ホロウ・クラウン嘆きの王冠-リチャード三世
イギリスのBBCが企画・制作した、シェイクスピアの史劇『リチャード三世』に基づき描いたテレビドラマ。
イギリスの中世に生きた国王の苦悩と戦いを描いたシェイクスピアの有名な史劇を、壮大な風景と歴史的な建造物を背景に忠実にドラマ化されている。
ウィリアム・シェイクスピアの史劇作品群に基づいき、シェイクスピアの名場面と力強い言葉の世界を堪能できるイギリスのテレビ映画シリーズである。
日本ではHuluによって初めて配信されるが、現時点で日本語に対応したDVDはまだ発売されていない。
ホロウ・クラウン嘆きの王冠-リチャード三世
登場人物相関図
時代背景
1471年: エドワード4世、ロンドンに入城。ヘンリー6世を捕らえる。
1471年: バーネットの戦い、エドワード4世勝利、ウォリック伯戦死。
1471年: テュークスベリーの戦い、ヨーク軍勝利、エドワード王子処刑、マーガレット王妃捕らわれる。
1471年: ヘンリー6世、ロンドン塔で殺害される。
1475年: エドワード4世、フランスに侵攻。ルイ11世とピキニー条約を結ぶ。
1478年: クラレンス公処刑される。
1483年: エドワード4世死去。長男のエドワード5世が王位を継承。
1483年: グロスター公リチャードが、エドワード5世を廃位し、リチャード3世として即位。
1483年: バッキンガム公の反乱。
1485年: ヘンリー・テューダーが南ウェールズのペンブルックシャーに上陸。
1485年: ボズワースの戦い、リチャード3世戦死、ヘンリー・テューダーがヘンリー7世として即位。
1486年: ヘンリー7世とエドワード4世の王女エリザベス・オブ・ヨークが結婚。
1487年: エドワード6世を僭称するランバート・シムネルの軍がアイルランドから侵攻。
1487年: ストーク・フィールドの戦い、ヘンリー7世勝利、ランバート・シムネル捕えられる。バラ戦争終了。
シーズン2,第6話
ウェストミンスター宮殿にて、リチャードは王座を手に入れるための計画と宮廷の堕落を独白する。エドワード4世の弟であり、リチャードの兄であるジョージは策略により捕らえられ、リチャードが差し向けた殺し屋によって暗殺される。
怪異な容貌と鬱屈した野心のため嫌われ、恐れられつつも巧みに人を惹きつける男の一生を描いている。彼の野望の犠牲となり親を失った子、夫を亡くした妻、子供に先立たれた親の嘆きから、不幸の底にある者でさえ他人の不幸がわからない密やかなエゴイズムが劇中に映し出されていく戯曲『リチャード三世』に基づく。
内乱のおさまった治世で、皆が平穏に暮らす中、王弟で脊椎側彎症のグロスター公リチャードは、自分の容姿を呪い普通の幸せと程遠い人生から、王座を奪うことのみに生きる目標を定めるようになっていた。
ヨーク派による王位獲得から10年後、王弟クラレンス公ジョージは、リチャードの企みで反逆を疑われてロンドン塔に入れられる。
リチャードは、ランカスター朝の前皇太子エドワード・オブ・ウェストミンスターの婚約者であったアン・ネヴィルと結婚する。
王エドワード4世は病に倒れる。
前王妃マーガレット・オブ・アンジューは宮廷に現れてヨーク派を呪う。
リチャードは刺客を牢に送って兄ジョージを殺す。
シーズン2,第7話
ジョージを暗殺し、病に倒れていたエドワード4世が逝去すると、リチャードは実権を握り、ついに王座へと上り詰める。こうしてリチャード3世となったが、すぐに腹心を失い、彼を王座から引きずり下ろすための勢力が決起する。
王は崩御し、リチャードと腹心のバッキンガム公は王妃エリザベスの親族の廷臣たちを処刑し、少年王エドワード5世と弟のヨーク公リチャードをロンドン塔に幽閉する。
バッキンガム公は議会に諮ってエドワード4世と王妃の結婚は無効であり、2人の子は王位継承権のない私生児であると宣言し、リチャードを王位につける。
リチャード3世は囚われの甥たちを殺させる。
シーズン2,第8話
孤立し、精神が壊れ始めていくリチャード。彼は、大軍を率いてイングランドに上陸した宿敵リッチモンド伯と戦うため、出陣する。リチャードとリッチモンド伯の一騎打ちにより、王冠の行方が決する。
ランカスター派のリッチモンド伯ヘンリー・テューダーはフランスから挙兵し、リチャードの母セシリー、エリザベス、マーガレットは共にリチャードを呪う。
バッキンガム公とスタンリー卿はリチャードを裏切り、ボズワースの戦いでヘンリーはリチャードを倒す。
ヘンリーは王位につき、エドワード4世の娘エリザベス・オブ・ヨークを娶ってランカスター家とヨーク家を結び付け、バラ戦争は終結する。
メモ
2012年に遺骨の発見で、リチャード3世が脊柱に強い脊椎側彎症を患っていたことは確認された。しかし、リチャード3世のDNAが曾祖父の兄であるジョン・オブ・ゴーントから続く同家系の男系の子孫と一致しなかったことから、ある時点で公式の家系図に書かれた父親とは違う父親を持つ子どもがいたことを意味し、その結果、ランカスター朝のヘンリー4世、ヘンリー5世、ヘンリー6世と、ヘンリー7世から始まりヘンリー8世、エドワード6世、メアリー1世、エリザベス1世で終わる「テューダー朝全体」に、嫡出に関する疑念が生まれている。
ウィリアム・シェイクスピアによって、ヨーク朝の後継王朝であるテューダー朝の敵役として稀代の奸物に描かれ、その人物像が後世に広く伝わっているが、リチャード3世の悪名はテューダー朝によって着せられたものであるという見解もある。
2015年3月26日、調査が終了した遺骨はレスター大聖堂に再埋葬された。
Wikiwandより