囲い込み
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囲い込み


囲い込み (エンクロージャー)

境界のはっきりしない「解放耕地」の形態をとっていた耕地や共有地を統合し、垣根などで囲って個人の所有地とすること。主にイギリスにおいて16世紀と18世紀の二回行われたものを指す。

囲い込み

第一次囲い込み16世紀
目的:羊毛生産
内容:個人主導で耕地を牧場に転換。

第二次囲い込み18世紀
目的:食糧の増産
内容:農業革命の一環でノーフォーク農法。

ヨーロッパ主権国家体制の展開

ヨーロッパ主権国家体制の形成

イギリス絶対王政の確立と社会

経済的には、ヘンリー8世(イングランド王)の時代のイギリスは、アントウェルペンむけの毛織物輸出が急速に成長し、毛織物工業が発展した。このため、原料の羊毛生産を目指した「囲い込み」(エンクロージャー)がさかんになったが、このことは折からのインフレーションと重なって、農民に不安を与え、社会を動揺させた。

囲い込み

「囲い込み」とは、境界のはっきりしない「解放耕地」の形態をとっていた耕地や共有地を統合し、垣根などで囲って個人の所有地とすることである。16世紀「第1次囲い込み」は、羊毛生産のため、耕地を牧場に転換し、18世紀前後の「第2次囲い込み」は、食糧の増産を目的とした。しかし、どちらの場合も、放牧などに使う共有地がなくなり、農民はこれまでどおりの生活は続けられなくなった。ヘンリー8世時代の著名な聖職者トマス・モアが、その著書『ユートピア』のなかで、これを「羊が人間を食う」ものだとして批判したのはよく知られている。ただし、16世紀の場合は、囲い込みの影響をうけた農民はごく一部にすぎないし、18世紀のそれでは、囲い込みのあとでは農業労働者の数そのものは増加しているケースもある。

イギリス絶対王政の確立と社会 – 世界の歴史まっぷ

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