ブルジョワジー
階層社会の風刺画(WIKIMEDIA COMMONS)©Public Domain

ブルジョワジー


ブルジョワジー

歴史的概念として、封建社会を打倒し封建的土地所有を廃棄して、資本制生産様式に基づく近代社会を生み出した近代民主主義革命、すなわちブルジョア革命のにない手たる、絶対王政のもとで力を蓄えた新興の有産市民階級をいう。ブルジョア革命ののち、ブルジョアジーは資本家階級として、みずからが生み出した労働者階級であるプロレタリアートと対立するにいたった。

ブルジョワジー

歴史的概念として、封建社会を打倒し封建的土地所有を廃棄して、資本制生産様式に基づく近代社会を生み出した近代民主主義革命、すなわちブルジョア革命のにない手たる階級をいう。ブルジョアジーの闘争は、市民的自由、すなわち基本的人権と、市民的国家の確立の要求を掲げ、みずからを聖職者、貴族の支配階級と対置した意味での「第三身分」と認識して行われた。ブルジョア革命ののち、ブルジョアジーは資本家階級として、みずからが生み出した労働者階級であるプロレタリアートと対立するにいたった。

参考 ブリタニカ国際大百科事典

ヨーロッパ主権国家体制の展開

ヨーロッパ主権国家体制の形成

絶対王政とは
絶対王政
絶対王政の仕組み ©世界の歴史まっぷ

中世末、領主のもとに隷属する農奴をおもな労働力としてきた「マナー(荘園)」経済は、しだいにゆきづまりはじめた。危機に陥ったヨーロッパ各国の伝統的な領主層、すなわち、貴族や聖職者など封建的な勢力は、自己の経済的衰退をカバーしようと努めていた。他方、新興の市民階級も、力をつけてきたとはいえ、なお単独では政治を動かす力はなかった。このようなあいまいな状況を利用して、国王が見かけ上、絶対的ともいえる専制を確立した。これを絶対王政(絶対主義)という。

しかし、よりくわしくいうと、絶対王政とは、次のという考え方がある。

  1. 15世紀ころから危機に陥った領主=貴族たちが、その権力を国王に集中して市民や農民と対抗しようとしたのだとする
  2. 没落していく領主などの封建勢力と、勃興してきた新興の市民階層(ブルジョワ)との勢力が均衡したため、王権がどちらにつくかでものごとが決定した

イギリス立憲政治の発達

王政復古から名誉革命へ
市民革命

「市民革命」とは、封建国家から、資本主義の発展を全面的に促進する近代国家への転換を決定的にした政治体制の変革をいう。つまり、絶対王政のもとで力を蓄えたブルジョワジーが、みずから政権を握った出来事である。封建制度にもとづく土地所有のありかたが廃止され、私有財産制度が確立すること、濃度制度が廃止されることなどを目印とする。

しかし、実際にどの事件がそれにあたるかについては、いろいろな意見がある。イギリスのこの2つの革命、フランス革命、アメリカ独立革命、ドイツの三月革命、ロシアの第1次革命(1905)などが、それにあたると考えられてきたが、日本については、明治維新がそれにあたるかどうかをめぐって、戦前から大論争が展開されてきた。

欧米における近代社会の成長

アメリカ独立革命

革命としてのアメリカ独立

アメリカ革命は17世紀のイギリス革命、18世紀末のフランス革命とともに、「市民革命」(ブルジョワ革命)という概念でまとめられることがある。しかしこの「市民」あるいは「ブルジョワジー」が意味するものは3つの革命でそれぞれ異なる。イギリス革命はかなり貴族的な地主が主導した革命であり、アメリカ革命は小農・大地主・地方弁護士などが主体となった革命であり、フランス革命は都市中産層・小市民・労働者層、小作農、法律家、一部の貴族・聖職者まで広範な階層が革命の陣営に加わり、革命の局面ごとに複雑な展開をみせた革命であった。「市民革命」の概念でこれら革命をとらえようとする「市民」や「ブルジョワジー」の概念を極端に一般化しなければならない。

フランス革命とナポレオン

旧制度のフランス

特権階級には古い家柄の旧貴族に、平民出身の新貴族が加わっていた。富裕市民の一部が土地や爵位を手に入れ貴族になりあがったのである。官職を買収して世襲した新貴族には、高等法院の判事など「法服貴族」もいた。新貴族と旧貴族の対立もあったが、貴族には銀行業・貿易業など経済分野で活躍するものもいた。貴族と市民上層部は、エリートとしてある種の均質性も形成しつつあった。自由主義的な貴族とブルジョワ市民が啓蒙思想のメッセージをもっともよく理解し、反体制運動を指導し、連帯した。フランス絶対王政はこうしたエリート層をコントロールできなくなっていた。

第三身分は決して均質な階層ではなかった。ブルジョワジーと呼ばれる富裕市民のなかでも、銀行家・大商人・企業家・地主など上層市民は特権身分と利害をともにしていた。弁護士・公証人・文筆家・医師・教授など自由職業者、新興商工業者は旧制度の矛盾にもっとも批判的であった。都市の小手工業者、職人・労働者など下層市民は、サンキュロット(貴族のはくようなキュロットをはかないものの意)と呼ばれ、革命期にもっとも急進的な行動を示した。

立憲議会の成立と戦争の開始
ジロンド派:主として商工業ブルジョワジーを代表する党派。指導者にジロンド県選出の議員が多くいたことからこの名で呼ばれる。ブリッソ・コンドルセ・ヴェルニョなどが所属していた。
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