登呂遺跡 弥生時代後期の水田
静岡県静岡市駿河区登呂にある弥生時代後期の集落跡。1943(昭和18)年に軍需工場の建設現場で発見され、1947(昭和22)年から発掘調査が開始され、水田や井戸の跡、住居や高床式倉庫の遺構が発見されたほか、農耕や狩猟、漁労のための木製道具や火起こしの道具、占いに用いた骨などが出土した。1952(昭和27)年に特別史跡に指定された。
登呂遺跡
1999(平成11)年からの再発掘調査で銅釧(腕輪)や漆が塗られた琴、祭殿跡などが見つかっている。
復元された住居は土塁の中央に炉があり、屋根は茅葺きの切り妻の棟をのせている平地式住居。住居近くに復元されている高床式倉庫は6~8本の柱が立ち、1.2m程度の高床式で、周囲を板で囲み、屋根は茅葺き。柱や入り口の丸太を削った階段に鼠返しがついている。
水田跡は住居跡の東南に幅250m、長さ約400mの範囲に杭列や矢板列によって区画された畦をもつ40~50面が発掘されている。土器や石器、骨角器、狩猟・漁労具、鍬や田下駄などの木製農具、丸木舟、機織り具などの出土品は登呂博物館で見ることができる。JR東海道新幹線ほか静岡駅からしずてつジャストラインバス「登呂遺跡」下車、徒歩すぐ。
参考 講談社国指定史跡ガイド