イタリア
イタリア南部では9世紀前半からイスラーム勢力の進出が著しく、10世紀初頭にはついにシチリア全島がその支配下に入り、西地中海を制圧、イタリア半島の沿岸諸都市を攻撃した。イタリア北・中部地方にはアジア系マジャル人が侵入しはじめ、10世紀後半以降はドイツ王、11世紀半ばにはヴァイキングの侵入がたび重なり、国内は乱れがちであった。
イタリア
イタリア王国(中世)では、9世紀末にカロリング家が断絶すると、大諸侯のイタリア王位をめぐる争いが続いた。イタリア南部ではすでに9世紀前半からイスラーム勢力の進出が著しく、10世紀初頭にはついにシチリア全島がその支配下に入った。イスラームはこのシチリア島を根拠地に、西地中海を制圧する一方、イタリア半島の沿岸諸都市を攻撃した。
同じころ、イタリア北・中部地方にアジア系マジャル人が侵入しはじめた。これに対抗するため、農村では囲壁を持つ防備集落が盛んにつくられ、領主制支配の拠点となった。また、都市では住民が司教を中心に団結し、自力でイスラームやマジャル人からの防衛をはかったところから、しだいに自治意識が高まっていった。その後、10世紀後半以降はドイツ王の、また11世紀半ばにはヴァイキングの侵入がたび重なり、国内は乱れがちであった。