美人心計
漢の初代皇帝・劉邦の跡継ぎ問題に巻き込まれ、親を失い伯父のもとで育った雲汐は母親と同じ宮廷に入ることに。
そこで劉邦の息子、劉盈に気に入られた雲汐だが、皇太后の手先として名を変え、右腕となる雪鳶と共に代国に送り込まれる。
そこで劉盈の腹違いの代王・劉恒の寵愛を得るも、王の腹心である将軍・周亜夫には漢のスパイと疑われてしまう。
劉恒の深い愛情にスパイとしての立場と愛の間で苦しむ雲汐と雲汐を忘れられない劉盈。
皇太后の死後、雲汐は漢の皇帝となった劉恒を支え、宮廷の覇権争いに巻き込まれながらも国を守り生きていく。
愛する人を守るため、国を守るために生き抜いた、美しくも強い女と彼女を愛した二人の皇帝の物語。
美人心計
登場人物
漢朝廷
呂雉(りょち)
前漢の初代皇帝・高帝(劉邦)の正室。嫡出子・劉盈(りゅう えい)が跡を継ぎ恵帝となると皇太后となり専横する。
劉盈(りゅうえい)
父・劉邦を継ぎ前漢の第2代皇帝・恵帝となる。初代皇帝・高帝(劉邦)と正室・呂雉(りょち)の嫡出子。
竇漪房(とういぼう)
杜雲汐(とうんせき)は母を亡くし、伯父に育てられる。家計が苦しいため後宮に入ることを決断。美貌と聡明さで漢の第2代皇帝・劉盈(りゅうえい)に寵愛されるが、皇太后・呂雉(りょち)の間者として竇漪房(とういぼう)に名を変え代国に送り込まれ、代王・劉恒(りゅうこう)の后妃・皇后(孝文竇皇后)となる。第6代皇帝・景帝(劉啓(りゅうけん) )と館陶(かんとう)公主の母。
慎(しん)夫人
聶慎児(じょうしんに)。文帝(劉恒(りゅうこう))の側室となる。
魯元公主(ろげんこうしゅ)
初代皇帝・高帝(劉邦)と正室・呂雉(りょち)の長女。劉盈(りゅう えい)の同母姉。趙王・張耳(ちょうじ)の息子張敖(ちょうごう)に降嫁する。張嫣(ちょうえん)の母。
張嫣(ちょうえん)
魯元公主(ろげんこうしゅ)の娘。皇太后・呂雉(りょち)が自らの血縁者同士のつながりを固めようとし、伯父である第2代皇帝・恵帝(劉盈(りゅう えい) )の皇后となる。
呂禄(りょろく)
呂雉(りょち)の兄・呂釈之の子。甥。胡陵侯。上将軍。
呂産(りょさん)
呂雉の兄・呂沢の子。呂雉政権で相国となる。
劉章(りゅうしょう)
朱虚侯。朱虚侯(ばんここう)。劉邦(高祖)と曹氏の庶長子・劉肥(りゅうひ) (斉王)の次子。呂雉の目の前で呂氏一門の専横を皮肉り呂馨(りょけい)を殺害する。反呂氏勢力。呂雉(りょち)の死後、文帝に城陽王に封建された。
陳平(ちんぺい)
楚漢戦争で劉邦(りゅうほう)に仕えた軍師。劉邦の遺言により丞相となる。反呂氏勢力。
周勃(しゅうぼつ)
劉邦(りゅうほう)に仕えた武将。呂政権で右丞相となる。反呂氏勢力。
劉啓(りゅうけい)
皇太子。第6代皇帝・景帝。第5代皇帝・文帝(劉恒(りゅうこう) )と皇后・竇漪房(とういぼう)の長子。呉の世子・劉賢(りゅうけん)の不遜な態度に激怒し殺してしまった一件が後の呉楚七国の乱の原因の一つにもなっている。
劉武(りゅうぶ)
第5代皇帝・文帝(劉恒(りゅうこう) )と慎(しん)夫人(聶慎児(じょうしんに) )の長子。劉啓(りゅうけい)の異母弟。
館陶公主(かんとうこうしゅ)
陳午(ちんご)に嫁ぐ。
薄巧慧(はくこうけい)
薄姫(はくき)の姪孫(てっそん)。劉啓(りゅうけい)の正室。
栗妙人(みつりょうじん)
宮人。劉啓(りゅうけい)の側室。劉栄(りゅうえい)の母。
王娡(おうち)
呂禄と慎児の娘。金王孫(きんおうそん)と結婚するが未亡人となり、劉啓(りゅうけい)の側室となる。王皇后。孝景王皇后。劉彘(りゅうてい)(第7代皇帝・武帝)、平陽公主の母。
* 王娡(おうち)は実際に存在したが本作の出生はフィクションである。。班固著『漢書』王皇后 (漢景帝)
劉彘(りゅうてい)
改名後は劉徹(りゅうてつ)。第7代皇帝・武帝(ぶてい)。
陳阿嬌(ちんあきょう)
館陶(かんとう)公主と堂邑侯陳午の娘。陳皇后。
武帝に寵愛される側室の衛子夫(えいしふ)の死を願って呪術を用いて呪い、それが発覚して紀元前130年に廃位された。
注: 上記の引用部分は本作では描かれていない。
衛子夫(えいしふ)
