バロックからロココへ
17世紀:バロック ヴェルサイユ宮殿、ピーテル・パウル・ルーベンス、エル・グレコ、レンブラント・ファン・レイン、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (絶対君主の威光を輝かせることが目的、華麗で豪華)
18世紀:ロココ サンスーシ宮殿、アントワーヌ・ヴァトー (曲線を多用した繊細で優美、官能的)
バロックからロココへ
16世紀の文化が、ヨーロッパ全体としてなおルネサンスの時代であったとすれば、絶対王政がさかんになった17世紀には、これを背景として華麗で豪華な
バロック文化が主流となった。絶対王政の宮廷が芸術の主な支持者となったため、絶対君主の威光を輝かせることがその目的となったからである。
初期のバロック文化は、イタリアやスペインにおいてみられ、カトリックの対抗宗教改革がその背景のひとつとなった。ルイ14世(フランス王)の
ヴェルサイユ宮殿(
ルイ14世の政治)や多くの宮廷画家、特にフランドル出身で華麗な画風を誇った
ピーテル・パウル・ルーベンス(1577〜1640)、その弟子でイギリスで活躍した
アンソニー・ヴァン・ダイク(1599〜1641)、主にスペインで活躍した
エル・グレコ(1541〜1614)、
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(1617〜1682)、
ディエゴ・ベラスケス(1599〜1660)などが現れ、オランダの独立後には、光をうまくとりいれた
レンブラント・ファン・レイン(1606〜1669)が出て、台頭した市民階級の生活を描いて独特の境地を開いた。音楽でも、17世紀末から18世紀にかけてはバロック的な傾向がみられ、
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)や
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)が活躍した。
美術や建築では、18世紀になると、曲線を多用した繊細で優美、官能的な
ロココ様式が流行した。絵画ではフランスの
アントワーヌ・ヴァトー(1684〜1721)、建築ではフリードリヒ2世(プロイセン王)がポツダムに建設した
サンスーシ宮殿(とくにそのインテリア)がこの傾向を代表している。