坤輿万国全図 (1602年)
明末に北京で刊行された世界地図。イタリア人のイエズス会宣教師マテオ・リッチが李之藻の協力のもと16世紀までの知識をもとに作成した。東南アジアや日本、アメリカ北西部が不正確で、古来の「南方の未知の大陸」が描かれている。日本にも版本がもたらされ、江戸時代中期の世界認識に多大な影響を与えた。宮城県図書館には版本が所蔵され、着色写本とともに国の重要文化財に指定されている。
坤輿万国全図
マテオ・リッチが16世紀までの知識をもとにつくったもので、東南アジアや日本、アメリカ北西部が不正確で、古来の「南方の未知の大陸」が描かれている。明朝の高官李之藻の協力で完成した1602年の世界図を「坤輿万国全図」といい、複数の写本が存在する。日本にも版本がもたらされ、江戸時代中期の世界認識に多大な影響を与えた。原図は単色だが写本化される際に着色されたり、一部地名が仮名書きされたりしており、地名の考証から17世紀後半以降の写本とされている。宮城県図書館には版本が所蔵され、着色写本とともに国の重要文化財に指定されている。
指定文化財|重要文化財|坤輿万国全図 – 宮城県公式ウェブサイト
アジア諸地域の繁栄
東アジア・東南アジア世界の動向
明後期の社会と文化
マリオ・リッチは宮廷や官僚に接近するために、みずから中国語と中国文化を習得する一方で、中国人が興味を示した西洋学術を積極的に紹介した。彼は徐光啓の協力をえてエウクレイデス(ユークリッド)の幾何学を説いた。『幾何原本』を刊行し、さらに中国最初の世界地図である『坤輿万国全図』を李之藻の協力をへて刊行し、当時の中国の人々に初めて世界の大きさを知らせた。この『坤輿万国全図』は日本にも伝えられ、世界観を一変させる。きっかけとなった。