アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術
アルタミラ洞窟壁画(複製) ©MatthiasKabel

アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術


アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術

アルタミラ洞窟の壁画は、先史ヨーロッパ時代の区分で主にマドレーヌ期(約18,000年 – 10,000年前)と呼ばれる旧石器時代末期に描かれた野牛、イノシシ、馬、トナカイなどの動物を中心とする壁画でユネスコの世界遺産「アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術」(文化遺産)に登録されている。

アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術

アルタミラ Altamira:スペイン北部にある旧石器時代後期の代表的な洞穴絵画遺跡。1879年に発見され、壁と天井に牛・馬・野牛などが写実的に描かれている。

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クロマニョン人の洞窟壁画

スペイン北部アルタミラにある洞窟には、旧石器時代の新人(現生人類)クロマニョン人によって描かれた彩色壁画がある。紀元前1万7000〜紀元前1万3500年のものと推定されるこの壁画は、バイソン(野牛)やシカ、ウマなどの動物が岩肌に写実的に描かれており、旧石器時代の洞窟美術の代表格である。

1879年に発見された当時は、新人の文化水準の高さが知られていない時代であったため、彼らが描いたものであるとは認められなかった。しかし、20世紀半ばに、南フランスのラスコー洞窟やスペイン北部で次々と洞窟壁画が発見され、調査・研究の結果、新人の壁画であると確認された。

最も有名な壁画の残る洞窟の大きさは、長さ20m、幅約10m、高さ約1.2〜2mあり、近年の研究で、儀式に使われていたのではないかと考えられている。

アルタミラ洞窟の壁画は、獣脂に黄土と木炭、マンガン酸化物などを溶いたもので彩色されており、岩肌の凹凸を活かしながら、ぼかしの技法による色の濃淡で立体感を出すなど、その絵画技術は高度である。このような絵画が、洞窟の天井や壁一面に描かれている。

1985年に「アルタミラ洞窟」が単独で世界遺産に登録されたのち、2008年に17箇所の洞窟が追加登録された。現在、人間が吐き出す二酸化炭素や体温などが壁画を傷めるため、すべての洞窟で入場が禁止されており、同じ敷地内の博物館でレプリカが展示されている。

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レプリカ

壁画は、ソリュトレ期に属する約18,500年前頃のものと、マドレーヌ期前期頃の約16,500年前~14,000年前頃のものが含まれる。
約13,000年前に落石によって洞窟の入り口が閉ざされ、壁画は外気から遮断されて保存されることになった。
現在は、アルタミラ洞窟の壁画は、外気に触れて痛みがひどくなっているので、公開されていない。また、他の地域の洞窟壁画も同様の理由により現在は非公開とされている。

レプリカの場所

世界遺産情報

  • ラ・ペーニャ・デ・カンダモ洞窟(アストゥリアス州)
  • ティト・ブスティーリョ洞窟(アストゥリアス州)
  • コバシエーリャ洞窟(アストゥリアス州)
  • リョニン洞窟(アストゥリアス州)
  • エル・ピンダル洞窟(アストゥリアス州)
  • チュフィン洞窟(カンタブリア州)
  • オルノス・デ・ラ・ペーニャ洞窟(カンタブリア州)
  • カスティーリョ山・エル・カスティーリョ洞窟(カンタブリア州)
  • カスティーリョ山・モネダス洞窟(カンタブリア州)
  • カスティーリョ山・パシエガ洞窟(カンタブリア州)
  • カスティーリョ山・ラス・チメネアス洞窟(カンタブリア州)
  • エル・ペンド洞窟(カンタブリア州)
  • ラ・ガルマ洞窟(カンタブリア州)
  • コバラナス洞窟(カンタブリア州)
  • サンティマミニェ洞窟(ビスカヤ県)
  • エカイン洞窟(ギプスコア県)
  • アルチェリ洞窟(ギプスコア県)

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同義語
アルタミラ
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