ヴィクトル=ユゴー Hugo( A.D.1802〜A.D.1885)
フランスのロマン主義を代表する詩人・作家。七月王政期に共和主義者となり、ルイ=ナポレオンのクーデタに反対して18年間の亡命生活を送り、第二帝政崩壊後に帰国した。「国民的詩人」として尊敬され、その死は国葬とされた。代表作『レ=ミゼラブル』。
ヴィクトル=ユゴー
フランスのロマン主義を代表する詩人・作家。七月王政期に共和主義者となり、ルイ=ナポレオンのクーデタに反対して18年間の亡命生活を送り、第二帝政崩壊後に帰国した。「国民的詩人」として尊敬され、その死は国葬とされた。
欧米における近代国民国家の発展
19世紀欧米の文化
文学
ロマン主義文学
フランス革命が反対派を抹殺するジャコバン派の独裁、さらにはナポレオン1世による他のヨーロッパ諸民族の抑圧という結果に終わると、理性に対する信頼は失われ、ドイツを中心に個人の感情や想像力を重んじ、過去に回帰して歴史や民族の伝統を尊重するロマン主義が支配的になった。
フランスでは、ネッケルの娘でナポレオンに迫害され外国に亡命したスタール夫人 Madame de Staël (1766〜1817, 代表作『デルフィーヌ』)、政治的には反動的で革命中はイギリスに亡命し、のちに外相に就任したシャトーブリアン Chateaubriand (1768〜1848, 代表作『アタラ=ルネ』)、人道主義的立場で書かれた大河小説『レ=ミゼラブル』の作者で、共和主義者であったため第二帝政を否定したユーゴー Hugo (1802〜85)などがいる。
世界史B
11. 欧米における近代国民国家の発展
53.19世紀欧米の文化
1. ロマン主義の文化
19世紀前半の文化を特徴づけるものはロマン主義である。これは啓蒙思想にみられる理性絶対の風潮への反動として生まれ、個人の感情や想像力を重んじ、民族文化の伝統を尊重する傾向をもっていた。ロマン主義が最も高まりをみせたのは芸術の分野であり、文学・絵画・音楽にすぐれた作品を残した。文学の世界では『レ・ミゼラブル』を書いたフランスのユーゴー、ギリシアの独立戦争に参加したイギリスの情熱詩人バイロン、デカブリストに共感をよせ、作品『オネーギン』『大尉の娘』で知られるロシアのプーシキンが名高い。音楽の世界では、1831年ワルシャワ蜂起の失敗を知り、ロシアに対する怒りを込めて「革命のエチュード」を作曲したポーランドのショパンらが活躍した。