小説の出現 – 文学の発展
ジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』は、フランスとの対立、ヘンリー8世(イングランド王)が行った処刑や追放刑により始まったイングランド国教会とカトリック教徒の対立など、当時のイギリスを批判した風刺小説で、日本も登場する。
小説の出現 – 文学の発展
ルイ14世(フランス王)時代のフランスでは、調和を重視した古典主義文学がその黄金期を迎えた。ピエール・コルネイユ(1606〜1684)やジャン・ラシーヌ(1639〜1699)らの悲劇、モリエール(1622〜1673)の喜劇などがその代表である。これらの文学と、リシュリューの創設したアカデミー(学士院 アカデミー・フランセーズ)の力があって、フランス語が国語として洗練された。フランス宮廷の作法とともに、フランス語がヨーロッパ各国の上流階級に広がったのは、このためである。
イギリスでは、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲が、やはり英語の国語としての確立に貢献した。17世紀初頭には、このシェイクスピアやベン・ジョンソン(詩人)(1572〜1637)などを中心として、前世紀以来のルネサンス文学が展開した。ついでピューリタニズムが広がるにつれて、『天路歴程』のジョン・バニヤン(1628〜1688)や、『失楽園』のジョン・ミルトン(1608〜1674)に代表されるピューリタン文学が生まれた。
17世紀末から18世紀初頭になると、市民層の台頭を反映する作家や作品が出現した。特に名誉革命後のイギリスでは、地主=ジェントルマン階級に対して市民層の力を誇示することに努め、『ロビンソン・クルーソー』を書いたダニエル・デフォー(1660〜1731)や、『ガリヴァー旅行記』で当時のイギリス社会を痛烈に批判したジョナサン・スウィフト(1667〜1745)などが活躍した。さらに18世紀中期には、ヘンリー・フィールディング(1707〜1754)らによって「小説」というジャンルがつくりだされ、新聞や雑誌のようなジャーナリズムも発展した。