植山古墳 東石室: 6世紀末頃, 西石室: 7世紀前半頃。
奈良県橿原市五条野町にある長方形墳。奈良盆地南端の甘橿丘から延びる丘陵の西端に位置する。植山古墳の西約500mには丸山古墳、南東約700mには菖蒲池古墳が所在するなど、周辺は6世紀から7世紀の有力古墳が集中する地域。2000年(平成12)の調査で古墳の内容が判明し、2002年(平成14)に国の史跡に指定され、2003年(平成15)には追加指定があった。
植山古墳
古墳は丘陵の南斜面を掘削して窪地を造り出し、そこに封土を積み上げて築造し、北辺と東西辺に周濠がめぐっている。東西約40m、南北の現存は約27m、高さ3~6mの長方形墳で、主体部は東西に並ぶ2基の大型横穴式石室で、石室の全長は約13m、いずれも南に開口している。両石室とも上面は盗掘により破壊され、天井石と壁上部の積み石が取り去られているが、墳丘の築造法・形状、2基の主体部など、6世紀末から7世紀前半の飛鳥地域の古墳の特徴を典型的に示し、かつ規模と内容が傑出していることから、推古天皇とその子、竹田皇子の合葬陵墓とする考えもある。推古朝の有力者の墓として天武・持統朝までその存在が重要視されていたことも推定でき、当時の政治・社会を考えるうえで重要視されている。
近畿日本鉄道吉野線岡寺駅から徒歩約15分。
参考 講談社国指定史跡ガイドについて
古墳データ
- 所在地 奈良県橿原市五条野町植山
- 位置 北緯34度28分34.4秒 東経135度48分12.6秒
- 形状 長方墳
- 規模 東西40m 南北27m
- 築造年代 6世紀末~7世紀前半
- 埋葬施設 横穴式石室二ヶ所 家型石棺 石棺破片
- 被葬者 推古天皇 竹田皇子(推定)
- 出土品 金銅装馬具破片 水晶製三輪玉