先史時代の遺跡地図 日本列島と日本人
先史時代の遺跡地図©世界の歴史まっぷ

1. 日本列島と日本人

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日本列島と日本人

地球は46億年前に誕生した。そして地質時代の歴史区分において新生代新第三紀鮮新世と言われる時代に、人類が誕生した。その後の新生代第四紀は、人類が進化を遂げ、地球上に広く拡散し、現在のような繁栄に到達した時代である。
人類は、

猿人(600万〜170万年前) → 原人(170万〜20万年前) → 旧人(20万〜3万年前) → 新人(15万年前以降)

という進化を経てきた。

日本列島と日本人

地球は46億年前に誕生した。そして地質時代の歴史区分において新生代新第三紀鮮新世と言われる時代に、人類が誕生した。その後の新生代第四紀は、人類が進化を遂げ、地球上に広く拡散し、現在のような繁栄に到達した時代である。

人類は、
初期の猿人(700万〜440万年前)猿人(420万〜140万年前)原人(250万〜5万年前)旧人(35万〜4万年前)新人(20万年前以降)
という進化を経てきた。

先史時代の遺跡地図
先史時代の遺跡地図©世界の歴史まっぷ

人類誕生の地はアフリカ大陸である。1924年、最初にアウストラロピテクス(南方の猿の意)を発見したのは南アフリカの解剖学者レイモンド=ダートであった。アウストラロピテクス=アファレンシス(アファール猿人)は、現代人の約3分の1(約500cc,ゴリラやチンパンジー並み)の脳容量しかもたなかったが、直立二足歩行をしており、新生代新第三紀鮮新世の390万〜290万年前ころに生存したらしい。230万年前ころに、大きな脳容量をもち、石器などの道具を使用していたホモ=ハビリスが現れた。このホモ=ハビリスから原人(ホモ=エレクトゥス)が生じ、現在の人類にいたるという説が有力である

人類が猿人 → 原人 → 旧人 → 新人と、直線的に進化してきたという考え方は、現在の人類学では大幅に見直されている。発見された人類化石の数が増えるにつれて、過去にはもっとさまざまな種類の人類が存在したこと、しかし大多数の系統は絶滅し、一つの系統だけが現代人へ進化したことが判明している。また猿人から新人までの進化の過程で、それぞれが共存していた期間が長かったこともわかってきた。

人類最古といわれる化石の発見も続いている。1992年にはエチオピアで約440万年前とされる猿人の歯が発見され(ラミダス猿人)、2000年にはケニアで約600万年前と考えられる猿人の化石が発見された。2001年から2002年にかけて中央アフリカのチャドで発見された頭骨は約700万年前と推定されるが、人類の化石であるかどうか疑う意見もある。

人類がアフリカ大陸で誕生したことは明らかであり、原人の段階にいたって、人類は初めてアフリカの外へ出てユーラシア大陸へ進出していった。

更新世こうしんせいの前期に、原人が出現する。1891年、オランダ人軍医ウジェーヌ=デュボアがジャワ島東部のトリニール村に近いソロ川の岸で最初に発見し(ジャワ原人, 脳容量約900cc)、のち1927年以降、北京郊外の周口店しゅうこうてんの洞窟から約40体分もの原人の化石が発見された(北京原人, 脳容量約1100cc)。北京原人の出た洞窟遺跡からは、多数の動物、植物化石と石器、また火を使用した痕跡も発見され、原人の生活、文化が明らかになった。言葉を話す能力もあったと考える説もある。

旧人の化石はヨーロッパ、西アジア、中央アジアから多く発見されている。それらは、1856年にドイツのデュッセルドルフ市の東にあるネアンデルタールという石灰岩の谷からはじめて発見された化石にちなんで、ネアンデルタール人と呼ばれる。旧人の脳容量は現代人とほぼ同じで、彼らは洞窟に住み、進歩した石器を製作し、死体を埋葬する習慣があったとされている。

20万年前ころ、アフリカで旧人よりもさらに現代人に近い骨格を持つ人類(現生人類、新人、ホモ=サピエンス)が現れた。1868年、南フランスのクロマニョン渓谷で発見された化石はクロマニョン人と呼ばれるが、われわれ現代人と同じ種に属する人類である 。主に洞窟に住み、非常に進歩した石器を製作・使用し、狩猟・漁労の効率が高まった。スペインのアルタミラ洞窟、フランスのラスコー洞窟に見られるような優れた絵画や、女性像、動物の彫刻を残すなど、豊かな文化をもっていた。

新人(ホモ=サピエンス)の起源については人類学者のあいだで論争があったが、現在では、新人への進化がアフリカだけでおこったとする「アフリカ単一起源説」が正しいと考えられている。

アフリカで進化した新人が、7万年前ころユーラシア大陸へ進出し、ヨーロッパへ到達してクロマニョン人となった。ネアンデルタール人とクロマニョン人はヨーロッパと西アジアで共存していたが、結局、ネアンデルタール人は絶滅してしまう。新人の方が幅広い環境に適応することができ、効率的に食料を採取したことが、旧人の絶滅を引き起こした原因の一つと考えられる。

このように新人の出現に関する新しい考え方には、DNAの違いの程度によって生物集団間の系統関係を推定する、分子人類学の発展が大きく貢献している。

先史時代年表

先史時代年表

実年代
(年前)
地質
年代
史的
年代
考古
年代
人類経済・社会・文化
500万年








初源期の人類の出現
400万年アウストラロピテクス・アファレンシス猿人獲得経済(狩猟・採集)
礫石器の使用
言語の形成
道具の製作
火の使用









250万年ホモ・ハビリス
130万年ジャワ原人原人
50万年北京原人
12万年





ネアンデルタール人旧人埋葬開始(宗教の起源)
剥片石器の使用
骨角器の製作・漁労
弓矢の発明
洞窟絵画
4万年前





フマーネ洞窟の壁画
6万年クロマニョン人
周口店上洞人
新人
3万6000年前ショーヴェ洞穴の壁画
2万年前







ラスコー洞窟の壁画
1万年





農耕・牧畜開始, 生産経済に入る
磨製石器・土器・織物・煉瓦・村落定住
4000年



シュメール
セム語系・エジプト語系民族の登場
インド・ヨーロッパ語系民族の登場
灌漑農業・犂耕・手工業・交易開始
青銅器・文字・神殿の出現
都市・階級の成立
奴隷の発生
3000年





分業の発達
鉄器の普及
国家の成立
※上記の実年代算定は、人類学・考古学・地質学により、また研究者によって相当の差がある。
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