雄藩


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雄藩 ゆうはん

幕末に藩政改革に成功し、反省再建や軍事力の近代化を行って、政局に発言力を持ち、幕政を左右するまでにいたった大藩をいう。薩長土肥さっちょうどひと呼ばれる薩摩・長州・土佐・肥前(佐賀)の西南雄藩や芸州(広島)・越前(福井)・水戸藩などがある。

雄藩

幕末に藩政改革に成功し、反省再建や軍事力の近代化を行って、政局に発言力を持ち、幕政を左右するまでにいたった大藩をいう。薩長土肥さっちょうどひと呼ばれる薩摩・長州・土佐・肥前(佐賀)の西南雄藩や芸州(広島)・越前(福井)・水戸藩などがある。

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幕藩体制の動揺

幕府の衰退

経済近代化と雄藩のおこり

改革が比較的うまくいった薩長土肥など西南の大藩のほか、伊達宗城だてむねなり(1818-92)の宇和島藩松平慶永まつだいらよしなが春嶽しゅんがく、1828-90)の福井(越前)藩などでも、有能な中下級藩士を藩政の要職に抜擢し、三都の商人や領内の地主・商人と結びついて積極的に藩営貿易などを行い、藩権力を強化した。これらの諸藩は、危機に直面して有能な中下級藩士を藩政に登用し、藩の財政難打開のために強引な方法で借金を整理し、さらに藩自身が商業や工業に乗り出して富裕化をめざし、それにより軍事力の強化をはかって藩権力を強化しようとした。これらの藩はのち雄藩ゆうはんとして、幕末の政局に強い発言力と実力をもって登場することになる。

幕府も、幕末期には代官江川太郎左衛門に命じて伊豆韮山にらやまに反射炉を築かせたほか、フランス人技師の指導のもとに横須賀製鉄所を建設した。これらの幕府や雄藩の洋式工業は、明治維新後、新政府に引き継がれて官営工業の模範となった。

藩政改革

薩摩(鹿児島)藩主:島津重豪
調所広郷
島津斉彬
500万両の負債を無利息250年という長期年賦返済で棚上げ。奄美3島(大島・徳之島・喜界島)特産の黒砂糖の専売制を強化。琉球王国との貿易増大。
島津斉彬は洋式工場群(集成館)を建設。
長州(萩)藩主:毛利敬親
村田清風
銀8.5万貫(約140万両)の負債を37年賦返済で棚上げ。紙・蝋の専売制を改革。下関に越荷方をおいて、廻船の積荷の委託販売をして利益を得る。
肥前(佐賀)藩主:鍋島直正
均田制を実施し、本百姓体制を再建陶磁器の専売制を進める。日本で最初の反射炉を築いて大砲製造所を設けるなど藩権力を強化。
土佐(高知)藩主:山内豊重
改革派「おこぜ組」
吉田東洋
おこぜ組が財政緊縮による藩財政の再建につとめるが失敗。吉田東洋が紙・木材などの専売を強化する。
水戸藩主:徳川斉昭
藤田東湖
会沢安
全領の検地、弘道館を設立。藩内保守派の反対で改革派不成功。
宇和島藩主:伊達宗城
有能な中下級藩士
紙・楮・蝋の専売強化。村田蔵六を招いて兵備の近代化を図る。
越前(福井)藩主:松平慶永(春嶽)
橋本左内
由利公正
教育の普及や軍備改革を行い、貿易振興策によって財政を再建
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