武帝の姉である平陽公主に引き立てられ、武帝の寵姫となる。背景に陳皇后と平陽公主の対立があった。子の戻太子が皇太子に立てられた後、紀元前128年に寵姫から皇后に昇格する。
巫蠱(こうじゅう)の乱で罪に問われ、自殺を強いられた上、皇后の位を廃された。のち、曾孫である宣帝によって皇后の位を回復され、思皇后の諡号を贈られた。これは中国史上、皇后が自身の謚号を持つ最初の例となった。
劉栄(りゅうえい)
劉啓(りゅうけい)と栗妙人(みつりょうじん)の長子。一時皇太子に立てられたが母・栗妙人と共に廃位される。
代国
薄姫(はくき)
代王太后。前漢の初代皇帝・高帝(劉邦)の側室。劉恒(りゅうこう)の母。
劉恒(りゅうこう)
代諸侯王。前漢の第5代高帝・文帝となる。初代皇帝・高帝(劉邦)と側室・薄姫(はくき)の庶子。
周亜夫(しゅうあふ)
漢建国の功臣・周勃(しゅうぼつ)の次男。父の死後、文帝の娘を娶っていた長兄の周勝之が後を継ぐが、人を殺した罪により爵位を剥奪されたので、周亜夫が代わって家督を継ぎ、条侯に封じられた。
趙国
劉友(りゅうゆう)
趙王。劉邦の子。劉遂の父。
呂馨(りょけい)
呂雉の姪。趙王・劉友の后妃。劉友の側室を殺害する。
斉国
劉襄(りゅうじょう)
斉王。劉邦(高祖)と曹氏の庶長子・劉肥(りゅうひ) (斉王)の長子。劉章(りゅうしょう)の兄。劉肥の後を継ぎ斉王(哀王)となる。
- 紀元前188年、父・劉肥(りゅうひ)が死亡し斉王を継ぐ。
- 紀元前187年、呂雉(りょち)の甥・呂台を呂王とするため、斉国から済南郡を献上して呂台の国(呂国)とした。
- 紀元前181年、劉沢(りゅうたく)を王とするため斉国から瑯邪郡を分割した。
- 紀元前180年、呂雉死亡後、呂氏による反乱計画を長安(ちょうあん)にいた弟・劉章(りゅうしょう)が知ると、劉章は兄・劉襄に挙兵を促し、自分たちが内応して兄を皇帝に立てるとした。
- 劉襄は呂氏が監視役として派遣した斉の丞相・召平を自殺に追いやり、外戚・駟鈞、郎中令・祝午、中尉・魏勃(ぎぼつ)らと兵を起こした。
- 瑯邪(ろうや)王・劉沢(りゅうたく)を騙して劉沢の兵を奪い、呂国を攻め、諸侯王たちに向けて呂氏を糾弾する書を送った。
- 漢の朝廷では相国の呂産(りょさん)が討伐のため大将軍灌嬰(かんえい)を派遣したが、灌嬰は反呂勢力だったため、滎陽(けいよう)に駐屯して斉王や諸侯王に呂氏が打倒されるのを待つよう説いたため、斉王・劉襄(りゅうじょう)は国境で待つこととした。
- 呂産、呂禄(りょろく)ら呂氏は劉章(りゅうしょう)や周勃(しゅうぼつ)、陳平(ちんぺい)らによって殺された。
- 大臣たちが次の皇帝を誰にするか議論した際、劉襄の母の実家駟氏は悪人であるとの理由から劉襄は選ばれず、代王・劉恒(りゅうこう)が選ばれ、皇帝(文帝)に迎えられた。
- 劉襄は兵を率いて国に帰った。
- 即位した文帝は呂氏に奪われていた城陽、瑯邪、済南郡を斉に返した。
注: 上記の引用部分は本作では描かれていない。
劉興居(りゅうこうきょ)
斉北王。劉邦(高祖)と曹氏の庶長子・劉肥(りゅうひ) (斉王)の三男。東牟侯だったが呂雉(りょち)の死後、文帝に済北王に封建された。
呉国
劉濞(りゅうび)
呉王。高祖・劉邦(りゅうほう)の兄・劉喜(りゅうき)の長子。呉の世子(せいし)劉賢(りゅうけん)を皇太子・劉啓(りゅうけい)に殺される。
劉賢(りゅうけん)
呉王・劉濞(りゅうび)の撲殺。不遜な態度に激怒した劉啓(りゅうけい)に撲殺される。
他
金王孫(きんおうそん)
王娡(おうち)の夫。
前漢皇帝系図
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あらすじ
第1話-第10話
第1話 母との別れ
前漢初期の長安。高祖の正室 呂雉(りょち)にとっては側室・薄姫(はくき)の存在が疎(うと)ましい。呂雉は息子 劉盈(りゅうえい) (後の恵帝)の世継ぎとしての地位を安泰とするため、薄姫・劉恒(りゅうこう) (後の文帝)母子の暗殺を企てる。これに気づいた薄姫は呂雉の魔の手を逃れるために、劉恒とともに宮廷を離れ封地代国に隠居する。2人の争いに巻き込まれた劉恒の乳母 田香怜(でんこうれい)は娘・杜雲汐(とうんせき)と共に宮廷から逃げだすが、そんな2人の背後に呂雉の放った追手が迫る。
