フーゴー・グローティウス
フーゴー・グローティウス(Michiel Jansz. van Mierevelt画/Museum Het Prinsenhof蔵)©Public Domain

フーゴー・グロティウス


フーゴー・グロティウス( A.D.1583〜A.D.1645)

オランダの法学者、政治家。1609年の著『海洋自由論』のなかで、海洋の領有が許されないこと、海洋は自然法によって万人の使用に解放されていることを主張。1625年の著『戦争と平和の法』は、国際秩序の法的基盤を整備するうえでの金字塔となった。

フーゴー・グロティウス

先人の業績を集大成した「国際法の祖」

オランダの法学者、政治家。1609年の著『海洋自由論』のなかで、海洋の領有が許されないこと、海洋は自然法によって万人の使用に解放されていることを主張。1625年の著『戦争と平和の法』は、国際秩序の法的基盤を整備するうえでの金字塔となった。

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ビジュアル 世界史1000人(下巻)

ヨーロッパ主権国家体制の展開

ヨーロッパ主権国家体制の形成

覇権国家オランダ

世界経済のヘゲモニー(覇権)を握った17世紀のオランダは、経済的繁栄を謳歌する。特にアムステルダムは、多数の運河と大商人の邸宅に囲まれ、ヨーロッパ有数の人口を抱える大都会となった。この時代のオランダ社会は、賃金の高い、救貧など社会福祉の充実した先進社会となり、文化の花が開いた。

とくに、圧倒的な経済競争力を背景に自由主義的な政策を採用したため、オランダには商人ばかりか本国でうけいれられない芸術家や知識人・亡命者などが、ヨーロッパ各地から集まった。海洋の自由を説いたフーゴー・グロティウス(1583〜1645)や、哲学者のバールーフ・スピノザやフランス人ルネ・デカルト、画家レンブラント・ファン・レインなどが活躍した。特に、グロティウスの『海洋自由論』は、重商主義の保護政策とは正反対の方向をとっており、いわば世界頂点にたち、ヘゲモニーを握った国にとって有利な主張でもあった。19世紀のイギリスや、20世紀中頃のアメリカが、自由主義を旗印にしたのも、同様の理由からである。

覇権国家オランダ – 世界の歴史まっぷ

詳説世界史研究

世界史B

8.近世ヨーロッパ世界の形成

38.ヨーロッパ主権国家体制の形成

三十年戦争ウェストファリア条約で終結したが、条約が、大半のヨーロッパ諸国が参加した国際会議でまとめられたことは、ヨーロッパ主権国家体制の確立を示すものであった。
ドイツ領邦諸侯にもほぼ完全な主権が認められ、以後、各領邦は独自の国家建設に進み、神聖ローマ帝国形骸化が決定した。三十年戦争の惨禍さんかをみたオランダの法学者フーゴー・グロティウスは『戦争と平和の法』で主権の最高性や独立性を主張する国家相互の守るべき国際法を提唱した。

38.ヨーロッパ主権国家体制の形成 – 世界の歴史まっぷ

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