縄文時代 約1万2000年前から約2400年前 縄文時代になると気候が温暖化し、海面が上昇し(縄文海進)、日本列島が形成されブナ・ナラの落葉広葉樹林隊・シイの照葉樹林帯の拡大、中小動物の増加が進行した。食料が豊富になり定住生活を営み(竪穴式住居)集落ができた。地質学上は更新世末期から完新世にかけて日本列島で発展した時代。
縄文時代
関連記事: 文化の始まり 日本文化のあけぼの – 世界の歴史まっぷ石器
- 石鏃(矢じり) 狩猟具・弓矢
- 石匙 狩猟具・皮はぎ
- 石錘 漁労具・漁の網のおもり
- 石皿+すり石 生活具
土器
縄文土器は、「低温・黒褐色・厚手・もろい」「時代によって形が違う」縄文土器
草創期 | 早期 | 前期 | 中期 | 後期 | 晩期 |
---|---|---|---|---|---|
紀元前1万1000年 | 紀元前7000〜 | 紀元前4000〜 | 紀元前3000〜 | 紀元前2000〜 | 紀元前1000〜 |
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
丸底深鉢土器 | 尖底深鉢土器 | 平底深鉢土器 | 火焔土器 | 注口土器 | 亀ヶ岡式土器 |
丸底で不安定 | 尖底を土にさして使用 | 平底で安定 | 炎をかたどった装飾 | 多種多様の器形 | 芸術的 |
関連記事
生活
住居

集落

貝塚
大森貝塚:アメリカ人のモース(明治時代お雇い外国人)が発掘調査した。縄文という言葉はモースのmarked parttyからきている。 夏島貝塚:神奈川県で骨角製釣針、犬の骨が発見された。漁労に網も使用された。信仰
生活はすべて自然の恵みに依存していたので、縄文人は自然を恐れ、信仰も自然に存在するすべてに崇拝するナチュラリズム(自然崇拝)、自然の中の霊魂を信仰得するアニミズム(精霊信仰)など呪術的なものだった。風習
抜歯(成人儀礼)埋葬
早期から埋葬の習慣があり、死体の手足を折り曲げた姿勢で葬る屈葬がとられた。胸の上に石をのせる抱石葬も多い。土偶
人間(特に女性)を模して、あるいは精霊を表現して作られたと考えられる土製品。縄文時代、沖縄県を除く地域で製作された。故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多い。


縄文時代の社会
血縁関係にある20〜30人ぐらいの集団を単位として活動した。採集経済では、財産を蓄積することが困難なため、貧富や階級の差は発生しなかった。階級未分化の社会を示す証拠
- 住居がほぼ同じ規模
- 墓や埋葬方法に差がない。
- 使用された道具が同質。
縄文時代の遺跡
- 長野県尖石
- 八ケ岳山麓の大集落
- 大湯環状列石(秋田)
- 環状列石 = ストーン・サークル。縄文晩期水田・水稲耕作跡。
- 菜畑遺跡(佐賀)
- 縄文晩期水田・水稲耕作跡。
- 板付遺跡(福岡)
- 縄文晩期水田・水稲耕作跡。
- 大森貝塚(東京都)
- 考古学発祥の地。 後期アメリカ人モースが初めて調査。
- 加曽利貝塚(千葉)
- 中〜後期。国内最大の貝塚。
- 姥山貝塚
- 千葉県・巨大貝塚・竪穴住居
- 吉胡貝塚
- 愛知県・多数の人骨
- 亀ケ岡遺跡(青森県)
- 縄文晩期の代表的な土器
- 三内丸山遺跡(青森県)
- 1994年発見。巨大な集落であり、掘立柱の巨大建物跡があり、栗の栽培など原始的な農耕も行われていた。
- 鳥浜貝塚(福井)
- 草創期〜前期。糞石・丸木船など多数の出土品。= 縄文文化のタイムカプセル
- 津雲貝塚(岡山)
- 後期〜晩期。174体の人骨が出土。
- 夏島貝塚・平坂貝塚(神奈川)、吉胡貝塚・伊川津貝塚(愛知)
- 年代測定方法
関連記事
縄文時代の遺跡 一覧 Google Map – 世界の歴史まっぷ
旧石器・縄文・弥生文化の特色
旧石器・縄文・弥生文化の特色
旧石器文化 | 縄文文化 | 弥生文化 | |
自然 環境 | 乾燥・寒冷=針葉樹林 | 湿潤・温暖=東日本は落葉広葉樹林、西日本は照葉樹林 海面上昇(縄文海進)で入江が多くなる |
|
大型動物=ナウマンゾウ・オオツノジカ・マンモス・ヘラジカ | 中・小型動物=ニホンシカ・イノシシ・鳥類 | ||
経済 ・ 社会 | 狩猟・採取 | 採取・狩猟・漁労 貧富・身分の差はまだない | 水稲耕作・採取・狩猟・漁労=豚の飼育なども貧富・身分の差が発生=各地に小国の分立 |
道具 | 石器時代=打製石器 打製石斧・ナイフ形石器・尖頭器・末期に細石器など | 石器時代=打製石器と磨製石器 石鏃・石匙・石皿・磨製石斧 石槍・弓矢=中・小型動物を捕らえる 骨角器=釣針・銛・やす・土錘・石錘, 丸木舟 貯蔵穴=採取した木の実などの保存 | 鉄器時代=鉄器 武器・実用の工具。のちに鉄鎌・鉄斧 青銅器=祭器・宝器・装身具など 磨製石器=磨製片刃石斧・石包丁・紡錘車 木製の鍬・鋤・田下駄、木臼・竪杵 |
縄文土器=低温で焼かれ、厚手・黒褐色・縄目の文様 | 弥生土器=薄手・赤褐色 | ||
住居 ・ 衣服 | 移動=一定の範囲内を移動 簡単なテント式の住居。洞穴・岩陰を一時的に住居として利用 | 定住=竪穴住居(中央に炉を設置。1戸に数人から10人程度) 湧き水の得られる台地上に集落を形成(環状集落が主) 海岸近くの集落には貝塚が見られる | 定住=竪穴住居に住み、掘立柱の高床倉庫を利用(穀物保管) 環濠集落と高地性集落 男は袈裟衣、女は貫頭衣を着用 |
墓制 ・ 宗教 | 未解明 | 屈葬=手足の関節を折り曲げて埋葬 共同墓地(貝塚はゴミ捨て場兼埋葬場) アニミズム(精霊崇拝) 土偶・土版・石棒など呪術的遺物 抜歯や叉状研歯の風習 | 伸展葬=手足を伸ばして埋葬 九州北部に甕棺墓・箱式石棺墓・支石墓。東日本に再葬墓各地に土壙墓・木棺墓・壺棺墓・方形周溝墓 弥生後期に西日本で大きな墳丘墓 農耕儀礼が発達 |