ヴァルダナ朝
A.D.606〜A.D.647
7世紀前半、ハルシャ・ヴァルダナが創始した古代北インド最後の統一王朝。都をカニヤークプジャ(カナウジ)におき、諸王侯のうえに君臨するという封建的体制を採用してたくみに統治したが、ハルシャの死とともに崩壊した。
ヴァルダナ朝
アジア・アメリカの古代文明
インドの古代文明
諸王国の抗争
グプタ朝の崩壊後、分裂していた北インドを再び統一したのはハルシャ・ヴァルダナ(戒日王)である。彼は都をカニヤークプジャ(カナウジ)におき、諸王侯のうえに君臨するという封建的体制を採用してたくみに統治した(ヴァルダナ朝)。しかしこの王国は短命で、ハルシャの死とともに崩壊した。ハルシャはヒンドゥー教・仏教の熱心な保護者としても知られる。また文芸・学問を奨励し、みずからもサンスクリット語のすぐれた戯曲や詩を書いている。この王の治世にナーランダー僧院で仏教を学んだ中国僧の玄奘は、王に招かれ厚遇を受けた。その旅行記『大唐西域記』には、国内の平和と繁栄の模様が記されている。ハルシャと唐(王朝)太宗との間には使節の交換がおこなわれ、唐朝からは王玄策が派遣された。