マルクス・トゥッリウス・キケロ ROME[ローマ] アウグストゥス
ROME[ローマ]

ROME[ローマ] 登場人物とあらすじ

ドラマ


ROME[ローマ]

アメリカ合衆国のHBOとイギリスのBBCが共同制作したテレビドラマである。総制作費は200億円以上、制作期間は企画から撮影終了まで約8年、広大なスケールでの撮影と衣装も4,000着以上とTVシリーズの枠を超えた超大作。
ローマ軍第13軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを中心に、内乱期のローマ共和国が描かれている。ドラマであるため、細部のストーリーは史実とは異なる。日本ではR-15指定相当。

ROME[ローマ]

イントロダクション

イギリスBBC監修により歴史上の偉人や事件を丁寧に追っていく。物語は、「シーザー」としても知られるローマの実力者「カエサル」ともう一人の実力者ポンペイウスの確執が表面化するところから始まる。そしてシリーズの後半では養父カエサルの意志をついだオクタウィアヌスの活躍を描いていく。ローマ軍第13軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを中心に内乱期の古代ローマ共和国を舞台に物語が描かれる。

紀元前52年。共和政の確立から400年を経たローマは、100万人の人口を誇る世界的な大都市として、また、その後、勢力を広げる帝国の中心地として、世界で最も財力のある都市であった。共和政とは、権力の持つ複数の人間が熾烈な権力闘争を繰り広げるという主義のもとに成り立ち、一人の人間による絶対的な統制は許されぬこととされていた。しかし今、その主義は不正や暴力行為によって崩壊しつつあった。支配者階級は贅の限りを尽くし、昔、その真価の認められていたスパルタ兵の規律や団結性は急激に失われていった。階級の落差は激しく、法や政治を統制する組織の権力は弱まり、軍事組織が勢力を高めていた。

8年に渡る戦争の末、ガイウス・ユリウス・カエサルはガリアを征服し、ローマへの凱旋を果たそうとしていた。彼は忠実な百戦錬磨の軍人たちを率い、捕らえた者たちから得た財宝の金や略奪品、そして抜本的な社会改革のための、国民への課題を持って帰途につく。元老院はそんなカエサルを恐れ、ローマの地に足を踏み入れれば戦争犯罪者として起訴すると彼を脅した。カエサルの旧友であり、仲間であり、指導者でもあったポンペイウス・マグナスもまた、元老院との権力関係は微妙な状況にあった。

そんな中、カエサルの第13軍団の2人の兵士、ルキウス・ヴォレヌスとティトゥス・プッロはガリアの荒野へ向かい、盗まれたカエサル陣営のシンボル、鷲の軍旗の奪還を命じられる。しかしやがて彼らは、古代ローマを揺るがす重大な事件に巻き込まれていくのだった。

愛と裏切り、支配する者とされる者、そして夫と妻。そのさまざまな思いが交錯する「ローマ」は、共和政の崩壊と帝政の誕生を描いた歴史大作である。第1シーズンは全12話で構成され、米HBOにて2005年8月に放送が開始された。

登場人物

相関図

ROME[ローマ] 相関図
ROME[ローマ] 相関図

平民

ヴォレヌス

ヴォレヌス
ヴォレヌス

ルキウス・ウォレヌス:カエサルの『ガリア戦記』の中で言及される人物。ウォレヌスはカエサル指揮下、第13軍団ゲミナ所属のケントゥリオ(百人隊長)。

プッロ

プッロ
プッロ

ティトゥス・プッロ:カエサルの『ガリア戦記』の中では第11軍団クラウディアのケントゥリオ(百人隊長)を務めていたとされるが、本作ではヴォレヌスの部下になっている。

貴族・ユニウス家

セルウィリア

セルウィリア
セルウィリア

セルウィリア・カエピオニス:紀元前63年からカエサルの愛人。ブルートゥスの母親。

ブルートゥス

ブルートゥス
ブルートゥス

マルクス・ユニウス・ブルトゥス:カエサルの愛人セルウィリアの息子。父親は護民官マルクス・ユニウス・ブルトゥス・マイヨル(大ブルトゥス)。
カエサルから本物の息子のように扱われるが、信念から共和国派に身を投じる。理想主義で純粋な性格。