第2話 再び宮廷へ
数年後。雲汐(うんせき)は、伯父 田大業(でんたいぎょう)の家で伯母にこき使われながらも気丈で優しい女性に成長。縁談もまとまるが、婚約者は結婚式の直前に殺されてしまう。疫病神扱いされた雲汐は、これまでの生活との決別を決意。呂雉の息子・劉盈(りゅうえい)の皇帝即位のお祝いに送られる宮女として、宮廷に向かう船に乗り、生き別れた妹・聶慎児(じょうしんに)と再会する。呂家の覇権を強固としたい呂雉(りょち)は、長女・魯元(ろげん)公主のまだ幼い娘・張嫣(ちょうえん)を皇后に据える。
第3話 寵姫李美人
呂雉は偶然出会った雲汐(うんせき)の聡明さに目をつけ、役に立つのではと考える。張嫣(ちょうえん)が雲汐を慕っていることを利用し、張嫣の世話係を申しつけた呂雉。陛下の寵姫になることしか頭にない慎児(しんに)は、そんな雲汐に激しく嫉妬する。一方、劉盈(りゅうえい)と張嫣の間に一日も早く世継ぎが生まれることを切望する呂雉は、劉盈が寵愛する側室・李美人(りびじん)を疎ましく思う。折しも李美人が懐妊するが、彼女に間者の疑惑を抱いた呂雉はある決断をする。
第4話 母として、統治者として…
皇帝 劉盈(りゅうえい)は、李美人が間者の疑惑をかけられ暗殺されたことに深く傷つき、母 呂雉に皇帝の地位より愛する人と平穏に暮らす幸せが欲しいと訴えるが、皇位を与えるために自分がどれだけ尽くしてきたか分からない息子に憤慨する呂雉にその心は通じない。劉盈は側室との虚しい遊びに興じることでそんな母に反抗しようとする。そんな折、側室の周采女(しゅうさいじょ)が懐妊。憤り処分しようとする呂雉に雲汐(うんせき)は咄嗟にある提案をする。
第5話 王の苦悩
懐妊を装う皇后 張嫣(ちょうえん)に花火遊びをさせたことで雲汐は呂雉から激しく叱責される。事実を知る宮女らは処分され、雲汐は慎児(しんに)も殺されたと思い自責の念に駆られる。周采女は息子・劉恭(りゅうきょう)を出産。病に倒れ生気を失った劉盈(りゅうえい)に代わり政事を摂る呂雉は劉恭を皇太子に冊立し、自らは太皇太后となる。一方、宮廷での生活に絶望する劉盈にとって、雲汐が唯一の心の安らぎになっていた。同じ頃、代国では劉恒(りゅうこう)が皇太子に冊立される。
第6話 さよなら杜雲汐
代国視察から戻った呂雉の甥 呂禄(りょ・ろく)は、劉恒(りゅうこう)の放蕩ぶりに代国は恐れるに足らないと報告するが、呂雉は即断は禁物とたしなめる。使者として長安にやってきた代国の将軍周亜夫(しゅうあふ)は、呂禄の新妻・素問(そもん)と接触。疑われた素問は身の潔白を晴らすためと自害する。周亜夫は彼女の遺体から漢の兵符を得て、漢軍を撹乱することに成功する。一方、宮廷では、劉盈(りゅうえい)と雲汐の密会が露見する。激怒した呂雉は雲汐に賜薬を下す。
第7話 代国へ
呂雉(りょち)の密令により竇漪房(とういぼう)と名を変えた雲汐は、呂雉が代王 劉恒(りゅうこう)に送る宮女の1人として代国に入る。彼女の任務は侍女・莫雪鳶(ばくせつえん)と共に、間者として代国の情報を送ると共に代王の心を惑わし代国の政事を混乱させること。宮女の中には、代国が長安に送っていた間者であり、周亜夫(しゅうあふ)の妹の周子冉(しゅうしぜん)の姿もあった。代国での最初の仕事は、呂雉が王妃として送り込んだ間者・青寧(せいねい)に会うことであったが、青寧の態度はつれない。
第8話 歌声の主
漪房(いぼう)は代王・劉恒(りゅうこう)の心を掴むことに成功する。同じ頃、雪鳶(せつえん)もまた、徐々に心を許していく代国将軍の周亜夫(しゅうあふ)への想いに気持ちが揺れ始める。一方、薄姫(はくき)は川から怪しい木の葉を発見。間者の存在を疑う劉恒らは罠を掛けることを計画する。そんな中、夜ごと聞こえる歌声を探っていた雪鳶は、声の主が青寧(せいねい)であることをつきとめ、漪房と雪鳶は中秋節に密かに青寧と会うことを画策。そこには鎖に繋がれた青寧がいた。
第9話 代王 劉恒の誓い
