諸島部の国々
- スマトラ島:シュリーヴィジャヤ王国
- ジャワ島:古マタラム王国/クディリ王国/シャイレーンドラ朝/シンガサリ王国/マジャパヒト王国
諸島部の国々
東南アジア海上の島々は、西暦紀元の始めより交易をつうじてインド文化の影響をうけ始め、やがて国家がたてられるにいたった。
インドネシア スマトラ島
シュリーヴィジャヤ王国
この王国は7世紀ころおこり、9世紀半ば以後にはジャワから移ったシャイレーンドラ系の王統のもとで栄えた。都はスマトラ島東部のパレンバン付近にあり、最盛時には海上交通の要路マラッカ海峡とスンダ海峡を押さえるとともに、マレー半島南部を領土に加えジャワを支配し、さらにカンボジア・チャンパーへも遠征軍を送った。インドの諸王朝とも関係があり、インド文化の影響を強くうけた。また大乗仏教が栄え、唐(王朝)の僧義浄はインド旅行の往復ともにこの地に立ち寄った。彼が著した『南海寄帰内法伝』にはこの国の仏教の様子も記されている。唐(王朝)・宋(王朝)とも通行し、唐代には室利仏逝、宋代には三仏斉として知られる。
この王国は11世紀に入ると南インドのチョーラ朝の海軍の来寇(1025)もあって力を弱め、その後に一時復興するが、しだいに衰退に向かった。
関連作品
インドネシア ジャワ島
古マタラム王国・クディリ王国・シャイレーンドラ朝
ジャワ島の初期王朝としては、中国史書によって7世紀ころ存在していたことが知られる訶陵、732年ころから10世紀初めまで同島の中部でヒンドゥー教を奉じたマタラム王国のサンジャヤ朝、その王が東部に移って創始した同王国クディリ王国(928〜1222)、8世紀中ごろ中部ジャワにおこり、一時マタラム王国を圧倒したシャイレーンドラ朝(〜832)などがある。
シャイレーンドラ朝は大乗仏教を奉じ、巨大なボロブドゥールの仏塔を建造したことでも知られる(世界遺産:ボロブドゥール寺院遺跡群)。
シンガサリ王国
13世紀に入ると東部ジャワにシンガサリ朝がおこり、周辺の島々をも領土に栄えた(1222〜1292)。
マジャパヒト王国
シンガサリ王国が内紛で倒れたあと、同世紀末に元(王朝)軍を撃退したクルタラジャサ・ジャヤワルダナ(Kertarajasa Jayawardhana, 即位前はウィジャヤ Vijaya)(位:1294〜1309)によってマジャパヒト王国が創始された。ジャワ島東部のマジャパヒトに都をおくこの王朝は、14世紀後半のハヤム・ウルク王(位:1350〜1389)の時代に名宰相ガジャ・マダ(Gajah Mada)の補佐をえて最盛期を迎え、マレー半島南部を含む今日のインドネシアのほぼ全域を支配したが、王の死後しだいに衰えた。
この王朝はジャワ島における有力なヒンドゥー王朝としては最後のものであリ、16世紀に新興のイスラーム勢力に滅ぼされた。