ブルートゥス Jane Doe

元老院

ポンペイウス

ポンペイウス
ポンペイウス

グナエウス・ポンペイウス:ローマの勇将。元執政官。三頭政治の仲間であるカエサルの娘ユリアを妻としていたが、その死後はスキピオの娘コルネリアを娶る。元老院派の頭領に担がれカエサルと戦う。

キケロ

マルクス・トゥッリウス・キケロ
キケロ

元老院派の代表的人物。元執政官。平民から、弁護士として名を成して元老院議員になったため、武力を用いることを好まない。文筆家としても有名。日和見的な性格。

カトー

マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス
カトー

マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス:元老院派(オプティマテス)の急先鋒。高潔で実直、清廉潔白な人物。史実ではブルートゥスは甥で婿に当たる。

スキピオ

クィントゥス・カエキリウス・メテッルス・ピウス・スキピオ・ナシカ。元老院派の重鎮。カトーとともに戦う。ポンペイウスの義父。ポンペイウスとともにコンスルを務めた。

カッシウス

ブルートゥスの友。史実ではブルートゥスの異父妹の夫。

クィントゥス

クィントゥス
クィントゥス

[架空の人物]ポンペイウスの息子。

ルキウス・ドミティウス・アヘノバルブス

ルキウス・ドミティウス・アヘノバルブス(紀元前54コンスル)。紀元前54年のコンスル。

奴隷

エイレネ

ガリア人の奴隷。後にプッロに解放され、彼の妻となる。

ポスカ

ポスカ
ポスカ

[架空の人物]カエサルの奴隷。秘書的な存在。カエサルの死後は解放され、アントニウスに雇われる。

ガイア

女奴隷。

その他

コルネリア

コルネリア
コルネリア

スキピオの娘。ポンペイウスの妻(カエサルの娘)ユリアが亡くなると、カエサルはオクタヴィアとポンペイウスを結婚させようとしたが、スキピオは夫をなくしたコルネリアを紹介する。ポンペイウスはコルネリアを選び再婚する。

貴族・ユリウス家

カエサル

カエサル
カエサル

ガイウス・ユリウス・カエサル:ローマを改革する為、元老院派と対立する。ポンペイウスと三頭政治を組んで執政官になり、貴族の危機感を煽るような改革を行った。のちガリア戦争に赴くが、元老院派の反発は続いていた。

ユリア

カエサルの娘。第1回三頭政治の際、カエサルがポンペイウスとの繋がりをを強固にするために、20歳以上年上のポンペイウスに嫁いだ。夫婦仲は良かったが、紀元前54年、産褥で死去した。ユリアの死はポンペイウスとカエサルの間に亀裂をもたらした。

アティア

アティア
アティア

アティア・バルバ・カエソニア:カエサルの姪。オクタヴィアとオクタウィアヌスの母。本作のアティアの設定はフィクションで、独占的、野心的な女性として描かれている。子供たちを保護しつつ、政治を任されない女性の身でありながらカエサルに取り入り、息子の栄達を達成しようとする。また性的にも放埓で、身分の低いユダヤ人を愛人として配下にしている他に、マルクス・アントニウスと愛人関係にある。嫌がる娘小オクタウィアを夫から離婚させてポンペイウスの後妻にさせようと夜伽させたり、カエサルの愛人セルウィリアと表面では友好を装いながらも影で熾烈な対立をする。

オクタヴィア

オクタヴィア
オクタヴィア

オクタウィア(小オクタウィア):オクタウィアヌスのの同母姉。同名の異母姉(大オクタウィア)と区別して小オクタウィアとも呼ばれる。古代ローマで横顔をコインとして発行された最初の女性。同時代の人々からも後世の人々からも、ローマ女性の美徳を表す女性として尊敬された。

オクタウィアヌス[改名前はオクタヴィウス]

オクタウィアヌス
オクタウィアヌス

ガイウス・オクタウィウス・トゥリヌス(アウグストゥス):カエサルの大甥。実父は騎士階級であるが、その聡明さからカエサルの遺言で後継者に指名され養子となり、カエサルの名を継ぐ。継承後は共和国派やアントニウスと戦い内乱の中心人物となる。ユリウス・クラウディウス朝の開祖。

