サルマティア (サルマタイ)
紀元前5世紀頃から紀元後3〜4世紀にかけて、ドン川以東の南ロシア草原に遊牧した民族。のちにスラヴ系族に吸収される。スキタイと同様で、言語や生活様式が類似している。
サルマティア
スキタイの遊牧帝国が崩壊したあと、紀元前4世紀から黒海沿岸地帯を支配したイラン系の遊牧民。3世紀にフン族に押されてヨーロッパに進出するが、6世紀には消滅。彼らのいた黒海北岸地域をその名にちなんでサルマタイと呼び、そこにいた遊牧民をサルマタイ人と呼ぶ。
17-8世紀のポーランドではシュラフタはサルマティア人の子孫と称した。
内陸アジア世界の変遷
遊牧民とオアシス民の活動
スキタイと匈奴
多くの家畜を追って、季節的に一定の地域での移動をくりかえしていた平和な遊牧民は、スキタイから騎馬の技術を伝えられると、騎馬遊牧民へと成長していった。そして、彼らの行動は、紀元前4世紀ころに始まり、西方で活躍したサルマタイや東方で活躍した匈奴は最初の代表的勢力であり、とくに匈奴は強大な遊牧国家を建設して、中国の強敵となった。タリム盆地東部にいて、のち匈奴に圧迫されて移動した月氏、天山山脈方面にいた烏孫も有力な騎馬遊牧民であった。彼らが部族的統一を進め、有力な指導者に統率されて強大化したとき、農耕民にとってきわめて大きな脅威となった。
- サルマタイ:紀元前5世紀から紀元後3〜4世紀にかけて、ドン川東の南ロシア草原に遊牧した民族。のちにスラヴ系に吸収される。スキタイと同類で、言語や生活様式が類似している。
- 烏孫:トルコ系と考えられる遊牧民。漢代には天山地方で匈奴に服従した。月氏を追ってイリ地方に移る。