猿人
中新世後期から更新世前期にいた世界最古の化石人類で、アフリカでしか発見されていない。直立歩行し、石器を使用。アウストラロピテクス類、ラミダス猿人(約440万年前)サヘラントロプス=チャデンシス(約700万年前)などがこれに属する。年代は700万~130万年前。
猿人
中新世後期から更新世前期にいた世界最古の化石人類で、アフリカでしか発見されていない。直立歩行し、石器を使用。アウストラロピテクス類、ラミダス猿人(約440万年前)サヘラントロプス=チャデンシス(約700万年前)などがこれに属する。年代は700万~130万年前。
最初の化石人類。アフリカにのみ分布しており、直立二足歩行をおこない、原始的な打製石器をもちいたものも見られた。
日本文化のあけぼの
文化の始まり
日本列島と日本人
人類は、
猿人(600万〜170万年前) → 原人(170万〜20万年前) → 旧人(20万〜3万年前) → 新人(15万年前以降)
という進化を経てきた。
東部アフリカを南北に走る大地溝帯は人類誕生の地で、1924年、最初にアウストラロピテクス(南方の猿の意)を発見したのは南アフリカの解剖学者レイモンド=ダートであった。アウストラロピテクス=アファレンシス(アファール猿人)は、現代人の約3分の1(約500cc,チンパンジー並み)の脳容量しかもたないが、直立二足歩行をしており、新生代新第三紀鮮新世の340万〜280万年前ころに生存したらしい。230万年前ころに、大きな脳容量をもち、石器などの道具を使用していたホモ=ハビリスが現れた。このホモ=ハビリスから原人ホモ=エレクトゥスが生じ、現在の人類にいたるという説が有力である。
人類が猿人 → 原人 → 旧人 → 新人と、直線的に進化してきたという考え方は、現在の人類学では大幅に見直されている。発見された人類化石の数が増えるにつれて、過去にはもっとさまざまな種類の人類が存在したこと、しかし大多数の系統は絶滅し、一つの系統だけが現代人へ進化したことが判明している。人類最古といわれる化石の発見も続いている。1992年にはエチオピアで約440万年前とされる猿人の歯が発見され(ラミダス猿人)、2000年にはケニアで約600万年前と考えられる猿人の骨が発見された。2002年に中央アフリカのチャドで発見された猿人の化石は約700万年前と推定されるが、人類の化石であるかどうか疑う意見もある。
人類がアフリカ大陸で誕生したことは明らかであり、原人の段階にいたって、人類は初めてアフリカの外へ出てユーラシア大陸へ進出していった。
旧石器時代人の生活
旧石器時代の石器
旧石器は、礫(石塊)の周辺を打ち砕いて刃を作り出した「石核石器」と、石核から剥ぎ取られた破片(剝片)に刃をつくり出した「剝片石器」に分けられる。猿人・原人の用いた石器は主に石核石器であり、中期旧石器時代に剝片石器が発達した。後期旧石器時代には、剝片をいっそう注意深く多量につくり出す技法が発達した。その結果、つくり出された薄く長い剝片は石刃と呼ばれ、各種の石器の素材となった。
先史時代年表
実年代 (年前) | 地質 年代 | 史的 年代 | 考古 年代 | 人類 | 経済・社会・文化 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
500万年 | 更 新 世 | 先 史 時 代 | 旧 石 器 時 代 | 初源期の人類の出現 | |||
400万年 | アウストラロピテクス・アファレンシス | 猿人 | 獲得経済(狩猟・採集) 礫石器の使用 言語の形成 道具の製作 火の使用 | 群 社 会 野 外 ・ 洞 窟 住 居 |
|||
250万年 | ホモ・ハビリス | ||||||
130万年 | ジャワ原人 | 原人 | |||||
50万年 | 北京原人 | ||||||
12万年 | 中 期 旧 石 器 時 代 | ネアンデルタール人 | 旧人 | 埋葬開始(宗教の起源) 剥片石器の使用 骨角器の製作・漁労 弓矢の発明 洞窟絵画 |
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4万年前 | 後 期 旧 石 器 時 代 | フマーネ洞窟の壁画 | |||||
6万年 | クロマニョン人 周口店上洞人 | 新人 | |||||
3万6000年前 | ショーヴェ洞穴の壁画 | ||||||
2万年前 | 晩 期 旧 石 器 時 代 | ラスコー洞窟の壁画 | |||||
1万年 | 完 新 世 | 新 石 器 時 代 | 農耕・牧畜開始, 生産経済に入る 磨製石器・土器・織物・煉瓦・村落定住 | ||||
4000年 | 青 銅 器 時 代 | シュメール人 セム語系・エジプト語系民族の登場 インド・ヨーロッパ語系民族の登場 | 灌漑農業・犂耕・手工業・交易開始 青銅器・文字・神殿の出現 都市・階級の成立 奴隷の発生 | ||||
3000年 | 歴 史 時 代 | 鉄 器 時 代 | 分業の発達 鉄器の普及 国家の成立 |