プライドが高いが、友と認めた相手には身分の分け隔てなく接する。特にプッロにはガリアで助けられて以来は友として扱い、成人後も色々な便宜を図ったりしている。また彼の兵士としての能力に信頼を寄せ、重要な役目を何度も託す。

リウィア

リウィア・ドルシッラ:リウィウス家の出で、名門貴族のクラウディウスに嫁いでいたが、オクタウィアヌスに見初められ、離婚させられて、オクタウィアヌスの妻となる。

民衆派

アントニウス

アントニウス
アントニウス

マルクス・アントニウス。カエサルの右腕で優秀な副官。護民官になってカエサルの権利を守る。カエサルの死後は後継者の座をめぐりオクタウィアヌスと対立する。

レピドゥス

マルクス・アエミリウス・レピドゥス。カエサルの補佐官。法務官としてカエサルを独裁官に指名する。のちアントニウスとともに第二回三頭政治の一角を握る。史実ではブルートゥスの異父妹の夫。

騎士階級

アグリッパ

マルクス・ウィプサニウス・アグリッパ。低い身分から成り上がった軍人。軍事的才能がないオクタウィアヌスの右腕であり友でもある。率直で真面目な性格。

マエケナス

ガイウス・マエケナス。アグリッパと共にオクタウィアヌスの側近であり友。享楽的な性格。

属州

クレオパトラ

クレオパトラ
クレオパトラ

エジプトの女王。プトレマイオス朝最後のファラオ。カエサルの死後、アントニウスと共にオクタウィアヌスと対立する。

プトレマイオス13世

エジプトの王。7歳で姉クレオパトラと兄弟婚を行い、エジプトを共同統治する。のちクーデターを起こして姉をアレクサンドリアから追放する。

カエサリオン

クレオパトラとカエサルの子。

ウェルキンゲトリクス

ガリア人の王。カエサルに敗れて、ローマに幽閉される。

ヘロデ

ユダヤ人の王。ローマの支援を得てユダヤにヘロデ朝を開く。

ティモン

ティモン
ティモン

[架空の人物]ローマに住むユダヤ人。アティアの手足となって働く。

ウェルキンゲトリクス

ウェルキンゲトリクス
ウェルキンゲトリクス

アルウェルニ族の族長。若くしてガリア族をまとめあげ、ガリア戦争でカエサル率いるローマ軍を苦しめたが、最終的にアレシアの戦いで降伏した。第1話

画像出典: ROME [ローマ]ワーナー海外ドラマ 公式サイト

ローマの領土拡大地図

ローマ帝国 同盟市戦争 パクス=ロマーナ 共和政ローマ ポエニ戦争 共和政ローマ(身分闘争) ローマの発展 6.ローマの成立と発展 ローマ帝国 ローマの領土拡大地図 ©世界の歴史まっぷ
ローマの領土拡大地図©世界の歴史まっぷ

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あらすじ

第1話-第10話

第1話 失われた鷲

紀元前52年、8年もの戦乱を戦い抜き、ガリアでの大勝利を収めたローマ政界の実力者カエサルは、ついにローマに帰ってくる。ところが、カエサルとポンペイウスの対立が表面化するなか、カエサル陣営のシンボルである鷲の徽章が何者かに盗まれてしまう。アントニウスに捜索を命じられた百人隊長ヴォレヌスは、規律違反で懲罰房に入っていた軍団兵プッロを連れて出発するが、そこにはポンペイウスの陰謀が隠されていた。

プロローグ
カエサル
ローマ共和政のしくみ

最後の王が追放されてから400年(古代ローマ最初期の政体である王政ローマの最後の王・タルクィニウス・スペルブス・傲慢王は、市民の怒りが爆発して追放され、紀元前509年から共和政ローマがはじまった)。共和政ローマは巨大化するも国内は混乱していた。平民と貴族は対立し合い、常に争いが絶えない。政治と治安の主導者は軍人であり盟友の2人、ポンペイウス・マグヌス(コンスル)とユリウス・カエサル(前執政官(プロコンスル)、ガリア・キサルピナ及びガリア・トランサルピナ等の属州総督)。偉大なる人と称されたポンペイウスがこの8年ローマで平和に暮らす一方、カエサルはガリア戦争に勝ち富と民衆の支持を得た。権力の均衡が崩れ貴族が勢力を増す中、貴族出身のカエサルは平民側に立つ。兵士と富を手にし民衆を愛する彼こそ王になる男なのかもしれないー。

