月氏
月氏は、紀元前3世紀から1世紀ごろにかけて東アジア、中央アジアに存在した遊牧民族とその国家名。紀元前2世紀に匈奴に敗れてからは中央アジアに移動し、大月氏と呼ばれるようになる。
月氏

内陸アジア世界の変遷
遊牧民とオアシス民の活動
スキタイと匈奴
甘粛からタリム盆地東部にかけては、もともとイラン系といわれる月氏が居住し、「絹の道(シルク・ロード)」の出入り口を押さえて交易の利をおさめていた。匈奴の冒頓単于は、この利益に目をつけ月氏を攻撃したため、月氏は西方のイリ盆地に移動した。しかし、トルコ系の烏孫がイリ盆地に進出してきたため、月氏はさらに西トルキスタンのアム川流域に移動した。これを大月氏(前140頃〜1世紀)と呼ぶ。こうして2世紀の半ばには、モンゴル高原から甘粛にかけて匈奴、イリ盆地に烏孫、アム川流域には大月氏という形勢が生まれた。
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