マルグレーテ1世( A.D.1353〜A.D.1412)
父はデンマーク王、夫はノルウェー王。幼い息子オーロフを両国の王に就けて摂政となり、デンマーク・ノルウェー両国の実権を掌握(1380)。スウェーデン貴族の要請でスウェーデン王を追放し、3国を連合した。オーロフが早世すると、みずからの血を引くポンメルンのエリク7世(デンマーク王)を共同の国王に推戴することを承認させた(カルマル同盟)。
マルグレーテ1世
国の安全に尽力した賢明な女王
デンマーク・ノルウェーの女王、のちにスウェーデンも治めた。すぐれた政治的手腕を発揮。この3国で結んだ「カルマル同盟」の共同君主となり、北ドイツに対抗した。賢明で意志が強く、アッシリアの才色兼備の女王にちなんで「北欧のセミラミス」と呼ばれた。
北方3国を支配したデンマーク女王
父はデンマーク王、夫はノルウェー王。幼い息子オーロフ2世(デンマーク王)を両国の王に就けると、摂政となり実権を握る。息子の早世後は自ら女王となる。スウェーデン王と戦い支配権を得ると、養子のエリク7世(デンマーク王)を統一北欧の王位に就け、北欧の統一をはかった。
ヨーロッパ世界の形成と発展
西ヨーロッパ中世世界の変容
北ヨーロッパ
14世紀半ば、デンマークはファルデマール4世(デンマーク王)(位1340〜1375)の時代に国内の混乱を平定し、政情は安定した。ノルウェー王に嫁した王女マルグレーテ1世(1353〜1412)は、父王と夫王がなくなるとデンマーク・ノルウェー両国の実権を掌握(1380)、さらにスウェーデン貴族の要請でスウェーデン王を追放し、3国を連合した。そして1397年デンマーク国境に近いスウェーデンの町カルマルに3国の貴族らを集め、みずからの血を引くポンメルンのエリク7世(デンマーク王)を共同の国王に推戴することを承認させた。この連合はカルマル同盟と呼ばれ、デンマークの主導する連合王国の成立を意味した。
15世紀以降スウェーデンの独立気運が強まり、1523年グスタフ1世(スウェーデン王)によるスウェーデンの独立で連合は解消されたが、デンマーク・ノルウェーの同君連合は1814年まで続いた。