間者としての立場と劉恒(りゅうこう)への愛の間で苦しんだ青寧(せいねい)は、漪房(いぼう)を陥れようとした宮女・錦瑟(きんしつ)を道連れに命を落とす。この事件をきっかけに人を信じることに激しく失望した劉恒は、漪房ただ1人だけを信じて生きていくことを誓う。一方、長安では生死の淵を彷徨う劉盈(りゅうえい)が慎児の持ち込んだ薬により奇跡的に回復。宮外に出たいと懇願する劉盈は、慎児(しんに)にある交換条件を出す。 同じ頃、代国では漪房が窮地に立たされていた。
第10話 二人の男の決意
劉盈(りゅうえい)の心の病を心配した呂雉(りょち)は、慎児(しんに)の提案を受け外出を許可する。代国では劉恒(りゅうこう)と周子冉(しゅうせんじ)の婚儀が厳かに行われる。傷つきながらも冷静を装う漪房(いぼう)に、初夜を抜け出してきた劉恒は結婚を申し込む。女としての幸せを隠せない漪房に雪鳶(せつえん)が間者としての立場を忘れるなと釘を刺す。一方、慎児と共に宮廷を抜け出した劉盈は、二度と戻らないと決意する。しかし、今にも船に乗り込まんとする劉盈の前に呂雉が現れる。
- 紀元前188年 漢の第2代皇帝・劉盈(りゅうえい)崩御(当作では劉盈の身代わりが死亡)。
- 第3代皇帝に乳児の少帝恭(しょうていきょう)が即位。
- 幼い張嫣(ちょうえん)は皇太后となる。
- 呂雉(りょち)は太皇太后、摂政となり、以後8年に渡り呂一族の朝廷支配が続く。
第11話-第20話
第11話 慎児の策謀
竇漪房(とういぼう)を愛するだけでなく、その聡明さにも一目置く代王 劉恒(りゅうこう)は、朝議の場にも漪房を同伴し大臣らの不評を買う。存在感を増す漪房は薄姫(はくき)にとっても目障りな存在であった。漪房を忌み嫌う側室 墨玉(ぼくぎょく)は何としても王妃 周子冉(しゅうしぜん)に王子を産ませようと策を弄す。その頃、長安では太皇太后 呂雉(りょち)が、劉盈(りゅうえい)の逃亡を知る聶慎児(じょうしんに)を劉盈の夫人に冊し殉死させようとしていた。呂雉の思惑に勘付いた慎児は呂雉の甥 呂禄(りょろく)を懐柔しようとするが…。
第12話 懐妊
劉恒(りゅうこう)は匈奴(きょうど)との国境への視察に漪房(いぼう)を伴う。視察に同行した周亜夫(しゅうあふ)と莫雪鳶(ばくせつえん)は、共に相手への愛情と疑心の間で揺れ、牽制し合っていた。そんな中、馬取引の交換条件として馬商人に嫁ぐことになった雪鳶。漪房は劉恒との愛のためにこれを推し進めようとするが、間一髪のところで周亜夫が雪鳶を助け出す。一方、視察に同行したことで漪房はますます薄姫(はくき)の反感を買う。拝謁さえ許されない漪房は劉恒の前で倒れてしまう。
第13話 参謀の秘密
呂禄(りょろく)は妻となった慎児(しんに)の言うがまま策を弄して兵士を懐柔し、従兄を蹴落として大尉の地位を得るが、満足できない慎児はさらに呂禄を煽る。一方、女医官と偽って宮廷に入った漪房の伯母 瀋碧君(しんへきくん)は墨玉(ぼくぎょく)の口車に乗り、懐妊中の王妃に危険な催生法を施す。王妃は王子 劉尊(りゅうそん)を出産するが身体に大きな傷を負う。同じ頃、漪房(いぼう)の提案を受けて陵墓建造を強引に進める劉恒(りゅうこう)に対し大臣達は激怒し、漪房を死罪に処すよう要求をする。
第14話 疑心暗鬼
薄姫が宮殿を去り王妃も体調が思わしくないため、漪房(いぼう)が後宮の長となった。出産後体調を崩した王妃は、劉恒(りゅうこう)と漪房に息子 劉尊を託してこの世を去る。薄姫は漪房の聡明さを認め、代国への忠誠を条件に漪房を王妃とし自らも宮殿に戻ることを決める。長安の呂雉から陵墓の地図情報を催促された漪房と雪鳶は偽の地図を送ることを決意。しかし、この一件で2人に強い疑念を抱いた周亜夫(しゅうあふ)は漪房に警告する。
第15話 王妃 竇漪房
幼少の皇帝 劉恭(りゅうきょう)に命じられ、呂禄は劉恭を自宅に連れ帰る。慎児(しんに)は劉恭を利用して出世することを目論み、お菓子などで皇帝を手なずける。数年後の紀元前183年。代国では王妃となった漪房(いぼう)が仕事のない宮女に暇を出すなど後宮の長としての手腕を奮っていたが、漪房の影響力が増すことを好ましく思わない薄姫は牽制する目的で側室 紫蘇(しそ)を迎える。同じ頃、趙国では趙王 劉友(りゅうゆう)に逆上した妻 呂馨(りょけい)が激しく叱責していた。
