薬師寺東塔 (730年)
総高34.1mの裳階つきの三重塔。リズムある姿で「凍れる音楽」の異称がある。藤原京から移建したか平城京で新築したかは議論があるが、のびやかな美しさや雲形肘木の残形など、白鳳様式を伝える。頂上の天女と飛雲を配した水煙も独特。1981年に西塔も再建された。
薬師寺東塔
総高34.1mの裳階つきの三重塔。リズムある姿で「凍れる音楽」の異称がある。藤原京から移建したか平城京で新築したかは議論があるが、のびやかな美しさや雲形肘木の残形など、白鳳様式を伝える。頂上の天女と飛雲を配した水煙も独特。1981年に西塔も再建された。
塔は本来お釈迦様のお墓を意味します。インドで梵語のストゥーパが音訳されて卒塔婆となり、それが塔婆、更には塔と表現されるようになりました。お釈迦様のご遺骨(仏舎利)を埋葬して盛り土をしたものが原型です。その塔婆を遠くからでも拝めるように、また尊敬の気持ちから、より高い台の上にお祀りするようになったのです。
薬師寺東塔は一見六重に見えますが、実は三重の塔です。これは各層に裳階と言われる小さい屋根があるためで、この大小の屋根の重なりが律動的な美しさをかもし出し「凍れる音楽」という愛称で親しまれています。
塔の上層部を相輪といいます。その更に上部に尊い塔が火災にあわぬようにとの願いをこめて、水煙が祀られています。水煙に透かし彫りされた24人の飛天は笛を奏で、花を蒔き、衣を翻し、祈りを捧げる姿で、晴れ渡った大空に御仏を讃えています。
薬師寺で唯一創建当時より現存している建物で、1300年の悠久の時を重ねてきた歴史をその姿から感じられます。
参考 奈良薬師寺 公式サイト|Yakushiji Temple Official Web Site
国宝・重要文化財データ
- 名称: 薬師寺東塔
- 員数: 1基
- 種別: 近世以前/寺院
- 時代: 奈良
- 年代: 天平2
- 西暦: 730
- 構造及び形式等: 三間三重塔婆、毎重もこし付、本瓦葺
- 国宝・重文区分: 国宝
- 重文指定年月日: 1897.12.28(明治30.12.28)
- 国宝指定年月日: 1951.06.09(昭和26.06.09)
- 所在都道府県: 奈良県
- 所在地: 奈良県奈良市西ノ京町
- 所有者名: 薬師寺