ニカイア帝国 (A.D.1204〜A.D.1261) 1204年ヴェネツィアと第4回十字軍によりビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルが占領され、ラテン帝国が建国された際、ビザンツの残存勢力のうち、ニケーアに建てた独立政権。コンスタンティノープル陥落の直前に即位したコンスタンティノス・ラスカリスの弟テオドロス1世ラスカリスが建国(東ローマ帝国ラスカリス朝)。1261年専制公だったミカエル8世パレオロゴスがコンスタンティノープルを奪回し、ビザンツ帝国を再興した(帝国最後のパレオロゴス朝)。
ニカイア帝国
ヨーロッパ世界の形成と発展
東ヨーロッパ世界の成立
後期ビザンツ帝国
11世紀の末、宮廷の内紛を鎮めて帝位についたコムネノス朝のアレクシオス1世コムネノスは、貴族勢力に対し軍事奉仕を条件に公有地の管理を任せるプロイノア制を導入、これにより帝国の封建化は進んだが、貴族連合体制のもとで国内は安定することになった。
対外的には、ヴェネツィアと提携してアドリア海からノルマンを撃退、さらにセルジューク朝の圧力に対抗するためローマ教皇に十字軍(第1回十字軍 1096年〜1099年)を要請し、トルコ人に奪われた土地の回復を目指した。
この相対的安定も、12世紀末から再び崩れた。貴族層は帝国からの自立を強め、セルビア・ブルガリアも独立、1204年にはヴェネツィアと第4回十字軍によりコンスタンティノープルが占領され、ラテン帝国の出現をみた。




参考 詳説世界史研究
歴代皇帝
- テオドロス1世ラスカリス(1204年 – 1222年) : アレクシオス3世の娘婿
- ヨハネス3世ドゥーカス・ヴァタツェス(聖ヨハネス、1222年 – 1254年) : テオドロス1世の娘婿
- テオドロス2世ラスカリス(1254年 – 1258年) : ヨハネス3世の長男
- ヨハネス4世ラスカリス(1258年 – 1261年) : テオドロス2世の息子。1261年廃位。