第16話 英断
劉友(りゅうゆう)が自害した一件により、呂一族と劉一族の反目はいっそう激しくなり一触即発であった。これを収拾するために開かれた両一族の和解の席で、高祖の孫にあたる万戸侯 劉章(りゅう・しょう)は軍法を盾に呂馨を殺害。呂雉は劉章の才覚を認め、呂禄に劉章と手を結ぶように命じる。同じ頃代国では、紫蘇(しそ)へ一向に心を開かない劉恒(りゅうこう)に薄姫はますます苛立ち紫蘇を叱責する。しかし、紫蘇は漪房(いぼう)へ申し訳ない思いで心を痛めていた。
第17話 皇帝 劉恭の怒り
長安では、呂禄と慎児(しんに)の思惑通り事が運び、劉章と呂禄の妹 呂魚(りょぎょ)の婚儀が行われる。劉章は呂魚にも騙されたと誤解し、呂魚に対して心を閉ざしてしまう。一方、皇帝 劉恭が呂禄の家へ頻繁に通っていることを知った呂雉は、呂家で死んだはずの慎児の姿を発見し激怒する。投獄された慎児は呂雉に打ち勝つよう劉恭を煽り、さらには、劉恭の生母が呂雉によって殺された事実を暴露し、逆上した劉恭は呂雉を失脚させようとする。
第18話 呂雉の反撃
漪房(いぼう)は劉章からの出兵依頼を穏便に断る口実を作るために自害を決意する。ところが、今にも毒薬を飲まんとする漪房の元に世子 劉尊死去の知らせが届く。漪房への恩返しのためにと漪房の息子 劉啓(りゅうけい)を世子にしようとした紫蘇(しそ)の仕業であった。一方、長安では、呂禄と慎児(しんに)により窮地に追い込まれた呂雉が密かに劉章へ助けを求める。何も知らない呂禄らは従兄の幼子を皇位につけ実権を握ろうとするのだが…。
第19話 仮面の男
呂雉はかつて自らが残酷に死に追いやった威姫(せきき)の亡霊に悩まされ、病の床に臥す。これを聞いた漪房(いぼう)は渋る劉恒(りゅうこう)を説得し、雪鳶、周亜夫(しゅうあふ)と共に長安へ向かう。戦況を探りながら、同時に人質となっている慎児(しんに)を返してもらいたい漪房であるが、劉恒の味方となった漪房に呂雉は断じて応じなかった。長安で急襲を受けた漪房を雪鳶が身を呈して逃がす。ひとり捕えられ諦めの面持ちの雪鳶の前に仮面の男が現れる。
第20話 長安制圧
呂雉(りょち)が崩御する。呂雉から慎児(しんに)を始末するように命じられていた侍女 莫離(ばくり)であったが、漪房(いぼう)との約束を守り慎児を助けかくまう。呂一族は呂雉の死亡を隠し収拾しようとするが、攻め入ってきた劉章(りゅうしょう)軍に宮殿を制圧される。宮殿が混乱する中、自害しようとした前皇太后 張嫣(ちょうえん)は周亜夫(しゅうあふ)に助けられ一命を取り留める。久しぶりに長安の宮殿に戻った薄姫(はくき)と劉恒(りゅうこう)であったが、情勢は劉章を皇帝としてたてる方向で動いていた。
- 紀元前180年 呂雉崩御。
第21話-第30話
第21話 劉恒即位
再会を喜ぶ劉章(りゅうしょう)と呂魚(りょぎょ)であったが、兵士たちは呂家の血を引く彼女の始末を迫る。竇漪房(とういぼう)の機転で一命を取り留めた呂魚を連れ劉章は皇位を諦め斉国に退く。紀元前180年、ついに劉恒(りゅうこう)(文帝)が即位する。漪房は廃后となった張嫣(ちょうえん)を密かに宮外に逃がそうとするが、張嫣は周亜夫(しゅう・あふ)への恋心から宮殿に留まり北苑に異居する。一方、呂禄(りょ・ろく)との貧しい逃亡生活に嫌気がさした聶慎児(じょうしんに)はある日、杜雲汐(とうんせき)(漪房)が皇后になったことを知る。
- 呂氏一族殲滅(せんめつ)
- 紀元前180年 劉恒(りゅうこう)(文帝)即位、薄姫(はくき)は皇太后、竇漪房(とういぼう)を皇后に封じ、数十年に及ぶ文景(ぶんけい)の治が始まる。
第22話 敵となった妹
皇后にまで上り詰め、劉恒(りゅうこう)からも愛される漪房(いぼう)に理不尽な嫉妬心を募らせる慎児(しんに)は、何とかして劉恒に取り入り皇后と同じ立場を得ようと、皇太后の侍女 佩心(はいしん)を味方につけ策を弄する。そして慎児は北苑の林(りん)昭儀に睡眠薬を都合させ、口封じのために突き落として殺害し、張嫣(ちょうえん)がこれを目撃する。慎児は睡眠薬を使って劉恒を誘惑しようとするが、乗り込んできた漪房に激しく叱責される。慎児は張嫣に邪魔をされたことが許せない。
