ウパニシャッド哲学
シャンカラ(ラヴィ・ヴァルマ画)©Public Domain

ウパニシャッド哲学


ウパニシャッド哲学

バラモン教の祭式至上主義・形式主義に満足しないものたちの間に内面的な思索を重視する一派が現れ、発達させた宗教をさす。ヴェーダの付属文献のひとつ『ウパニシャッド(奥義書)』の中にまとめられ、この哲学には「霊魂は不滅であり、行為カルマ(業)の結果に従ってさまざまに姿を変えて生まれ変わる」という輪廻思想の初期のかたちも見出され、輪廻思想は後世の諸宗教に大きな影響を与え、またカースト制度を支える思想ともなった。

ウパニシャッド哲学

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バラモン教とヴァルナ制度

後期ヴェーダ時代(紀元前1000年頃〜紀元前600年頃)
バラモン(司祭者)のもとでヴェーダの神々を崇拝する宗教をバラモン教と呼ぶが、この宗教の祭式至上主義・形式主義に満足しないものたちの間に内面的な思索を重視する一派が現れたのである。彼らが発達させた宗教はウパニシャッド哲学と呼ばれ、ヴェーダの付属文献のひとつ『ウパニシャッド(奥義書)』の中にまとめられている。この哲学の中心思想は、宇宙の根本原理ブラフマン(梵)と自我の根本原理アートマン(我)とが究極的に同一である(梵我一如ぼんがいちにょ)と悟ることによって解脱の境地に到達できるというものである。またこの哲学には「霊魂は不滅であり、行為カルマごう)の結果に従ってさまざまに姿を変えて生まれ変わる」という輪廻思想の初期のかたちも見出される。輪廻思想は後世の諸宗教に大きな影響を与え、またカースト制度を支える思想ともなった。

バラモン教とヴァルナ制度 – 世界の歴史まっぷ

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