東南アジア世界の変動
11〜15世紀にかけて、東南アジアでは、民族分布・政治勢力・宗教分布のいずれにおいても大きな変化がみられた。すなわち、モン人・クメール人・チャム人の国家や海上王国シュリーヴィジャヤ王国などの旧勢力が後退し、南下してきたミャンマー(ビルマ)人・タイ人・ベトナム人の諸国家やマジャパヒト王国などの新勢力が台頭した。
東南アジア世界の変動
11〜15世紀にかけて、東南アジアでは、民族分布・政治勢力・宗教分布のいずれにおいても大きな変化がみられた。すなわち、モン人・クメール人・チャム人の国家や海上王国シュリーヴィジャヤ王国などの旧勢力が後退し、南下してきたミャンマー(ビルマ)人・タイ人・ベトナム人の諸国家やマジャパヒト王国などの新勢力が台頭した。また13世紀後半の元朝によるたび重なる侵攻は、ミャンマーのパガン朝、ジャワのシンガサリ朝、ベトナムの陳朝やチャンパーに打撃を与えた。宗教の面では従来ヒンドゥー教と大乗仏教が有力であったが、大陸部では11世紀ころから上座部仏教が広まり、諸島部では13世紀ころからイスラーム教が徐々に信者を増やした。この時代における諸方面の変動の結果、今日の民族分布・宗教分布が形成されたのである。