スーフィズム
スーフィズムの回旋舞踊 @Wikipedia
Previous Post

スーフィズム
イスラーム教の神秘主義哲学のこと。

スーフィズム

イスラーム世界の形成と発展

イスラーム世界の発展

イスラーム社会の形成

イスラーム教徒には、信仰告白・礼拝・喜捨・断食・メッカ巡礼の努め(五行)を果たすことが求められる。これらの義務が定められたのにつづいて、9世紀ころにはイスラーム法が整い、さらに哲学や神学の発達によって、イスラーム信仰に関する議論はますます煩瑣はんさなものとなっていった。これに対して、民衆の中から神との間に生き生きとした関係を取り戻そうとする運動がおこってきた。これがイスラームの神秘主義(スーフィズム)である。

神秘主義者たちは、夜、道場に集まり、くりかえし神の名を唱えたり、音楽に合わせて踊るなどの修行をつうじて、神との一体感をえることに努めた。12世紀以降になると、その指導者(聖者)を中心にして各地に神秘主義教団(タリーカ)が結成され、教団員の活動は都市の下層民や農民の改宗をうながす結果をもたらした。また彼らは、中国や中央アジア、アフリカ、インド、東南アジアなどにも進出し、各地の習俗を取り入れながら民衆の間にイスラームを広めていった。

イスラーム神秘主義者(スーフィー):「スーフィー」はアラビア語で羊毛を意味するスーフの語に由来し、羊毛の粗衣をまとって修行するものがスーフィーと呼ばれた。

神秘主義教団(タリーカ)

今でも多くの神秘主義教団(タリーカ)が活動しており、ジャラール・ウッディーン・ルーミーが創始したメヴレヴィー教団などがこのスーフィズムを信仰している。しかしトルコ政府はメウレヴィー教団の活動を禁止している。開祖の教えに戻れと主張するイスラーム原理主義の勢いで、異端的な要素(ギリシャ哲学やヒンドゥー教等)の有るスーフィズムは影を潜めている地域もある。一方で、近代市民社会を作り上げるための寛容なイスラーム・リベラルなイスラームの思想の源流として注目されても居る。

広告
Previous Post