春日権現験記
『春日権現験記』(高階隆兼筆/三の丸尚蔵館蔵)©Public Domain

春日権現験記

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春日権現験記 かすがごんげんげんき 藤原氏一門の西園寺公衡さいおんじきんひらが、一門のこれまでの繁栄に感謝し、またさらなる繁栄を祈願して制作を企て、詞書を前関白鷹司基忠たかつかさもとただ父子四人、絵を宮廷絵所預の高階隆兼たかしなたかかねが担当したという制作事情が、付属の目録より明らかである。本格的な大和絵技法による精緻な描写は卓抜しており、当時の風俗を知る史料として、また痛みやすい絹地の絵巻が完全な姿で、700年もの長年月を経て現存しているという貴重性も加わり、わが国屈指の文化遺産と言って過言ではない。本来、春日大社に秘蔵されていたが、江戸後期に流出し、その後勧修寺経逸が収集し、鷹司家を経て、明治8年(1875)と同11年の2度にわけて、皇室に献上された。

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