第23話 すれ違い
漪房(いぼう)がわが身を呈して張嫣(ちょうえん)を庇ったのを見て、劉恒(りゅうこう)は2人の関係を問い詰める。本当のことを言おうとしない妻に失望した劉恒は、苛立ちから慎児(しんに)と一夜を共にする。懐妊した慎児に身分を与えるよう懇願する漪房の姿に自分への愛を信じられない劉恒は、わざと漪房を遠ざけ当てつけるように慎児を寵愛する。慎児は漪房を完全に失墜させようと漪房の弟探しを進言。町に身を潜め漪房を見守ってきた劉盈(りゅうえい)はある決心をする。
第24話 揺るがない愛
慎児(しんに)が王子 劉武(りゅうぶ)を出産する。漪房(いぼう)と子ども達の立場がますます悪くなることを心配する劉盈(竇長君(とうちょうくん) )だったが、漪房は逆に劉盈を案じ宮殿を去るように告げる。劉盈に領土をめぐる匈奴との裏取引をとがめられた宰相 陳平(ちんぺい)は都を去ろうとした劉盈を拘束する。罪を問われた陳平は劉恒(りゅうこう)の前で長君の正体を暴き、漪房と慎児を追い落とそうとする。一方、漪房と劉恒が仲直りをしたことで寵愛を失った慎児は周亜夫(しゅうあふ)に接近する。
第25話 運命の出会い
漪房(いぼう)の息子 劉啓(りゅうけい)は、慎児(しんに)の息子 劉武(りゅうぶ)を池に突き落としたと疑われ宮殿を抜け出す。世間知らずの劉啓が町人に騙されそうになったところを、少女 王娡(おうち)に助けられる。王娡の父は瀋碧君(しんへきくん)にたぶらかされ娘を冥婚に差し出し大金を得ようと王娡を埋葬しようとするが、母 莫離(ばくり)に助けられる。王娡を助けようと夫を殺してしまった莫離は処刑される寸前に王娡に生母の存在を明かす。一方、劉啓と王娡を誘拐したとして碧君が宮殿に連行される。
第26話 雪鳶の愛と絶望
漪房(いぼう)の娘 館陶(かんとう)の結婚が決まる。皇太后 薄姫(はくき)は盛大な祝いを提案するが、劉恒(りゅうこう)は劉興居(りゅうこうきょ)の造反の鎮圧に頭を痛め、上の空。慎児(しんに)の提案により討伐は周亜夫(しゅうあふ)に任せることになる。自分と息子 劉武(りゅうぶ)の立場を固めたい慎児は周亜夫に莫雪鳶(ばくせつえん)との結婚をちらつかせ自身の味方につける。出兵前、2人は婚儀を行うことに。周亜夫を愛しながらも漪房が心配な雪鳶は後ろ髪を引かれる思いで宮殿を発つ。ところが、雪鳶の乗った輿の向かった先は…。
第27話 さらば妹よ
劉盈(りゅうえい)と共に密かに雪鳶を埋葬した漪房(いぼう)は必ず敵を討ち周亜夫(しゅうあふ)に娶らせることを誓う。館陶を婚家へ送り出し、安堵する漪房と劉恒(りゅうこう)。一方で、漪房と劉盈は慎児(しんに)を陥れる作戦を着々と進める。漪房の暮らす椒房殿で小火が発生し、呪いの人形が見つけ出される。慎児を追い詰める包囲網は狭められ、遂に館陶に毒を盛った罪で捕えられた慎児に漪房は毒杯を差し出す。その頃、慎児に懐柔された周亜夫は城外で反旗を翻し…。
- 韓信(かんしん)を捉えた策
第28話 国母として、母として
漪房(いぼう)は雪鳶の墓前で泣き崩れる周亜夫(しゅうあふ)に、生きて雪鳶の愛に応えるよう告げ、生涯、椒房殿の衛兵として仕えるよう命ずる。皇太后の命で長安を国境の要所に治める呉王 劉濞(りゅうび)と息子 劉賢(りゅうけん)が宮殿に招かれた。劉賢を劉啓(りゅうけい)の学友として厚遇するが、世間知らずの劉啓は奔放でずる賢い劉賢の言動に翻弄される。2人の所業で劉盈(りゅうえい)の婚約者 紫菱(しりょう)が自殺を図る。この一件が漪房と劉啓との間の溝を深める大事件を引き起こしてしまう。
第29話 劉啓の結婚
劉啓(りゅうけい)、劉武(りゅうぶ)の兄弟は青年に成長。劉武は梁王となり宮殿を出る。薄姫と漪房(いぼう)は18歳になった劉啓の縁談を進めるも、宮女 栗妙人(りつみょうじん)に夢中な劉啓は興味を示さない。皇太子と結婚し地位を得ることだけを切望し劉啓には目もくれなかった妙人は、劉啓の正体を知ると手のひらを返したように劉啓に接近し側室となる約束を得る。皇太后の姪孫 薄巧慧(はくこうけい)との結婚が決まった劉啓だが、何もかも妙人の言いなりの劉啓は巧慧を遠ざける。
