独立宣言 (1776年7月4日公布)
北アメリカ13植民地が、イギリス本国からの独立を宣言した文書。トマス=ジェファソンが起草、他の代表が検討を加えた。合衆国が独立する理論的根拠を前段で述べている。生命・財産および幸福追求の権利という自然権・自然法、社会契約論にたつ政府の役割、人民主権、革命権などは、ジョン・ロックの政治理論の影響を強くうけている。中段でジョージ3世(イギリス王)の悪政を列挙し、結論として植民地がアメリカ合衆国として独立することを宣言している。
独立宣言
北アメリカ13植民地が、イギリス本国からの独立を宣言した文書。独立宣言起草委員会委員の一人 T.ジェファーソンにより起草され、大陸会議で若干の検討、修正が加えられたのち、1776年7月4日公布された。内容は、(1) 基本的人権と、それを侵害する政府に対する革命権の主張から成る前文、(2) 革命権行使の理由としての国王の暴政 28ヵ条の列挙と、本国議会、本国民の背信への非難を述べた本文、(3) 独立を宣言した後文の3部分から成る。ことに自然法に基づく前文は、アメリカ独立革命(アメリカ独立戦争)の理論的根拠を述べたものとして有名である。アメリカ独立宣言は、アメリカ政治原理の基礎となったばかりでなく、世界の政治史上の古典的文書となった。
参考 ブリタニカ国際大百科事典
欧米における近代社会の成長
アメリカ独立革命
独立戦争の開始と独立宣言
大陸会議は1776年7月4日、独立宣言を採択した。トマス=ジェファソン(1743〜1826)が起草し、他の代表が検討を加えたものである。独立宣言では、合衆国が独立する理論的根拠を前段で述べている。生命・財産および幸福追求の権利という自然権・自然法、社会契約論にたつ政府の役割、人民主権、革命権などは、ジョン・ロック( 「科学革命」 )の政治理論の影響を強くうけている。中段でジョージ3世(イギリス王)の悪政を20数件の事例を列挙して述べ、結論として植民地が、アメリカ合衆国として独立することを宣言している。
独立宣言は、和解か独立かでまよっていた植民地人の選択を迫ることとなり、対外的には植民地を新国家とすることによって、本国との抗争を内乱から国際戦争に転じさせることになった。
アメリカ独立宣言(抜粋)
我々は次のことが自明の真理であると信ずる。すべての人は平等につくられ、造化の神によって、一定の譲ることのできない権利を与えられていること。そのなかには生命、自由、そして幸福の追求が含まれていること。これらの権利を確保するために、人類の間に政府がつくられ、その正当な権力は被支配者の同意にもとづかねばならない。もしどんな形の政府であってもこれらの目的を破壊するものになった場合には、その政府を改革しあるいは廃止して人民の安全と幸福をもたらすにもっとも適当と思われる原理にもとづき、そのような形で権力を形作る新しい政府を設けることが人民の権利であること。異常である・・・・・・現在のイギリス王の歴史はたび重なる侮辱と権利侵害の歴史である。すべては、わが諸州の上に絶対専制政治をうちたてることを直接目的としているのである。以上のことを立証するために、公正な世界にむかってあえて事実を提出する。