一条兼良 いちじょうかねよし( A.D.1402〜A.D.1481)
室町時代の公卿・古典学者。関白・太政大臣。当時、日本無双の才人とうたわれ、朝廷の年中行事を解説した『公事根源』や『源氏物語』の注釈書である『花鳥余情』をはじめ、多くの研究書· 注釈書を著したほか、9代将軍足利義尚にささげた『樵談治要』などの政道論も残している。
一条兼良
室町時代随一の学者といわれた関白
室町時代の公卿・学者。関白・太政大臣。「かねら」ともいう。有職故実に詳しく、博学多才で、当代随一の学者とし知られた。将軍足利義尚や日野富子の庇護を受け、富子に『小夜寝覚』を講義し、将軍義尚のために政治指南書を書いている。80
歳で没する。
参考 ビジュアル版 日本史1000人 上巻 -古代国家の誕生から秀吉の天下統一まで
武家社会の成長
室町文化
東山文化
有職故実
ー方、政治的にも経済的にも力を失った公家は、もっぱら伝統的な文化の担い手となって有職故実の学問や、古典の研究に意をそそいだ。なかでも当時、日本無双の才人とうたわれた一条兼良(1402〜81)は、朝廷の年中行事を解説した『公事根源』や『源氏物語』の注釈書である『花鳥余情』をはじめ、多くの研究書· 注釈書を著したほか、9代将軍足利義尚にささげた『樵談治要』などの政道論も残している。古典では、『古今和歌集』が早くから和歌の聖典として重んじられ、その解釈などについても、当時の秘事口伝の風潮とともに神聖化されて特定の人だけに伝授された。これを古今伝授といい、東常縁(1401〜94?)によってととのえられ、さらに宗祇(1421〜1502)によってまとめられた。
参考 詳説日本史研究