アレキサンダー
映画 アレキサンダー

アレキサンダー あらすじと解説

アレキサンダー

解説

史上初めて世界を統一したマケドニアの王、アレクサンドロス3世(アレキサンダー)の生涯を描いたスペクタクル歴史映画。

この映画の歴史的見どころ

冒頭、アエネイスで有名な古代ローマの詩人、ウェルギリウスの格言からスタートする。

Fortune favors the bold. 幸運は勇者に味方する

アレクサンドロス3世の死後、エジプトを支配したプトレマイオス朝の首都、アレクサンドリアの景観。
世界の七不思議のひとつ、アレクサンドリアの大灯台(フォロス島の大灯台)が見えます。
アレクサンドロス3世の死後、アレクサンドロス帝国は大きく3つに別れますが、エジプトを支配したのはディアドコイのひとり、プトレマイオス1世でした。そのプトレマイオス1世が、アレクサンドリア図書館で、アレクサンドロス3世との遠征を振り返る形で物語が進みます。
Alexandria
アレクサンドリア
父王、フィリッポス2世は古代ギリシアの哲学者、アリストテレスをアレクサンドロス3世の師傅しふとして迎えます。
プトレマイオス、カッサンドロス、ヘファイスティオンらと共にアレクサンドロス3世は、アリストテレスから高度な教育を学びます。
アリストテレスは、インドの平原を渡って海からナイル川を遡り、地中海に出てギリシアに戻れることや、「男同士の間に知識や徳の交歓があればその関係は純粋ですばらしく、互いの能力や長所を引き出し合えるなら、その男たちの愛は都市国家を築きギリシアの民を昇華させる」と語ります。アレクサンドロス3世が即位すると、彼の人生はこの教えの通りに運んで行くことになります。
アリストテレスとアレキサンダー
[ミエザの学園] アリストテレスとアレキサンダーと後に彼を支える将軍となる学友たち

紀元前336年、父王ピリッポス2世が暗殺により急逝し、息子のアレクサンドロス3世を甘く見ていた諸都市はコリントス同盟を破り反旗を翻し、その機に乗じてペルシアは反乱を支援したため、反乱の鎮圧をし、ペルシア帝国へ向かうことになる。

ピリッポス2世暗殺直後のマケドニア王国の支配領域 コリントス同盟 マケドニア王国 カイロネイアの戦い B.C.336 マケドニア王国の支配領域 (コリントス同盟)ピリッポス2世暗殺直後のマケドニア王国の支配領域 (コリントス同盟国) ピリッポス2世 アレキサンダー
ピリッポス2世暗殺直後のマケドニア王国支配領域(黄色)

アレクサンドロス3世東方遠征進路

アレクサンドロス大王 アルゲアス朝 5.ポリスの変容とヘレニズム時代 アレクサンドロス3世 アレクサンドロス大王東方遠征進路地図
アレクサンドロス大王東方遠征進路地図 ©世界の歴史まっぷ

バビロン

壮絶なガウガメラの戦いアケメネス朝ペルシアのダレイオス3世に勝利したアレクサンドロス3世率いるマケドニア軍は、バビロンに入城した。
その美しい装飾と見事な建築技術を目の当たりにして、アリストテレスにペルシア人を蛮族と教わり、そう信じていたが、バビロンを見れば決して蛮族ではないと悟る。
死体を埋葬せず、敵の頭をぶち割り、酒に溺れ、人前で交わる彼らは野蛮なのではなく、文字が読めず、学べないだけなのだと。
だから自分の配下になれば兵になるのも働くのも自由で前途が開け、多くの国と民をひとつに結ぶために世界中にアレキサンドロアを建てようと。
マケドニアの兵士たちが、東方の古い文化を愚かしい優越感で軽視しすることに怒るが、マケドニアの文化を重んじる彼らには通じなかった。

バビロン
歓迎されながらのバビロン入城の際
バビロンの美しく装飾された壁
バビロンの美しく装飾された壁

東西融合 ヘレニズム文化

後にアレクサンドロス3世の后となるスタテイラ
後にアレクサンドロス3世の妃となるスタテイラ(ペルシアのダレイオス3世の娘)
バクトリアの山岳民族の王女ロクサネを最初の妃とした
将軍たちがアジア人との結婚に激しく批判するが、アレクサンドロス3世はバクトリアの山岳民族の王女ロクサネを最初の妃とし、ギリシアと異民族の融合を目指した。

裏切り

アリストテレスの下で一緒に学び、将軍であり友人でもあったフィロタスの首謀で、毒を盛られているのに気づき、暗殺計画があることにショックを受ける。フィロタスとその父でフィリップ2世の時から仕えていたパルメニオンを処刑する。
同じくアリストテレスの下で一緒に学び、将軍であり友人でもあったクレイトスは、マケドニアの風習を重んじ、アレクサンドロス3世の東西融合を理解できず口論となりクレイトスを刺し殺す。部下は仲間の処刑や、マケドニア軍とアジア人を同等に扱うアレクサンドロス3世に対して不信感が蓄積し、アレクサンドロス3世は孤立していく。

最後

インドでは象に蹴散らされ、弓矢と槍の嵐の凄惨せいさんきわまりない血みどろの殺戮さつりくでアレクサンドロス3世も負傷し、バビロンに帰還することを決めた。
バビロン到着後、一番の親友であり男色関係だったヘファイスティオンが病死する。
尚も異国への遠征の夢を追うアレクサンドロス3世に周りの将軍らはついて行けず、先に殺さないと、彼の夢に殺されると思う将軍達の暗黙の了解のもとアレクサンドロス3世は毒を盛って殺される。(40年後のアレクサンドリアでプトレマイオス1世が語る)
アレクサンドロス3世の死後、跡継ぎを巡ってアレクサンドロス帝国は大きく3つに分かれ、40年の間戦うことになる。

アレキサンダー
インドでは象と戦う
アレキサンダー
カッサンドロス

アレクサンドロス3世の死後のヘレニズム3国

アレキサンダー
ヘレニズム三国
  • カッサンドロス ギリシャ 7年後にオリンピアスを処刑、ロクサネと13歳の息子(正規の後継者)も毒殺
  • クラテロス アンティゴノス 西アジア
  • セレウコス ペルディッカス 東アジア
  • プトレマイオス エジプト

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