- 紀元前168年、劉武(りゅうぶ)は梁王となり宮殿を出る。
第30話 女の戦い
劉啓(りゅうけい)により夜番を疎かにしたことで張嫣(ちょうえん)は風邪をこじらせる。劉啓の体たらくは妙人(みょうじん)の所為であると激怒した漪房(いぼう)は彼女を厳しく罰する。劉恒(りゅうこう)は、母に反発する劉啓に自身の漪房への愛を説き、そして漪房を2人の誓いの場所に招き、劉啓の愛にも寛大であろうと話す。漪房は妙人を受け入れる努力をすると共に、巧慧(こうけい)にも劉啓の心が向くようアドバイスをする。巧慧、妙人は互いに劉啓の寵愛を自分のものにしようと狂奔する。
- 周幽王の寵姫・褒姒(ほうじ)は諸侯の怒りをかい惨烈な死を遂げた。
- 殷の紂王(ちゅうおう)の妃・妲己(だっき)は姜(きょう)皇后を陥れ貴姫となるが紂王は武王に滅ぼされる。
第31話-第40話
第31話 妙人懐妊
薄巧慧(はくこうけい)と栗妙人(りつみょうじん)の争いは激しさを増す。散々にプライドを傷つけられた巧慧は心のバランスを失い始めていた。巧慧は親蚕礼(しんさいれい)の機会を狙い妙人を罠にはめ、劉啓(りゅうけい)の気持ちを引き寄せようとする。竇漪房(とういぼう)はそんな巧慧に策を弄するなとたしなめる。劉啓の心は巧慧に向き始めたと思えたが、妙人の懐妊を知った劉啓の心は再び妙人に戻ってしまう。同じ頃、町には瀋碧君(しんへきくん)の元で生母と瓜二つに成長した王娡(おうち)の姿があった。
第32話 届かない親心
王娡(おうち)と結婚した金王孫(きんおうそん)は、仕官の試験を受ける。宮内に有能な家臣の欲しい劉啓(りゅうけい)と妙人(みょうじん)は、王孫の才能に目をつけ、自分たちの力になるなら仕官を口添えすると口説くが、実直な王孫はそんな劉啓を蔑むように、自分の才能は真の王に尽くすためと拒絶する。一方、視力の回復しない漪房(いぼう)に劉恒は手づくりの杖を送り、2人で代国を訪ねようと話す。喜ぶ漪房を尻目に、吐血した劉恒(りゅうこう)は自分の身体が病魔に侵されていることを知る。
第33話 策を弄す女たち
劉啓(りゅうけい)は王娡(おうち)との再会に大喜びだが、夫の仕官を無心され、自分とつきあったのは夫の為だったと知り嫉妬する。一方、王孫(おうそん)も王娡がそんなことを劉啓に頼んだことが気に食わない。相変わらずの欲深さで、この機に乗じて王娡を入宮させようと企む王娡の養母 碧君(へきくん)は、王娡を別れさせようとして王孫と言い争いになり、誤って頭を打った王孫が死んでしまう。その頃、宮殿では、病床の劉恒(りゅうこう)がとうとう昏睡状態に…。
第34話 君のために
必死の看病にも関わらず劉恒(りゅうこう)は目覚めないままだった。劉啓(りゅうけい)への譲位を安全に行いたい漪房(いぼう)は、身代わりをたて劉恒の代わりに世事を司りながら準備を進める。しかし、劉啓は母が義弟 劉武(りゅうぶ)を宮殿に呼び戻したことから、漪房が劉武に譲位しようとしていると誤解してしまう。保身のため何としても劉啓を即位させたい姉・館陶(かんとう)と皇后・巧慧(こうけい)、妙人(みょうじん)は劉啓を煽動し、漪房と確執のある皇太后を後ろ盾に母の追い落としを企てる。
第35話 王娡入宮
紀元前157年、劉啓(りゅうけい)(後の景帝)が即位し、漪房(いぼう)は皇太后となる。側室 妙人(みょうじん)が王子 劉栄(りゅうえい)を出産する。巧慧(こうけい)も妙人も相手にしないで世事に没頭する劉啓を心配した館陶は新しい側室選びを始める。そんな折、夫 王孫(おうそん)が劉啓に殺されたと誤解し、復讐のために劉啓に近づこうと躍起になる王娡(おうち)が館陶の目に留まる。館陶とともに宮殿にやってきた王娡を劉啓は大喜びで迎えるが、王娡は隠し持っていた刀を劉啓に向ける。
- 紀元前157年、第5代皇帝・劉恒(りゅうこう)(文帝)が崩御し、長子の劉啓(りゅうけい)が即位し、景帝(けいてい)時代の幕が開ける。
- 薄太后は太皇太后(たいこうたいごう)になり竇漪房(とういぼう)は皇太后(こうたいごう)となった。
