西郷従道 さいごうつぐみち( A.D.1843〜A.D.1902)
西郷隆盛の弟。軍人。1869年山縣有朋と渡米して兵制を研究。陸海軍の創設に貢献した。台湾出兵を指揮。のち海相・内相を歴任。元帥。元老の一人。
西郷従道
西郷隆盛の弟。軍人。1869年山県と渡米して、兵制を研究。陸海軍の創設に貢献した。台湾出兵を指揮。のち海相・内相を歴任。元帥。元老の一人。
包容力の優れた薩摩閥の領袖
薩摩藩士。西郷隆盛の弟ということもあり陸軍の出世コースを歩む。征韓論、西南戦争ともに兄隆盛を支持しなかった。このことが新政府内の従道の評価を高め、個性の強い黒田清隆にかわって薩摩閥のまとめ役となった。参議、農商務卿、陸軍卿、海軍大臣、初の海軍元帥。
近代国家の成立
明治維新と富国強兵
初期の国際問題
清国に対して、日本は1871(明治4)年、日清修好条規・通商章程などを結んだ。同年、台湾に漂着した50名余りの琉球民が原住民に殺される事件がおこった。清国は、台湾の先住民を「化外の民」として、漂流民保護の責任をとろうとしなかったので、事件の処理をめぐって交渉は難航し、1874(明治7)年、日本政府は西郷従道のもとに軍隊を台湾に派遣した(台湾出兵)。この事後処理のために、大久保利通が全権として清国と交渉し、イギリス公使ウェードの調停もあって、清国は日本の出兵を義挙として認め、償金50万両を支払って解決した。
立憲国家の成立と日清戦争
国家体制の整備
内閣制度の確立
第1次伊藤内閣
官職 | 氏名 | 出身 | 年齢 | 爵位 |
---|---|---|---|---|
総理 | 伊藤博文 | 長州藩 | 45 | 伯 |
外務 | 井上馨 | 長州藩 | 51 | 伯 |
内務 | 山県有朋 | 長州藩 | 48 | 伯 |
大蔵 | 松方正義 | 薩摩藩 | 51 | 伯 |
陸軍 | 大山巌 | 薩摩藩 | 44 | 伯 |
海軍 | 西郷従道 | 薩摩藩 | 43 | 伯 |
司法 | 山田顕義 | 長州藩 | 42 | 伯 |
文部 | 森有礼 | 薩摩藩 | 39 | 子 |
農商務 | 谷干城 | 土佐藩 | 49 | 子 |
逓信 | 榎本武揚 | 幕臣 | 50 |