イスラーム イスラーム教の特徴
ナスフ体によるコーラン の章句。10世紀に訳されたタバリーの『大タフスィール』ペルシア語版(写本は18世紀のもの)。アラビア語各単語とそれに対応する朱字のナスタアリーク体によるペルシア語の訳文。タフスィールの一種。©Public Domain

イスラーム教の特徴

キリスト教とは対象的に預言者に神性はなく、預言者ムハンマドも「市場を歩くただの人間」にすぎないとされる。
ユダヤ教の神ヤハウェが、選ばれたユダヤの民との間に特別の契約を結ぶのに対して、血縁的な絆を否定し、すべてのムスリムは同胞としてひとつの共同体(ウンマ)を形成する。

イスラーム教の特徴

イスラーム世界の形成と発展
イスラーム世界の形成と発展 ©世界の歴史まっぷ

神からムハンマドに下された啓示を集成したものがイスラームの聖典『コーラン(読むべきものの意)』であり、アラビア語で記されている。
その教義の核心は、「アッラー以外に神はなく、ムハンマドは神の使徒である」という信仰告白の言葉によく示されている。つまり、神の唯一性がきわめて明確に表明され、信者には主人であるアッラーに対し、しもべとして絶対的に服従すること(イスラーム)が要求される。したがって、ムハンマドは神からつかわされた使徒であるが、キリスト教とは対象的に預言者に神性はなく、ムハンマドも「市場を歩くただの人間」にすぎないとされる

また、ユダヤ教の神ヤハウェが、選ばれたユダヤの民との間に特別の契約を結ぶのに対して、イスラーム教は血縁的な絆を否定し、すべてのムスリムは同胞としてひとつの共同体(ウンマ(イスラム))を形成するとした。ここに、イスラーム教が世界宗教として発展していくための基本的な原理を見出すことができる。
イスラームの世界的宗教性は、アラブの大征服の結果、さまざまな民族を含む広大な地域がイスラーム帝国の統治下に組み込まれたことにより、歴史的な現実ともなった。これ以後の時代にも、イスラーム教はさらに広い地域へと拡大していく。

「コーラン」には、1日5回の礼拝や断食・喜捨・巡礼などの信仰に関わる事柄ばかりでなく、結婚や離婚、遺産相続、豚肉を食べることの禁止など、社会生活のすべてにわたる規制が述べられている。イスラーム教がせまい意味での宗教にとどまらず、政治・経済・社会・文化など、あらゆる分野の活動にかかわる「生活の体系」として機能するようになったのはそのためである。
日常生活の規範とされたイスラーム法シャリーア)は、『コーラン』と預言者の言行(スンナ)にもとづいて9世紀ころまでに整えられた。立法作業や法の解釈にたずさわったのはウラマーと呼ばれる知識人・学者であり、これ以後、彼らは法学者・裁判官・教師などとして政治的、社会的に重要な役割を演ずるようになる。

『コーラン』

  1. 慈悲ぶかく慈愛あまねきアッラーの御名みなにおいて。
  2. たたえあれアッラー、万有の主。
  3. 慈悲ぶかく慈悲あまねき方。
  4. 審判の日(最後の審判をさす)の支配者。
  5. 我々はあなたを崇め、あなたに助けを求めまつる。
  6. 我々を正しき道に導き給え。
  7. あなたの怒り給うものの道、踏み迷ったものの道ではなく、あなたの御恵みを垂れ給う人々の道に。

参考 〔ー開扉の章メッカ啓示〕

慈悲ぶかく慈愛あまねきアッラーの御名において。

  1. クライシュの安全を願うなら、
  2. 冬と夏の隊商の安全を願うなら、
  3. 彼等をして、この館の主(館はカーバ神殿、館の主はアッラーを意味する)に仕えさせよ。
  4. 飢に対しては彼等に食を与え、恐れに対しては彼等を守り給うた方に。

参考 〔ー〇六クライシュの章メッカ啓示〕

慈悲ぶかく慈愛あまねきアッラーの御名において。

  1. 言え。「彼こそアッラー、唯一の方。
  2. アッラー、永遠の方。
  3. 生まず、生まれず(預言者ムハンマドは、キリスト教徒がイエスを神の子と呼ぶのを非難し、唯一絶対の神は何ものをも生むはずがなく、また何ものからも生まれたはずがないとした。)。
  4. 並ぶもの、何一つなし」と。

参考 〔ーーニ純粋の章メッカ啓示〕(嶋田襄平訳)

参考

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