サン・マルコ大聖堂 イタリアのベネチアにある大聖堂。9世紀に聖マルコの聖遺物を祀るために建立され、10世紀の反乱の際の火災により破損し、11世紀に現在のビザンツ様式に改築された。現存する最も典型的かつ完全なビザンチン聖堂として貴重である。1987年、「ヴェネツィアとその潟」のひとつとして世界遺産に登録されている。
サン・マルコ大聖堂
概要
イタリアのベネチアにある大聖堂。サン・マルコ広場に建つ。最初の聖堂は、聖マルコの遺骸を納めるために829~832年に建立されたものであるが、976年反乱の際火災により破損。現在の聖堂は1063年頃起工され、1071年完成した。ギリシア十字形プランに五つのドーム(円蓋)を配する建築はコンスタンチノープルの聖使徒聖堂を模したものとされ、現存する最も典型的かつ完全なビザンチン聖堂として貴重である。聖堂外面は、テラスに置かれたブロンズ製の馬像(ギリシア彫刻のレプリカ。オリジナルは付属博物館蔵)など、特に1204年のコンスタンチノープル陥落後、ベネチアにもたらされたさまざまな彫刻によって飾られている。内部の装飾、特に有名なモザイクは、ビザンチン本土における発展と並行した制作過程を経ていて、ビザンチン美術を知るうえで重要。参考 ブリタニカ国際大百科事典
歴史
統領によって支配されていたヴェネツィアはラヴェンナの属領で、751年にラヴェンナが東ローマ帝国の領土から失われた以降も、名目上では東ローマ帝国の宗主権下にある自治領という扱いであった。しかし、歴代総督は隣国の勢力を巧みにあしらって独自性を保ち続け、交易によって巨万の富を得ることになった。
聖マルコに捧げられた最初の教会は、現在のドゥカーレ宮殿の位置に建てられたものだった。828年にヴェネツィア商人がアッバース朝のアレキサンドリアから聖マルコの聖遺物(遺骸)を盗んできたことを記念して建てられたが、恒久的なものではなく、832年にこの建物は現在の場所に建てられた新しい教会に取って代わられた。
この聖堂は976年の暴動により消失し、978年に再建されたが、現在の聖堂の基礎になっているのは、その後さらに再建されたもので、総督ドメニコ・コンタリーニが1063年頃に起工し、総督ヴィターレ・ファリエルが1090年代完成させたものである。その後900年にわたって建て増しされ、幾度となく改修を受けている。

参考 Wikipedia
外部サイト
サン・マルコ大聖堂公式サイト