ドナテッロ ( A.D.1386〜A.D.1466)
イタリアのフィレンツェの彫刻家。ゴシック様式の伝統を打破する実写主義を導入した。初々しい少年の裸体像で表現された「ダヴィデ」、パドヴァ広場に立つ「ガッタメラータ騎馬像」、人間の感情表現に新境地をもたらした「福音記者聖ヨハネ像」など、ルネサンス彫刻の確立者。
ドナテッロ
ルネサンス彫刻の確立者
透視法を使用し表現する彫刻家。人体の研究に基づく力強い写実主義を発展させる。代表作は坐像『洗礼者ヨハネ(福音書記者聖ヨハネ像)』。
ドナテッロはフィレンツェで、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂サン・ジョヴァンニ洗礼堂の北側扉の装飾制作をロレンツォ・ギベルティと争った。最終的に北側扉の制作にあたったのはドナテッロで、この仕事に対する支払がなされたのは1406年11月と1408年初頭のことだった。1409年から1411年頃から、大きな『福音記者聖ヨハネ像(サン・ジョヴァンニ像)』の制作に携わっている。この坐像は1588年までサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のファサードに安置されていたが、ファサード改築に伴って撤去され、現在は大聖堂付属のドゥオーモ付属美術館(フィレンツェ)に所蔵されている。『福音記者聖ヨハネ像』は、それまでの後期ゴシック様式とは一線を画し、マニエリスム様式までの人物彫刻像における自然主義の追求と人間の感情表現に新境地をもたらした重要な彫刻作品といえる。顔、肩部、胸部には理想化されたゴシック的表現が見られるものの、手、衣服、脚部は写実的な表現で制作された人物彫刻である。
参考 Wikipedia
近代ヨーロッパの成立
ルネサンス
イタリア・ルネサンスの美術と天才たち
15世紀のフィレンツェは、マサッチオ(1401年〜1428年)、 ドナテッロ(1386年頃〜1466年)、ロレンツォ・ギベルティ(1381年頃〜1455年)、フィリッポ・ブルネレスキ(1377年〜1446年)、サンドロ・ボッティチェリ(1445年〜1510年)などすぐれた芸術家を生み出した。
彫刻ではゴシック様式の伝統を打破する実写主義を導入したドナテッロがいる。初々しい少年の裸体像で表現された「ダヴィデ」、パドヴァ広場に立つ「ガッタメラータ騎馬像」などが彼の代表作である。