戦場のピアニスト
ナチス占領下のポーランドを生き抜いた実在のユダヤ人ピアニストウワディスワフ・シュピルマンの体験記を描いたドラマ。
カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞。アメリカのアカデミー賞では7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門で受賞。 主演のエイドリアン・ブロディはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞。
戦場のピアニスト
戦場のピアニスト Movie
戦場のピアニスト 予告編
戦場のピアニスト ストーリー
1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻したとき、主人公シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)はワルシャワの放送局で演奏するピアニストだった。
ワルシャワ陥落後、ユダヤ人はゲットーと呼ばれる居住区に移され、飢えや無差別殺人に脅える日々を強いられる。
やがて何十万ものユダヤ人が収容所へ移されるようになったころ、たったひとり収容所行きを免れたシュピルマンは、必死に身を隠し、食うや食わずで生き延びる。
砲弾が飛び交い、街が炎に包まれる仲、心の中で奏でる音楽だけが彼の唯一の希望だった。だが、ある晩彼はひとりのドイツ人将校に見つかってしまう…。
歴史的におもしろい見どころ
音楽家の家は裕福そうで、家具や調度品がとても洗練されている。
ほとんどの財産を残し、制限された手荷物のみ持って来た。ドイツ軍による虐待に怯える生活。まさかここからさらに絶滅収容所へ送られるとは思いもしなかった。
ほとんどのユダヤ人は収容所へ送らてていたので瓦礫と化したワルシャワを見た主人公の他は誰もいない。
もちろん安息して休める場所も食料も水も薬も無い。ドイツ軍将校ヴィルム・ホーゼンフェルトに見つかり、演奏を命じられたシュピルマン。見事な演奏と、ソ連の参戦でドイツの敗退が目前となり、運命が変わる。
このシュピルマンを助けたドイツ軍将校も実在の人物である。
ウワディスワフ・シュピルマン
1911年、ポーランド南部の街ソスノヴェッツ生まれ。
10代の時にワルシャワのショパン音楽院で、ピアノを学び、31年、ドイツ・ベルリンに留学。
数多くのピアノ曲、管弦楽、ポピュラーソングを作曲し、母国で人気を高めていった。
35年、ワルシャワにあるポーランド国営ラジオ局での仕事を得る。その6年間、戦争の恐怖を体験し、奇跡的に命を救われる。
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原作であるノンフィクションは戦争直後のポーランドで『ある都市の死』の題名で1946年に刊行された。
冷戦下のポーランドでは、主人公シュピルマンを救ったのが旧敵国のドイツ人では好ましくないため、やむなくオーストリア人としたが、ポーランド共産主義政権の手によりすぐ絶版処分となった。以降、1960年代におけるポーランド国内での復刊の試みもポーランド政府による妨害にあい、ポーランド国内外で再版されることはなかった。
シュピルマンの息子アンジェイ・シュピルマンが復刊に取り組み、ドイツで独訳版が出版されたのは1998年、イギリスで英訳版が出版されたのは1999年になってからであった。 英題は “The Pianist: The extraordinary story of one man’s survival in Warsaw, 1939-1945″。日本語版は2000年に佐藤泰一の翻訳により春秋社より刊行され、題名は当初『ザ・ピアニスト』(ISBN 4393495217)だったが、2003年の日本での映画公開にあわせて『戦場のピアニスト』(ISBN 4393495268)に改題された。