カルナック神殿第8塔門
カルナック神殿第8塔門 ©Olaf Tausch

カルナック神殿


カルナック神殿 (Karnak Temple、Temple of Karnak) 
古代エジプトのカルナックにある神殿複合体。1平方キロメートル以上におよぶ広大な古代宗教遺跡。新王国時代(紀元前1550-1069年頃)に繁栄した古代の首都テーベに建てられた。世界遺産「古代都市テーベとその墓地遺跡」に登録されている。

情報

ロケーション: ルクソール ルクソール県 エジプト
領域: 上エジプト
タイプ: サンクチュアリ
主祭神: アメン、ムト、モンチュ
着工: 中王国時代からプトレマイオス朝まで
増改築: ギリシア・ローマ時代

概要

カルナック神殿複合体は、神殿、祠堂、塔門、その他の建造物の膨大な構成からなる、1平方キロメートル以上におよぶ広大な古代宗教遺跡である。複合体は泥レンガの周壁に囲まれた、アメン大神殿、ムトの神域、モンチュの神域の3つの主要部分からなり、アメン大神殿のみ一般公開されている。
複合体の建造は、中王国時代(紀元前2055-1650年頃)のセンウセルト1世(紀元前1965-1920年頃)の統治中に始まり、残存する新王国時代からの建造物のほとんどがプトレマイオス朝の時代(紀元前332-32年)まで継続された。
カルナック周辺は古代エジプトにおいてイペト=スゥト(Ipet-sut 「諸々のなかで選り抜きの場所」)であり、アメン神をその頂点とする第18王朝(紀元前1550-1295年頃)のテーベ三柱神崇拝の中心地であった。

カルナック神殿 複合体

アメン大神殿

アメン大神殿は、神殿複合体の神域内のうち最大であり、テーベ三柱神(アメン、ムト、コンス)の最高神であるアメンに捧げられている。

アメン大神殿
アメン大神殿複合体
アメン大神殿複合体(1914年) © Cornell University Library
ピネジェム1世の彫像

ピネジェム1世の巨像
ピネジェム1世の巨像 ©Andrea Piroddi

スフィンクス参道
カルナック神殿 スフィンクス参道
カルナック神殿スフィンクス参道 ©Effeietsanders
大列柱室
アメン神殿大列柱室
アメン神殿大列柱室
トトメス1世とハトシェプストのオベリスク

トトメス1世とハトシェプストのオベリスク
トトメス1世とハトシェプストのオベリスク

ムトの神域

ムトの神域(19世紀)
ムトの神域(19世紀)
アメン大神殿の南に位置するこの神域は第18王朝のテーベ三柱神のうちアメン・ラーの妻とされるようになった地母神・ムトに捧げられた。
神域にはムトに関係するいくつかの小神殿があり、またそこには三日月形に造成された独特な聖池をもつ。
アメンホテプ3世が奉献した600体もの黒色花崗岩でできた女神・セクメト(セクメトはムトと同一視されていた)の彫像がムト神殿の中庭で発見された。
ムト神域の女神セクメト像

ムト神域の女神セクメト像
ムト神域の女神セクメト像 ©Neithsabes

モンチュの神域

モンチュの神域
モンチュの神域 ©Twthmoses
アメン大神殿の北に位置するこの神域はテーベの軍神・モンチュに捧げられている。規模はかなり小さい。
モンチュの神域の主な構造物は、モンチュ神殿、ハルパラー神殿、マアト神殿、聖池、プトレマイオス3世エウエルゲテスとプトレマイオス4世フィロパトル(紀元前221-205年[6])による記念門で[57]、それらはアメン大神殿内より容易に見られる最も目につく建造物である。
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