打製石器
主に旧石器時代に使用された、石を打ち欠いて製作した石器。製作法として、ハンドアックス(握斧)に代表される石塊を利用した石核石器と、石塊から剥ぎとった剥片石器の2種類がある。
打製石器
主に旧石器時代に使用された、石を打ち欠いて製作した石器。製作法として、ハンドアックス(握斧)に代表される石塊を利用した石核石器と、石塊から剥ぎとった剥片石器の2種類がある。
先史の世界
人類の出現と文明への歩み
- 最初の人類を猿人といい、南アフリカで発見されたアウストラロピテクスなどがこれに属する。そのなかに簡単な打製石器を使用するものもいた。
- 原人は約240万年前の更新世中期に出現したと推定され、ホモ・ハビリスやジャワ原人・北京原人がその仲間であった。彼らはハンドアックス(握り斧)など改良された打製石器を製作し、火の使用があったと考えられる。
- 新人(現生人類)は、約20万年前の更新世の末期に出現し、急速に各地に拡大していった。その代表例はヨーロッパのクロマニョン人や中国の周口店上洞人、イタリアのグリマルディ人がこれにあたる。新人は剥片石器技術を進歩させ、骨角器を作り、生活をより豊かにした。また、多産や狩猟の成功を願うすぐれた洞穴絵画を、スペインのアルタミラ洞窟、フランスのラスコー洞窟をはじめ各地に残した。人類が、打製石器を用いて狩猟・採集生活を営んでいた時代を旧石器時代とよぶ。
にほん文化のあけぼの
文化の始まり
旧石器時代の生活
更新世の日本列島に人が住んでいたことが発見されたのは、第二次世界大戦後のことであった。関東地方の地表の黒土の下には、更新世末期に堆積した赤土(火山灰)の厚い層が重なっており、関東ローム層と呼ばれる。この関東ローム層に遺跡は存在しないとうのが長く定説であったが、1946(昭和21)年、行商をしながら独学で考古学を勉強していた相沢忠洋あいざわただひろが、群馬県岩宿の切通しの赤土の中から打製石器を発見した。それがきっかけになって日本列島にも旧石器が存在したことが明らかになったのである。
考古学では、人類の文化を、使用された道具、特に利器の材質によって、石器時代・青銅器時代・鉄器時代に区分している。
石器時代は、打ち欠いただけの打製石器のみを用いた旧石器時代と、石器を磨いて仕上げている磨製石器が出現する新石器時代とに分けられる。
世界的には、更新世に属する人類文化を旧石器文化と呼ぶことが定着している。