江戸幕府の軍事力表
幕府権力を優越させたのは、その軍事力であった。それは将軍直属の家臣団である旗本・御家人のほかに、諸大名が負担する軍役で構成され、圧倒的な力を保持していた。直参じきさんと呼ばれた直属家臣のうち、将軍に謁見(お目見え)を許される旗本は、1722(享保7)年の調査で5205人、お目見え以下の御家人は1万7399人であった。旗本1人平均600石の知行とすると、1000石の旗本は総勢23人が出陣する軍役規定(窃永10年)であるから、これに当てはめるとおよそ7万人の軍勢ということになり、「旗本八万騎」に近いものとなる。
江戸幕府の軍事力表
江戸幕府の軍事力
構成 | ・直参(旗本・御家人:将軍直属の兵力で、その家臣をあわせて俗に旗本八幡騎とよばれた ・諸大名の軍役 |
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総数 | 旗本 | ・御目見得(将軍に謁見)を許可される者で、知行取と蔵米取で構成 ・約5200人(寛政年間:知行取約2260人・蔵米取約2940人) |
御家人 | ・御目見得は許可されない者で、ほとんどが蔵米取で構成 ・約1万7240人(正徳年間:うち、知行取は1%にも満たない172人) |
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組織 | 役方 | ・行政、経済関係の役職 [旗本] 勘定奉行・町奉行・大目付・目付・代官など [御家人] 与力・同心など |
番方 | ・軍事部門を担当する役職 [旗本] 大番・書院番・小姓組番など [御家人] 徒士組・鉄砲百人組など |
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無役 | ・寄合組:3000石以上 ・小普請:3000石以下(のち小普請金を上納) |