ティトゥスの凱旋 ジュリオ・ロマーノ作、1537年
ティトゥスの凱旋 (1537年-ジュリオ・ロマーノ作) ©Public domain

ローマ内戦(紀元前49年-紀元前45年) – ガイウス・ユリウス・カエサルグナエウス・ポンペイウス及び元老院派の間で行われた戦争。
ローマ内戦(68年-70年) – 4人のローマ人が皇帝位を争った内戦。中でも69年は四皇帝の年とも呼ばれる。
ローマ内戦(192年-197年) – 5人のローマ人が皇帝位を争った内戦。中でも193年は五皇帝の年とも呼ばれる。
ローマ内戦(238年) – 6人のローマ人が皇帝位を争った内戦。238年は六皇帝の年とも呼ばれる。

ローマ内戦

ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)

グナエウス・ポンペイウス及び元老院派とガイウス・ユリウス・カエサル派の間で起こった一連の戦争で、カエサルが当時の国家に対して仕掛けたものである。
イタリア、ギリシア、エジプト、北アフリカ及びヒスパニアで争い、カエサル派が最終的に元老院派を打倒して独裁体制を確立した

ローマ内戦
ガリア戦争終結後の共和政ローマ 赤: 元老院派・ポンペイウス勢力圏, 青: カエサル支配の属州 ©JAVIER FERNANDEZ QUIROGA
年月日: 紀元前49年 – 紀元前45年
場所: ギリシア、北アフリカ、ヒスパニア他
結果: カエサル派の勝利
交戦勢力: カエサル派 対 元老院派、ヌミディア王国
指導者・指揮官: ガイウス・ユリウス・カエサル 対 グナエウス・ポンペイウス

背景

共和政ローマではグラックス兄弟による一連の改革に始まり、ガイウス・マリウスルキウス・コルネリウス・スッラによる支配、ポプラレス(平民派)とオプティマテス(閥族派、元老院派)の争いなど後世「内乱の一世紀」と呼ばれる政情不安な状態が続いていた。紀元前59年にポンペイウス、カエサル、マルクス・リキニウス・クラッススは第一回三頭政治と後に呼ばれる統治体制を構築して権力を握り、カエサルは自身の娘ユリアをポンペイウスへと嫁がせたことで基盤を固めた。その後、カエサルはガリアなど3つの属州の総督として赴任してガリア戦争を戦い、紀元前55年にはポンペイウスとクラッススが共に執政官(コンスル)を務めた。

しかし、紀元前54年にユリアが死去、紀元前53年にパルティアとのカルラエの戦いでクラッススも戦死したことで第一回三頭政治が崩壊した。また、カエサルがガリア戦争の成功によりポンペイウスと同等の軍事上の権限を得たことに対し、元老院派はカエサルの権力拡大を危惧してポンペイウスと接近した。紀元前52年にはプブリウス・クロディウス・プルケル暗殺に伴うローマ国内の混乱へ対処するため、ポンペイウスを唯一のコンスルに選出した。元老院はカエサルがガリア総督としての任期切れ後にコンスルに立候補する意向であることを知り、カエサルから軍隊を引き離すことを模索した。紀元前50年12月、カエサルはポンペイウスも軍隊を解散させるならば自分も軍隊を手放すと元老院に伝書を送ったが、元老院はカエサルが不法に軍を維持するのならば「国家の敵」と宣告するとした。

カエサルの幕僚であるマルクス・アントニウス及びクィントゥス・カシウス・ロンギヌスはカエサルからの「応じられない」とする意向を元老院へ伝えたが、元老院はこれを拒否した。

紀元前50年、ポンペイウス及び元老院派はプロコンスル(前執政官)としてのカエサルの任期が終わったことを受けて、ローマに戻り軍を解散するよう指示し、カエサルがコンスルに立候補するのを禁じた。カエサルはコンスルの地位も軍隊の力もなしにローマに戻るなら、スキピオ・アフリカヌスのごとく罪に問われ、政治的に失脚させられると考えた。紀元前49年1月、元老院はカエサルに対して「元老院最終勧告」を発した。

ローマ内戦 年表

  • 紀元前49年
    • 1月10日 – カエサル軍によるルビコン渡河、内戦開始。
    • 2月13日 – カエサル軍、コルフィニウムを包囲。19日に陥落。
    • 2月20日 – ポンペイウス、ブルンディシウムよりギリシアへ逃れる。
    • 3月 – カエサル軍、マッシリアを包囲(マッシリア包囲戦)。カエサル、ローマへ入城。
    • 7月 – カエサル軍、イレルダの戦いで元老院派に勝利。
    • 8月 – 元老院派とヌミディア連合軍がバグラダス川の戦いでカエサル軍に勝利。
    • 10月 – マッシリアがカエサル派に降伏。
  • 紀元前48年
    • 1月 – カエサル、ギリシアへ到着。デュッラキウムの元老院派を包囲。
    • 7月10日 – デュッラキウムの戦い。元老院派がカエサル派を破る。カエサル、テッサリア方面へ撤退。
    • 8月9日 – ファルサルスの戦いでカエサル派が元老院派に勝利。
      • ポンペイウスはエジプトへ逃亡、メテッルス・スキピオやカトらは北アフリカへ逃れる。
    • 9月28日 – ポンペイウス、アレクサンドリアで殺害される。
    • 10月 – カエサル、エジプトへ上陸。
  • 紀元前47年
    • 2月 – ナイルの戦いでローマ軍(カエサル派)が勝利。カエサルと同盟したクレオパトラ7世プトレマイオス朝の実権を掌握。
    • 8月 – ゼラの戦いでローマ軍(カエサル派)がポントス王国軍を撃破。
    • 10月 – カエサル、北アフリカへ上陸。カエサル派全軍も年内にほぼ上陸完了。
  • 紀元前46年
    • 4月6日 – タプススの戦いでカエサル派が元老院派およびヌミディア連合軍に勝利。
      • メテッルス・スキピオ、カトらは敗死。ユバ1世も自害してヌミディア王家は断絶。
  • 紀元前45年
    • 1月 – カエサル、ヒスパニアへ上陸。
    • 3月17日 – ムンダの戦いでカエサル派が元老院派(ポンペイウス派)に勝利。
      • ラビエヌスらは戦死、セクストゥス・ポンペイウスは逃亡。
  • 紀元前44年
    • 3月15日 – カエサル、ローマ元老院議場で暗殺される。

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