ジョヴァンニ・ボッカッチョ( A.D.1313〜A.D.1375)
イタリア フィレンツェの小説家・人文学者。ペストを恐れ郊外に逃亡した10人の貴人たちが、10日間に語る100の物語『デカメロン』を著す。小説家としての才が冴えわたり、ヨーロッパ近代文学の祖といわれる。またダンテをたたえ、彼の伝記や『神曲』の注釈を書いたルネサンスの人文学者でもあった。
ジョヴァンニ・ボッカッチョ
ヨーロッパ近代文学の祖
ペストを恐れ郊外に逃亡した10人の貴人たちが、10日間に語る100の物語『デカメロン』を著す。小説家としての才が冴えわたり、ヨーロッパ近代文学の祖といわれる。またダンテ・アリギエーリをたたえ、彼の伝記や『神曲』の注釈を書いたルネサンスの人文学者でもあった。
近代ヨーロッパの成立
ルネサンス
新しい人間観と人間像
ペトラルカは古典古代の文学、とくにマルクス・トゥッリウス・キケロやウェルギリウスなどラテンの文学に傾倒し、ラウラという女性への恋愛をうたった叙事詩集『カンツォニエーレ』を書き、その学識と文才で知られた。人間の内面について鋭い洞察をし、人間の持つ自然な感情や自然そのものにも目を向けた。彼のように古典研究の学者であリ、人間や世界についての観察や洞察をおこなった人々は ヒューマニスト(人文主義者)と呼ばれた。
『 デカメロン』で、世俗の社会に生きる人間の姿をいきいきと面白く描き、近代小説の祖とされるジョヴァンニ・ボッカッチョ(1313年〜1375年)も、ギリシアの古典研究家であった。ギリシア・ローマの古典が「より人間らしくするもの」humaniora と呼ばれ、この研究から中世の教会的権威や神学で抑圧されてきた自然な人間性をよみがえらせようという動き、すなわち ヒューマニズム(人文主義)が学者や思想家たちの間に広まった。