大衆文化の芽ばえ – 芸術 – 美術
日本画:横山大観『生々流転』・土田麦僊『大原女』・安田靫彦『夢殿』・竹久夢二『黒船屋』
洋画:岸田劉生『麗子微笑』・安井曽太郎『金蓉』・梅原龍三郎『紫禁城』・古賀春江『海』
大衆文化の芽ばえ
芸術
美術
日本画
美術の分野では1907(明治40)年以来、政府の手で文部省美術展覧会(文展)が開かかれ、日本画では日本美術院派画家に加えて美術学校派の川端玉章(1184〜1913)の指導下に平福百穂(1877〜1933)・鏑木清方(1878〜1972)らが活躍した。これに競合して横山大観・下村観山らは、1914(大正3)年に日本美術院を再興し、川合玉堂(1873〜1957)・小林古径(1883〜1957)・前田青邨(1885〜1977)・安田靫彦(1884〜1978)らを集めて院展を開いた。また、京都画壇では竹内栖鳳(1864〜1942)らが盛んに作品を発表した。
洋画
洋画の分野では1912(大正元)年にフューザン会を結成した新進の岸田劉生(1891〜1929)がのち春陽会に加わって独自の画風で人物画に傑作を残した。また、石井柏亭(11882〜1958)・有島生馬(1882〜1974)・山下新太郎(1881〜1966)らの若手画家たちが、藤島武二・岡田三郎助・和田英作らの文展に集結した一派に対抗して、1914(大正3)年、二科会をおこした。その系統からは、梅原龍三郎(1888〜1986)・安井曽太郎(1888〜1955)らが輩出した。また、竹久夢二(1884〜1934)は、抒情的な美人女性の風俗画で広く庶民の心をとらえた。
彫刻
彫刻家としては、平櫛田中(1892〜1979)・朝倉文夫・石井鶴三(1887〜1966)らが名高い。
民芸
白樺派の作家でもある柳宗悦(1886〜1961)は、庶民に根ざした民芸の蒐集・再評価に貢献した。