アフリカのイスラーム化
西アフリカのガーナ王国(7世紀頃〜1150)は、金を豊富に産することで知られていた。ムスリム商人は、サハラ砂漠の塩床から切り出した岩塩をもってガーナにいたり、これを金と交換してイスラーム世界にもたらした。
アフリカのイスラーム化
アフリカの内陸部は、北部の砂漠地帯とニジェール川やザンベジ川など大河流域の熱帯雨林を除いて、大半はサバンナ気候帯に属する。
ムラービト朝の侵入以後、西アフリカではイスラーム化が進行し、つづいておこったマリ王国(1240〜1473)はイスラーム教を受容した。王国は14世紀初めに最盛期を迎える。国王マンサ・ムーサは、メッカ巡礼に際して大量の金を奉納し、「黄金の帝国マリ」の名を広めた。
15世紀後半、マリ王国を倒して建国したソンガイ王国(1464〜1591)は、ガオに都を定め、西アフリカの隊商都市の大部分を支配し、北アフリカとの交易によって栄えた。
国王アスキア・ムハンマド1世(1493〜1528)はイスラーム教を熱心に保護し、彼の統治下で交易都市トンブクトゥは内陸アフリカにおけるイスラーム文化の中心地として繁栄した。
モガディシュ以北のアフリカ東岸の海港では、古くからアラビア半島やイランとの海上貿易がさかんであった。10世紀後半になると、その南のマリンディ、モンバサ、ザンジバル、キルワなどの海港都市にはムスリム商人が来住し、東南アジアの香辛料、アフリカの奴隷、中国の陶磁器、インドの綿布などの取引によって繁栄した。
その結果、この海岸地帯では、アラビア語の影響を受けたスワヒリ語が共通語として広く用いられるようになった。
また、さらに南方のザンベジ川南部でも、11世紀ころからジンバブエを中心にモノモタパ王国がおこり、豊かな鉱物資源とインド洋貿易によって栄えた。王国は15世紀ころに最盛期を迎え、ジンバブエから出土するインド産のガラス玉や中国の陶磁器はその繁栄ぶりをよく物語っている。