェイクスピアの名場面と力強い言葉の世界を堪能できるイギリスのテレビ映画シリーズである。
日本ではHuluによって初めて配信されるが、現時点で日本語に対応したDVDはまだ発売されていない。

ホロウ・クラウン嘆きの王冠-ヘンリー五世

登場人物相関図

ホロウ・クラウン嘆きの王冠-ヘンリー五世
ホロウ・クラウン嘆きの王冠系図 ©世界の歴史まっぷ

時代背景

1420年頃の勢力範囲地図 1420年頃の勢力範囲
1420年頃の勢力範囲地図 ©世界の歴史まっぷ

1413年: ヘンリー5世即位。
1414年: ヘンリー5世はブルゴーニュ派と同盟を結び、フランス王国にアキテーヌ全土、ノルマンディー、アンジューの返還とフランス王位の要求を宣言。
1415年: ノルマンディー北岸シェフ・ド・コーに上陸。
フランス王家は内乱によって全く有効な手立てを打ち出せなかったが、パリを制圧して国政を握っていたアルマニャック派は、進撃を続けるイングランド王軍に対して軍を派遣。
1415年10月25日、アジャンクールの戦いでフランス王軍は勢力差4倍以上の軍勢を揃えたが、大敗を喫した。
オルレアン公は捕らえられアルマニャック派は弱体化。これに乗じてパリを掌握したブルゴーニュ派も対イングランドに対しては無力であった。
1417年: フランス王軍を破って再上陸したイングランド王軍はルーアンを陥落させてノルマンディー一帯を掌握。
1420年: ヘンリー5世はフランス王シャルル6世の娘キャサリン・オブ・ヴァロワ(カトリーヌ)と結婚。
1420年: トロワ条約を締結。ヘンリー5世のフランス王位継承権を認めさせ、ランカスター朝の絶頂期を築く。
1422年: ヘンリー5世は赤痢により35歳で急死。

カンタベリー条約

アジャンクールの戦いの後、神聖ローマ皇帝ジギスムントはイングランドとフランスの和平調停のためヘンリー5世のもとを訪れ、ヘンリー5世のフランスに対する要求を緩和するように説得した。ヘンリー5世は皇帝を歓待し、ガーター勲章まで授与した。
ジギスムントは返礼としてヘンリー5世をドラゴン騎士団に登録。数ヶ月後の1416年8月15日、イングランドのフランスへの賠償請求権を認めたジギスムントはカンタベリー条約を締結した。

王位継承問題

1316年にフランスカペー朝第12代王・ルイ10世が亡くなった時、男子の跡継ぎがなく、唯一の女子(ジャンヌ)が王妃の不倫により王家の血を引いていないのではないかという疑惑が有ったため、女性の当主を認めないサリカ法典を理由にルイ10世の弟のフィリップ5世が王位を継承した。
フィリップ5世にも女子はいたが男子は無く、弟のシャルル4世が跡を継いだが、シャルル4世にも男子が無いことで、再び後継問題が浮上した。
フランス貴族の多数は、外国の君主がフランス王になることを好まず、男系の長系であるヴァロワ家のフィリップ6世を選び、ジャンヌの系統やプランタジネット家に王位が渡ることを避けるために、サリカ法典をさらに拡大解釈し、女王のみならず女系の王位継承をも禁止した王位継承法を制定した。

当時のヨーロッパでは、男系優先ではあっても女系の継承権を認める慣習が主流であり、フィリップ4世の娘である母イザベラを通して女系の継承権を有するエドワード3世は異議を唱えたが、エドワード2世の廃位により混乱が続くイングランドの状況では、これを認めるしかなかった。

1337年におけるエドワード3世の王位継承権は決して非現実的なものではなかったが、既にフィリップ6世が即位して10年が経って既成事実化していること、女系を含めた継承権でもジャンヌの子であるナバラ王カルロス2世の方が優先することからも実現性は低かった。また、神聖ローマ皇帝やローマ教皇、その他の周辺諸国も強力なフランスが分割されて弱体化することは支持できても、イングランド、フランスを併せた強大な君主が誕生することは認められなかった。
ヘンリー5世はエドワード3世の直系男子であったため、再度フランス王位を要求した。

あらすじ

シーズン1,第9話

ヘンリー5世 (トム・ヒドルストン) の王座は揺るぎないものとなり、名君としての素質を存分に発揮していた。だが、フランス大使 (ジェレミー・コヴィヨ) がフランス王太子からの挑戦的な伝言を届ける。

シーズン1,第10話

廷臣であるエクセター (アントン・レッサー) とヨーク (パターソン・ジョセフ) の進言により、ヘンリー5世はフランスの王位継承権を主張し、フランス遠征を決意する。語り部 (ジョン・ハート) が、イングランドが軍備を整え、海を渡り、敵地へ向かう様子を語る。

フランス、ノルマンディー地方のアルフルール(現セーヌ=マリティーム県)占領。
疾病・負傷者が増えたイングランド軍は、補給可能なカレー港に陸路移動を開始した。
これを追撃しようとするアルマニャック派を中心とするフランス軍が包囲する夜、ヘンリー5世は一兵士に変装して、兵士たちを励まそうと野営地を回り、兵士たちが実際にどう考えているかを知る。

シーズン1,第11話

エクセターはヘンリー5世の代理としてフランス王 (ランベール・ウィルソン) に要求を突きつけたが、フランス王はこれをはねつける。そのためヘンリー5世はアルフルールの町を包囲し、陥落。ようやく事態を深刻に受け止めたフランス王は、アジャンクールでイングランド軍との戦いに挑む。

イングランド軍は、アジャンクールの戦いで、勢力差4倍以上の軍勢を揃えたフランス軍を撃破し大勝した。
1420年5月21日、シャルル6世の王位をその終生まで認めることとし、シャルル6世の娘で王太子の姉カトリーヌとヘンリー5世の婚姻によって、ヘンリー5世および彼ら(ヘンリー5世とカトリーヌ)の子をフランス王の継承者とするトロワ条約を締結した。
事実上、イングランド・フランス連合王国を実現するものであった。
しかし1422年8月31日、ヘンリー5世がヴァンセンヌにて急死する。

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