ビザンツ史の概観
ゲルマン人の大移動の影響は少なく、西方カトリック世界と政治的・宗教的に対抗し、またイスラーム勢力を中心とする東方世界とは軍事的・経済的に対抗しつつ、ギリシア・ヘレニズムの伝統にスラヴ的要素を加えた独自のビザンツ・東ヨーロッパ世界を形成した。その歴史は、初期(4〜8世紀初め)・中期(8世紀初め〜11世紀)・後期(11世紀末〜15世紀)に分けられる。
ビザンツ史の概観
ビザンツ(東ローマ帝国)の始まりについては、330年のコンスタンティヌス1世によるビザンティウム遷都(コンスタンティノープルと改称)をとる説と、395年のテオドシウス1世の死による帝国の2分をとる説とがある。いずれにせよ、ゲルマン人の大移動の影響は少なく、曲折を経ながらもその後1000年余りにわたって存在した。
その間、西方カトリック世界と政治的・宗教的に対抗し、またイスラーム勢力を中心とする東方世界とは軍事的・経済的に対抗しつつ、ギリシア・ヘレニズムの伝統にスラヴ的要素を加えた独自のビザンツ・東ヨーロッパ世界を形成することになった。その歴史は、おおむね初期(4〜8世紀初め)、中期(8世紀初め〜11世紀)、後期(11世紀末〜15世紀)の3期に分けられる。