春日権現験記 かすがごんげんげんき
藤原氏一門の西園寺公衡が、一門のこれまでの繁栄に感謝し、またさらなる繁栄を祈願して制作を企て、詞書を前関白鷹司基忠父子四人、絵を宮廷絵所預の高階隆兼が担当したという制作事情が、付属の目録より明らかである。本格的な大和絵技法による精緻な描写は卓抜しており、当時の風俗を知る史料として、また痛みやすい絹地の絵巻が完全な姿で、700年もの長年月を経て現存しているという貴重性も加わり、わが国屈指の文化遺産と言って過言ではない。本来、春日大社に秘蔵されていたが、江戸後期に流出し、その後勧修寺経逸が収集し、鷹司家を経て、明治8年(1875)と同11年の2度にわけて、皇室に献上された。
春日権現験記
高階隆兼
20巻
鎌倉時代、延慶2年(1309)頃
絹本着色 40.0~41.5×635.0~1208.5
藤原氏一門の西園寺公衡が、一門のこれまでの繁栄に感謝し、またさらなる繁栄を祈願して制作を企て、詞書を前関白鷹司基忠父子四人、絵を宮廷絵所預の高階隆兼が担当したという制作事情が、付属の目録より明らかである。本格的な大和絵技法による精緻な描写は卓抜しており、当時の風俗を知る史料として、また痛みやすい絹地の絵巻が完全な姿で、700年もの長年月を経て現存しているという貴重性も加わり、わが国屈指の文化遺産と言って過言ではない。本来、春日大社に秘蔵されていたが、江戸後期に流出し、その後勧修寺経逸が収集し、鷹司家を経て、明治8年(1875)と同11年の2度にわけて、皇室に献上された。
参考 収蔵作品詳細 – 宮内庁