元老院では、カトーがカエサルのガリア属州総督の任を直ちに解き、ローマに呼び戻して違法戦争、盗み、収賄、反逆の罪で裁きを受けさせることを提言する。

紀元前54年 8年に及ぶガリア戦争に勝利したカエサルの元に、同盟(三頭政治)の維持のためポンペイウスに嫁がせた娘のユリアが死亡したとの知らせが入る。
カエサルは姪のアティアに、オクタヴィアをポンペイウスに嫁がせるよう連絡し準備させるが、スキピオも娘のコルネリアをポンペイウスと政略結婚させようとし、ポンペイウスはカエサルではなく、スキピオの娘を選んだため、ポンペイウスが閥族派に寝返った形となった。

見どころ
カエサル
アレシアの戦いにて、カエサル(赤いトガをまとう人物)の軍門に下り、勝者の足元に武器を投げ捨てるウェルキンゲトリクス (リオネル・ロワイヤル画/クロザティエ博物館蔵)©Public domain

紀元前52年、アルウェルニ族の族長ウェルキンゲトリクスは、それまで統率の執れていなかったガリア諸部族をまとめ上げて対ローマ統一部隊を組織し、ガリア各地でゲリラ戦やローマ軍の兵站線の寸断、焦土作戦などを展開し、ローマ軍を大いに苦しめたが、カエサルはアレシアの戦いでこれを下し、ウェルキンゲトリクスが投降するシーンを描いた絵画と同じシーンがある。(本作ではウェルキンゲトリクスは馬に乗っていない。)
カエサルは基本的に敵に回った人間でも処刑することは無かったが、若くして統一組織のないガリアの諸部族をまとめあげてしばしばローマ軍を打ち破ったウェルキンゲトリクスに対してだけは凱旋式を行った際に処刑した。
ウェルキンゲトリクスは、近代に至ってもウェルキンゲトリクスはフランス最初の英雄、ガリア解放の英雄とされる。

第2話 ルビコン渡河

イタリア国境に近いラヴェンナで冬営していたカエサルはアントニウスを護民官に昇格させ、ローマへ派遣する。ヴォレヌスとプッロはその供として久しぶりにローマの地を踏むが、8年ぶりに帰宅したヴォレヌスが目にしたのは、妻ニオベが抱える乳飲み子であった。一方、歓楽街で遊ぶプッロはサイコロ賭博で喧嘩沙汰となり、イカサマをしたポンペイウスの手下を殺してしまう。この小さな事件が、後々ローマ全体を揺るがす大事件に発展する。

共に三頭政治を結成したポンペイウスとカエサルだったが、ポンペイウスに嫁がせたカエサルの娘ユリアが死去したうえ、ガリア征服を通して蓄えられたカエサルの実力と民衆からの信頼を脅威と感じたポンペイウスは、政敵であったカトーやルキウス・ドミティウス・アヘノバルブスら元老院派(閥族派)
ガリア征服を通して蓄えられたカエサルの実力と民衆からの信頼に、ローマの元老院は警戒心を強め、ガリア属州総督の任期終了に伴い、直ちに軍を解散し、独裁への扇動、不法な戦争、強奪、殺人、反逆行為の罪で裁くよう話し合われた。
護民官となったアントニウスは、ポンペイスにカエサルのガリア総督の任期終了後、1個軍団と属州(イリリクム)を1つを要求し、断ればあらゆる手段を講じると通告に行くが、ポンペイスら閥族派は却下する。

指揮権があれば特権を与えられる。無用な裁きの場へ行かずに済むため
カエサルを解任させるために集まった
独裁への扇動、不法な戦争、強奪、殺人、反逆行為の罪で裁きを
断ればあらゆる手段を講じる

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