- 側室妙人(みょうじん)が王子 劉栄(りゅうえい)を出産する。
第36話 愛情と復讐の間で
巧慧(こうけい)に罪をなすりつけて後宮の実権を握った妙人(みょうじん)であったが、王娡(おうち)は自分に夢中な劉啓(りゅうけい)を味方につけ、妙人から後宮の主人の座を奪う。しかし、漪房(いぼう)は、その容貌も振る舞いも慎児(しんに)を彷彿とさせる王娡を心の底から信じきれないでいた。劉啓が王娡の進言により、古参の大臣達までをも切り捨てたことを知った漪房は劉啓を叱責する。王娡を庇(かば)った劉啓の愛に気持ちの揺れる王娡は養母碧君(へきくん)を宮殿に呼び寄せたのだが…。
第37話 太皇太后の最期
王娡(おうち)が養母 碧君(へきくん)を逃がすために周亜夫(しゅうあふ)を頼ったことを知った漪房(いぼう)は、周亜夫の妻 張嫣(ちょうえん)を人質として自分の元に置くとともに、周亜夫には王娡により乱れた秩序を取り戻すよう命じる。一方、太皇太后は姪孫でもある皇后 巧慧(こうけい)を助けるため疫病にかかってしまう。必死で看病する漪房の姿に死床の太皇太后は彼女への嫉妬心を告白し許しを乞いながら世を去る。その頃、懐妊を知った王娡は夫 王孫(おうそん)の復讐と劉啓(りゅうけい)への気持ちの間で苦悩する。
- 紀元前156年、薄太皇太后崩御。
第38話 愛と失望
夫の死の真実を知った王娡(おうち)は劉啓(りゅうけい)に全てを打ち明ける。衝撃を受けた劉啓は王娡を許すことができず、彼女を牢屋敷に追放する。さらに、巧慧(こうけい)が太皇太后の着物をわざと王娡に送ったことを知った劉啓は後宮への激しい嫌悪感を抱く。諸侯の謀反を案ずる劉啓に、今や後宮に敵なしとなった妙人(みょうじん)は、皇太后の誕生祝いを口実に彼らを呼び寄せ拘束するよう提案する。誕生祝いの席には劉啓の義兄劉武(りゅうぶ)も劉盈(長君)とともに駆け付けるが…。
第39話 君のためなら
劉武(りゅうぶ)の存在を疎ましく思う妙人(みょうじん)は諸侯達に、皇太后が命を狙っていると吹き込み、劉武を人質にして対抗するように焚き付け、その裏で劉啓(りゅうけい)には国のために劉武を犠牲にせよと諭す。苦悶する漪房(いぼう)を劉盈(長君)はわが身を呈して守り、漪房の腕の中で劉盈(りゅうえい)は息を引き取る。劉啓が義弟への情から劉武を皇太弟とするのを危惧した妙人は息子・劉栄(りゅうえい)の太子冊封に手を回す。国の行く末を案ずる漪房に周亜夫(しゅうあふ)は王娡(おうち)の息子 劉彘(りゅうてい)の存在を耳打ちする。
- 王娡(おうち)は劉啓(りゅうけい)の子・平陽公主、劉彘(りゅうてい)を産む。
第40話(最終話) 美人心計
病の劉啓(りゅうけい)は薬を拒み治療が進まない。それを知った王娡(おうち)は甘い細工をした薬を息子・劉彘(りゅうてい)に届けさせる。劉彘の跡をつけ王娡と再会した劉啓は、王娡の本心を知り宮殿に連れ帰る。王娡親子が戻ったことで焦った妙人(みょうじん)は、自ら劉彘に手をかける。激怒した劉啓により劉栄は廃位、親子共に臨江に落ちる。しばし後、梁国の劉武(りゅうぶ)が暗殺されたという知らせが届く。劉啓の仕業と疑わない漪房(いぼう)は劉啓と王娡の再三の懇願にも耳を貸さない。
- 匈奴が漢に侵攻し、周亜夫(しゅうあふ)が文帝より軍を率いてその防衛の一翼を担うように命じられる。
- 劉栄(りゅうえい)廃位。
- 豊かな大国の梁王・劉武(りゅうぶ)は、梁に大きな苑や宮殿を造り、武器や弩を数十万制作し、膨大な金銭を蔵するなど、天子に匹敵するほどとなっていた。劉武は殺害され、漪房(いぼう)は劉啓(りゅうけい)が殺したと思い劉啓を拒絶する。
- 紀元前141年、第6代皇帝・景帝(劉啓(りゅうけい))崩御。劉徹(りゅうてつ)(劉彘(りゅうてい))が即位する。
- 竇漪房(とういぼう)は太皇太后(たいこうたいごう)となり、王娡(おうち)は皇太后となった。
- 漪房は、劉武は館陶(かんとう)公主が劉徹を即位させるために殺したことを知る。
- 紀元前135年、竇漪房崩御。
- (紀元前127年、武帝・劉徹(りゅうてつ)は将軍の衛青に楼煩と白羊王を撃退させ、河南の地を奪取することに成功した。)