ニカの乱 アヤソフィア
アヤソフィア @Wikipedia

ニカの乱


ニカの乱 (532年)
東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルで、戦車レースの時に起きた皇帝・ユスティニアヌス1世に対する反乱。「ニカ! (勝て!) 」を合言葉に、一週間に渡り続いた暴動は首都の半分近くが消失もしくは破壊された。大聖堂 (のちのハギア・ソフィア ) 、ゾイクシポス浴場、王宮の一部などに放火し、先帝アナスタシウス1世の甥を反対皇帝に選出、首都は一時無政府状態に陥った。退位を決意した皇帝は皇妃テオドラの激励によりこれを思いとどまり、将軍ベリサリウスが近衛隊を指揮し暴徒を鎮圧した。

ニカの乱

ニカの乱と皇后テオドラ

テオドラは、コンスタンティノープルの大競技場の野獣飼育係を父に持つ踊り子であったと伝えられる。夫のユスティニアヌスが、気弱で決断力に欠けているのに対し、彼女は沈着冷静な判断と実行力に恵まれていた。
それは夫の即位後しばらくしておこったニカの乱において実証された。日頃の重税への不満をつのらせた人々が、大競技場での戦車競技への熱狂から暴徒化し、口々に「ニカ(勝て!)」と叫んで首都を荒らし回った。怖気付いた夫が逃亡をはかると、「私はいにしえの言葉が正しいと思います。『皇帝の衣装はもっとも美しい死に装束である』!」と夫を叱咤し、ついに暴動の鎮圧に成功したという。

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