魏
魏
220年〜265年 。
華北を支配した王朝。首都は洛陽。魏志倭人伝を残す。
曹操(そうそう): 君主
155年〜220年。
袁紹(えんしょう)を官渡の戦いで破り、天下統一に乗り出す。赤壁の戦いで孫権と劉備の連合軍に大敗を喫するが、依然として最大の勢力を誇る。才人・司馬懿を見出し、後継者の育成に当たらせる。
字は孟徳(もうとく)、第1話から登場する前半の主人公。本作においては従来の悪漢というイメージよりも、合理主義精神に富む現実主義者という描かれ方になっている。
メモ : 曹家は名臣曹参の裔を称しており、父の曹嵩が三公である太尉であったものの、祖父の曹騰が宦官である事から常に士大夫層からその事を馬鹿にされていた。袁紹(えんしょう)の幕下にいた陳琳(ちんりん)は、曹操との戦いに向けた檄文の中で、曹操を「贅閹の遺醜」(「宦官という卑しい存在の倅」という意味)と罵倒している。このように、曹操の血筋や家柄は、彼の敵手であった袁紹(えんしょう)・袁術ほど、他者に大きく先行するものではなかった。
曹丕(そうひ)
187〜226年。
曹操の嫡長子。庶兄二人が世を去り、母が正室となって後継者となる。曹操亡き後魏の初代皇帝の座に就く。
荀彧(じゅんいく): 軍師
163〜212年。
袁紹(えんしょう)を見限り、曹操のもとに身を寄せた政治家、軍師。曹操にさまざまな策を授け、中原平定を補佐した。冷静沈着であり、幾度となく窮地を救う。
漢室をたすける立場を貫き、魏王となる曹操と対立。自死する。
張遼(ちょうりょう)
169〜224年。
呂布の最初の義父である丁原(ていげん)、異母妹が霊帝の皇后の何氏である何進(かしん)、呂布と主君を失い続け、最後は曹操の配下となる。五将軍の筆頭として活躍した武将。
曹嵩(そうすう)
曹操の父。大尉まで上り詰める。193年、陶謙の配下に殺される。
曹洪(そうこう)
曹仁と共に曹操に仕えた武将。曹操の危機に馬を譲り、曹操を救った。
夏侯淵(かこうえん)
曹操の従兄弟。奇襲攻撃を得意とし、官渡の戦いでは大活躍した。
夏侯惇(かこうとん)
曹操、夏侯淵の従兄弟。曹操の右腕として活躍した隻眼(せきがん)の武将。
程昱(ていいく)
曹操の参謀。劉備を殺すように進言するが聞き入れられなかった。
徐晃(じょこう)
関羽の軍を破るなど活躍した武将。曹丕の時代には右将軍となる。
楽進(がくしん)
最初は記録係として仕え、後に五将軍に挙げられるほど出世した。
陳珪(ちんけい)
徐州の高官。曹操に呂布を討つようにそそのかした老稽な人物。
陳登(ちんとう)
陳珪の息子。陳珪に、使者として許の曹操の元に遣わされる。
曹植(そうしょく)
曹操の嫡妻(ちゃくさい)卞(べん)婦人の三男。詩の才能があり曹操の寵愛(ちょうあい)を受ける。
曹婦人(そうふじん)
曹操の娘。213年に姉たちと共に献帝に嫁ぎ、後に皇后となった。
司馬懿(しばい):軍師
179〜251年。
代々高官を輩出してきた名門の出で、曹操に見出される。曹操の死後は、魏の皇帝となった曹丕に重用され、その後も曹叡、曹芳に仕える。知略に長けており、諸葛亮と激戦を繰り広げる。
第4部から登場する後半の魏の主人公。 字は仲達。常に曹族からの弾圧を恐れ平身低頭で身を隠すも、大業への志は曲げず最終的に三国を統一する司馬氏の礎を築く。
曹仁(そうじん)
168年〜223年。
董卓討伐の際、千人もの若者を率いて暴れまわり、曹操の配下となった曹操軍きっての名将。曹操の従弟。
周瑜を計略にはめて毒矢を射る。
曹叡(そうえい)
206〜2239年。
曹丕の長男で、曹丕亡き後魏の第二代皇帝となる。蜀との戦いの指揮権を司馬懿に委ねる。
許褚(きょちょ)
曹操を警護し続けた巨漢の武将。曹操軍随一の猛将。曹操のためなら親をも殺すと曹丕に表される。馬超との一騎打ちを演じる。
李典(りてん)
武芸よりも学問を好んだ異色の武将。博望坡(はくぼうは)の戦いなどで活躍。
郭嘉(かくか)
同郷であった荀彧(じゅんいく)の推挙により曹操の配下となった破天荒な軍師。
于禁(うきん)
曹操配下として官渡の戦いなどで活躍。樊城(はんじょう)の戦いで関羽に降伏。
蔡陽(さいよう)
曹操の捕虜となった関羽に反感を抱く武将。後に関羽と戦う。
韓福(かんふく)
洛陽太守。孟坦(もうたん)の提案を受け、劉備の元へと走る関羽を襲撃する。
孔秀(こうしゅう)
劉備の元へと馬を走らせる関羽を、関所で止めようとする守将。
孟坦(もうたん)
韓福に関羽を討つことを提案した部下。囮(おとり)となり関羽を罠に誘う。
卞喜(べんき)
元黄巾賊。関羽を待ち伏せるが、僧侶普浄(ふじょう)によって密告される。
蒋幹(しょうかん)
諜報のため旧友の周瑜の元に赴くが、逆に利用されてしまう。